髑髏ノ調べ SKULL RING -FULL FACE 02-
象徴としての髑髏は、装飾品としてよりも歴史は古いのだと思われます。死の象徴や終わりの意味合いとして描かれる事が多い髑髏ですが、解釈の幅は時代と共に広がっていき、感情表現にも用いられる様になっていきます。感情の比喩や暗喩として髑髏が用いられるのは、肉体の内にあるもう一つの表情として喜怒哀楽に関わらず提示しやすい存在だからでしょう。シルバーアクセサリーに於ける髑髏のお話を語るならば、感情表現としての髑髏は欠かせないと思います。今回は感情表現に振り切ったLoud Style Designのスカルリングのお話。
Loud Style Design -LOUDER- LGR-004
バランスや整合性に重きを置く傾向にあるLoud Style Designのコレクションの中でも一際異彩を放つのがこの「LOUDER」であり、ブランドとしては初のフルフェイスタイプのスカルリングでした。表情としては確かにLoud Style Designの特徴が存分に現れていますが、色々な意味でバランスをフルスイングで無視した感じがブランドと創り手の内面をダイレクトに表現しているのを感じさせます。
2007年のリリース時に雑誌での謳い文句は「スカルリングに止めを刺す」だったかと思いますけど、この煽り文句は当時も気付いた方が多い様に映画「PULP FICTION」日本公開時の煽りを踏襲したもの。映画好きなクリエイターの高蝶が扇動的にこうしたアクションを行うのはいつもの事でしたが、狙い通りに反感や対抗心は当時のシルバーアクセサリー業界でも大きかったんではないでしょうか?
当時のLoud Style Designのコレクションですら「LOUDER」は特殊な存在でしたが、ブランドとしてスカルリングのバリエーションが多くなった現在のコレクションでも一際特徴的です。曲線やフレアパターンでスカルに見える表現なら創り手として簡単かもしれませんし、正統派なスカルなら当然の様に造形可能でしょう。しかし、“感情の畝り”をコンセプトにした内在する騒がしさをスカルで表現する為に、歪な曲線と崩れ切らないスカルが描かれた表情やリングとしてのバランスが際々で成立する。この表現方法は後のLoud Style Designでも見られないものです。
特徴的なのはフェイスやフォルムのデザインだけで無くサイジングやボリュームに於いても顕著で、ダイナミックな表現に合わせてヘヴィな造りとなっていて着けごたえが凄いリングですね。前回紹介のANOTHER HEAVENの「ONE LIFE」もかなりボリューミーな造りですが、「LOUDER」はそれ以上に身に着ける人や着ける指を選んでしまう様なスカルリング。インパクトが強い為に他のアイテムとのバランスにもかなり配慮が必要になってくるんではないでしょうか。
お勧めの着けこなし方としては親指に一点。ブレスレットやバングルも印象の強い物を選んで、象徴的なコーディネートで固めるのが良いかと。アパレルアイテムに関してはライダースジャケットならスタンダードに足元もエンジニアブーツで。緩めのニットとダメージデニムを合わせていくとバケットハットや首元にチェーンネックレスだと現代的なスタイリングになりますね。意外なところでトラッドなスーツに合わせて人差し指に一点着けで楽しむのもお勧め。
REFUSEで取り扱っているスカルリングの中でも最大級のサイズを誇る「LOUDER」ですが、その特徴的なデザインを活かして楽しむには自分の中で何を象徴するアイテムなのか?を持っているとスタイリングにも影響させれるかと思います。髑髏は自分にとって何を象徴しているのか?是非、身に着けながら考えてみて頂けると幸いです。
ご紹介をさせて頂いた作品はGALLERY REFUSEにて展示販売をしております。
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またONLINE STOREでもご購入が可能となりますので、是非ともご閲覧ください
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1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
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