EVENT REPORT: ROYAL FLASH -FUKUOKA-

やはり、と言うべきか必然的な流れとでも言うか、CASE: Loud Style DesignによるROYAL FLASHでの一連のイベントでは、最期まで足もとのスタイルに拘ったカスタムが並ぶ事となった。そして、これもまた必然的にハイカットのコンバースで展開してきたカスタムスニーカーに留まらずに、ローカットのスニーカーでのカスタムが展開された。

ここまでの一連の流れは当然ながら思い付きよりも計画性が重視されてのクリエイションなのだろうが、それにしても展開の速さが凄まじい。こうしたスピードは正にSPEED SPECTERならではと言うべきだが、そのクリエイションの内容が故に旅のポイントとしてROYAL FLASHを選択した理由が、事ここに至って見えてきた気がする。

シルバーのスタッズによるカスタムという手法は、Loud Style Designがツアーをスタートさせた2003年には画期的であった事は今更説明する様な事でも無いが、「ブランドの再定義」を目的とした今回のツアーでは特にそのベースとなるアイテムを意識して増やしている様に感じる。それがオリジネーターとしての役割だという事まで意識しているか否かは別にしても、自分が始めた事を15年が経過した現在でも更に先に進めようとしている事は間違い無いだろう。

一連のスニーカーやブーツのカスタムも含めた今回のツアーに於けるLoud Style Designとしてのクリエイションのベクトルは、SPEED SPECTERとしてのクリエイションをブランドに取り込む事よりも、ブランドとしてのクリエイションの一端を旅の中で披露していく形式に変化している事は、既に「The LIBERATOR」のレポートをご覧になって頂いてる中でもお伝えしている通りだが、その中でもライブでのクリエイションではSPEED SPECTERとしてのインプロヴィゼーションの矜持は発揮されていた様だ。

ブランドの“らしさ”を出しながらも彫りの深さやレリーフの流れを緩やかに持っていくデザインは、「インプロヴィゼーションは旅の道程や土地や空間がイメージに重要な関わりを持ってくる」という高蝶の言葉が示す様に、今回のクリエイションもROYAL FLASH –FUKUOKA-ならではと言うことになり、次に同じ季節に同じ空間でクリエイションを行っても、狙わない限りは全く違う物になる“即興性の妙”を持ちつつもバランスの良さと着けこなし易さが際立つクリエイションとなっていた。

11月を通してROYAL FLASHで行ってきたツアーは、その集大成として11月30日までROYAL FLASH –Jingumae-でTRANK SHOW形式で展示販売される。7月に開催されツアーのスタートを切った神宮前店から4ヶ月余りを経て、どれだけクリエイティブな旅が行われたのかを是非体感して頂きたい。

SPEED SPECTER The LIBERATOR

CASE: Loud Style Design
2018.11.22(Thu)-2018.11.30(Fri)
ROYAL FLASH-Jingumae-
東京都渋谷区神宮前6-18-8 TEL 03-3498-2973
https://www.royalflash-jp.com

「何処かへ行き、何かを創る」 そのシンプルなコンセプトを軸に、クリエイター高蝶智樹が行うライブクリエイションツアー。
Loud Style Design、VANITAS、ANOTHER HEAVENといった自身が携わるブランドのスタイルや技術を用いるだけでなく、インプロヴィゼーションによってクリエイションを行うライブでは、日頃の創作活動では用いられる事の少ない技術や加工法が繰り出される事も多く、単なるライブクリエイションとは一線を画すものとなっている。
2008年のスタートから10年以上を経過し、コンヴェンションやエキシヴィジョンでの展開、対戦形式で行われるクリエイションバトル等、ツアーのコンテンツに多様化を齎しながらも、「何処かへ行き、何かを創る」というシンプルなコンセプトは変わる事無く旅は続いている。