GALLERY MADE -VANITAS-

GALLERY REFUSEで毎月行われている「GALLERY MADE」というイベントについては以前もお伝えした通りだが、

(*記事リンクhttps://wp.me/pa0YYY-nw)SPEED SPECTERという旅の一環としての「GALLERY MADE」は内容が少し異なる。前回のツアーでも「GALLERY MADE」形式でのイベントは行われていたが、どちらかと言うとSPEED SPECTER色の強いイベントではあった。では、今回のツアーでは何が違うか?を特筆するならばブランドとしてのエッセンスが強調されている部分になる。

“The LIBERATER”に於ける「ブランドの再定義」というテーマはそのままに、「空間での体験」をコンセプトに、ゆったりと過ごす時間を提供する「GALLERY MADE」のスタイルが組み合わされる事で、展示会にも似たイベント内容となっている。

「物から派生し、物に収束される」とは、クリエイターである高蝶の言葉だが、演出された空間や過ごす時間も全てはクリエイションに始まりクリエイションで終わる流れは「GALLERY MADE」特有のものだろう。イベント中にクリエイションを行うのでは無く、イベント前にワンメイクを仕上げ展示された状態からスタートする決まりは「物から派生する」事を示し、鑑賞と吟味の時間を長く楽しんで貰おうという内容は、その過ごした時間が次のクリエイションへと繋がる「物に収束される」事を示していて、そのブラッシュアップの繰り返しが「ブランドの再定義」へと向う。

SPEED SPECTERとしての「GALLERY MADE」一番手はVANITASとなったが、ワンメイクの内容は過去にSEMBLと行っていたプロジェクトの「BLACK JACK」のパーツを如何にVANITASに取り込んでいくか?をメインにした展開となった。HOBOスタイルとも呼ばれるコインを加工してアクセサリーへと昇華させたアイテムは、元々は「BLACK JACK」のパーツとして使用されていた物だが、ここにきてようやくVANITASに組み合わせる準備が整ったという事なのだろう。

渡り鳥の様に旅をしながら暮らすアメリカのホームレスが生み出したカルチャーを、旅を繰り返しながら体感する事で更に深く自分の中に取り込む事が、高蝶の中にビート・ジェネレーションへの独自の解釈を齎し、VANITASの憂いや退廃性と結び付けるに至ったに違いない。単なるワンメイクで終わるというよりも、今後の展開も含めて先へ向う要素が多く見られたという意味でもVANITASにとって有意義でブランドとしてのエッセンスが顕著な「GALLERY MADE」だった。

SPEED SPECTER The LIBERATOR

CASE: Loud Style Design

GALLERY MADE

2018.12.21(Fri)-2018.12.24(Mon)

12.21(Fri) 18:00 START

12.22(Sat) 23(Sun) 24(Mon) 13:00 START

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL03-5600-1972

「何処かへ行き、何かを創る」 そのシンプルなコンセプトを軸に、クリエイター高蝶智樹が行うライブクリエイションツアー。
Loud Style Design、VANITAS、ANOTHER HEAVENといった自身が携わるブランドのスタイルや技術を用いるだけでなく、インプロヴィゼーションによってクリエイションを行うライブでは、日頃の創作活動では用いられる事の少ない技術や加工法が繰り出される事も多く、単なるライブクリエイションとは一線を画すものとなっている。
2008年のスタートから10年以上を経過し、コンヴェンションやエキシヴィジョンでの展開、対戦形式で行われるクリエイションバトル等、ツアーのコンテンツに多様化を齎しながらも、「何処かへ行き、何かを創る」というシンプルなコンセプトは変わる事無く旅は続いている。