Pieces of Mind

ブランド毎にスケジュールを組んで行われている「The LIBERATOR」だが“旅によってブランドを再定義する”というツアーの命題に、VANITASはどう答えるのだろう?新たなスタイルを提示する為にスニーカーのカスタムや新作をライブで創り出す事でLoud Style Designは再定義の旅へと踏み出したが、ブランド歴が浅いVANITASが踏み出す一歩とは?

「散らばったピースを集めて組み直す」

クリエイターの高蝶が語ったこの言葉を額面通りに受け取るならば、今までのツアーやイベントで創り出した原型を編集する事を指し示すのだろうが、VANITASに於ける今までの活動を全て振り返ってみると違う側面が顔を出す。

コラボレーションや別注として依頼を受けて創り出してきた数々のアイテム、最近ではNO.IDやBLACK CROWとの展開が印象的だが、過去にはw.j.kやSEMBLでも別注を行ってきたしLienやN/07ではではジュエリー以外の服飾パーツも担当、短期間だがROENとコラボレーションした事もあった。

こうした数々のアパレルブランドとの仕事の中でクリエイティビティを発揮してきたVANITASだが、その内容をワンメイク以外でフィードバックさせる事は稀で、ワンシーズンで終了するアパレルのコレクションに合わせたアイテムの多くはそれこそ散らばったパズルのピースの様に散乱している。

 

高蝶がVANITASとしてこのパズルのピースを集めて組み立て直すつもりなのかは判らない。外に散乱したピースを使用しなくとも日頃から創り出したまま眠らせているピースだけでも新たなVANITASというパズルは完成させられそうだからだ。

果たして、VANITASにとっての再定義はジグソーパズルを組み立てる様に一片一片を在るべきところに嵌めていく方法なのだろうか?それとももっと違う何か異質な組み上げ方を見せるのだろうか?

 

[SPEED SPECTER The LIBERATOR]

CASE: VANITAS

2018.8.24(Fri)~2018.8.26(Sun) 13:00 START

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL 03-5600-1972

「何処かへ行き、何かを創る」 そのシンプルなコンセプトを軸に、クリエイター高蝶智樹が行うライブクリエイションツアー。
Loud Style Design、VANITAS、ANOTHER HEAVENといった自身が携わるブランドのスタイルや技術を用いるだけでなく、インプロヴィゼーションによってクリエイションを行うライブでは、日頃の創作活動では用いられる事の少ない技術や加工法が繰り出される事も多く、単なるライブクリエイションとは一線を画すものとなっている。
2008年のスタートから10年以上を経過し、コンヴェンションやエキシヴィジョンでの展開、対戦形式で行われるクリエイションバトル等、ツアーのコンテンツに多様化を齎しながらも、「何処かへ行き、何かを創る」というシンプルなコンセプトは変わる事無く旅は続いている。