DIGRESS take04 RESULT

考える事それによって行動する事がどんな結果を齎すかは、結果がどう扱われ何に作用するかによって変化するものだ。考える事で結果を想定して行動してみても、良くも悪くも得られる結果が想定通りとは限らないのは、結果は結果として存在し扱われ方や作用が想定とは異なるからでもある。

SPEED SPECTERがライブに於けるインプロビゼーションを基本としたクリエイションを行っている中で、クリエイターである高蝶は結果を想定しているのだろうか?過去から一連の流れを辿ってみても、とてもそうだとは思えない。

旅の中で、イメージやヴィジョンを一瞬で掴んでインプロビゼーションを以てパフォーマンスを発揮する際に、クリエイションを完了させる想定は出来ているのだろうが、パフォーマンスを含めたクリエイションが齎す結果については何も想定していないだろう。それは想定通りの旅には何も面白味を感じない高蝶にとっては当たり前の事でもある。

では、旅では無く脇道へ逸れたとして行っているCASE:DIGRESSではどうだろうか?2時間のライブ配信を基本としてクリエイションタイムも含めてある種の想定が必要になるイベント。完了したクリエイションの扱いも合わせて申し合わせた進行や準備が必要になってくるだけに想定して臨む事になってくる部分は当然ながら出てくるだろうし、それはパフォーマンスやクリエイションへの制限にも繋がるだろう。

逸れたなら逸れた道の中でのクリエイション。take04になって示されたSPEED SPECTERのカタチは昨年までとは違い、修練と称して高蝶が不定期に個人で行っているライブ配信での成果も有ってかトークとクリエイションを同時進行するパフォーマンスを見せ、完了したクリエイションもまた昨年までとは変化したカタチを成している。

切り崩した岩肌の様な質感、シルバーと真鍮をシームレスにジョイントしながらテーマを設けたフォルムとデザインへと抽象的に描き出す。地金を彫る事で何が出来るか?SPEED SPECTER CASE:DIGRESSならではの新しいカタチを模索しつつ、他のチャームやペンダントを組み合わせる事が可能となるアクセサリーとしての面白味も含ませての完了は、想定よりもインプロビゼーションの強さだろうと思う。

結果として、こうした過程や模索がどう扱われ何に作用しているか?は高蝶にとってSPEED SPECTERにとっては重要では無いのかも知れない。脇道へ逸れてしまったからこそ脇道での新しいカタチを。そのカタチを求める事がSPEED SPECTER CASE:DIGRESSにとって現時点で得られた結果であって、其れはこれからも変化し進んで行く。

 

「何処かへ行き、何かを創る」 そのシンプルなコンセプトを軸に、クリエイター高蝶智樹が行うライブクリエイションツアー。
Loud Style Design、VANITAS、ANOTHER HEAVENといった自身が携わるブランドのスタイルや技術を用いるだけでなく、インプロヴィゼーションによってクリエイションを行うライブでは、日頃の創作活動では用いられる事の少ない技術や加工法が繰り出される事も多く、単なるライブクリエイションとは一線を画すものとなっている。
2008年のスタートから10年以上を経過し、コンヴェンションやエキシヴィジョンでの展開、対戦形式で行われるクリエイションバトル等、ツアーのコンテンツに多様化を齎しながらも、「何処かへ行き、何かを創る」というシンプルなコンセプトは変わる事無く旅は続いている。