GALLERY MADE  -Loud Style Design-

新たなクリエイションでは無くOne Makeを行うのがGALLERY MADEの基本的な流儀となっている事は、当然ながらクリエイターである高蝶が決めた事なのだが、旅としてのSPEED SPECTERの一環として行われた今回のGALLERY MADEでのLoud Style Designは、高蝶が自分で定めた流儀に自分で逆らうかの様に「One Makeとは?」を問い掛ける内容だった。

ブランドのピースを使用してビルドアップやブラッシュアップを行うのが主流となっているシルバーアクセサリー業界のOne Makeだが、四日間に渡って行われたGALLERY MADEでのLoud Style Designは、地金からカタチを創っていく事を基本とした言わば新作としても過言では無いレベルのOne Makeを行った。

「重要なのは辿り着く事」と心情を吐露していた高蝶だが、ベースとなるピースを使用しようが地金から新たなカタチを創り出そうがOne Makeという意識で制作していれば、其れがLoud Style DesignにとってのOne Makeであって、どちらのプロセスを踏もうともブランドのカラーを表現可能だという事に他ならない。後は受け手側が其れをどう捉えるか?という事になってくるのだが、そこには余計な意見を挟まずに手に取って各々で感じて頂きたい。

ブランドとしての振り幅ならば何処よりも多くのアイテムカテゴリーでクリエイションが可能なLoud Style Designで、四日間のGALLERY MADEをストレートにシルバーだけを使用したOne Makeで纏めたのは、2018年から2019年へと年を跨いで続く「ブランドを再定義する」SPEED SPECTERという旅に対して、新たな決意表明の様に感じられてならない。

「何処かへ行き、何かを創る」 そのシンプルなコンセプトを軸に、クリエイター高蝶智樹が行うライブクリエイションツアー。
Loud Style Design、VANITAS、ANOTHER HEAVENといった自身が携わるブランドのスタイルや技術を用いるだけでなく、インプロヴィゼーションによってクリエイションを行うライブでは、日頃の創作活動では用いられる事の少ない技術や加工法が繰り出される事も多く、単なるライブクリエイションとは一線を画すものとなっている。
2008年のスタートから10年以上を経過し、コンヴェンションやエキシヴィジョンでの展開、対戦形式で行われるクリエイションバトル等、ツアーのコンテンツに多様化を齎しながらも、「何処かへ行き、何かを創る」というシンプルなコンセプトは変わる事無く旅は続いている。