髑髏ノ調べ SKULL RING -FULL FACE 05-

何処へ行くかによって装いは変化する(稀に何処に行くにも同じ格好の人とかもいますけど)ものです。同じ様に、持ち運ぶ物によって鞄の形状や大きさも変わります。目的や必要性に応じて装いや容れ物が変わると考えられますが、考えを切り替えてみると目的や必要性が無ければ変化しない事にもなりませんか?生物の進化にしても環境に対して目的や必要性が生じたから行われてきた訳で、人類の髑髏が現在のカタチになったのも目的と必要性があったからでしょう。何かを創り出そうとする時、どんな目的と必要性が存在するのか?今回はそんなスカルリングのお話。

Loud Style Design -ROGUE-

ブランドの難しさは年数を重ねれば重ねる程にコレクションが積み上がってしまう事にもあるかと思います。これがアパレルブランドであればシーズン毎に切り替わるので、定番化するアイテムが少なかったりシルエットやパターンだけ定番化して装いが変わる展開。ところがシルバーアクセサリーの場合は定番化したアイテムは数年経ってマイナーチェンジが行われるぐらいのペース。故に新作リリースが遅いブランドも多い訳で、例えばスカルリングにしても既にレギュラーコレクションに存在していると制作する目的と必要性を他でも無い自分に問うのがクリエイターの性。これがビジネスライクに「ウケが良いから」だけで同じ様なアイテムをリリース出来れば楽なんでしょうけど、Loud Style Designの場合はそうでは無い模様。

Loud Style Designにとって目的は至極明白でスタイルの構築になり、そのスタイルにとっての必要性によってデザインやアイテムが決まる。若しくはその逆でアイテムを活かすスタイルの構築。シンプルにしてディープなこの二方向をブランドの軸にしたのはクリエイターの高蝶にとって「いつ迄でも続けられる命題だから」だそうです。しかし、そうなるとスタイルが決まらないと制作出来ないし、制作してもスタイルに必要無ければリリースされない。ブランド設立から20年以上が経過すると構築してきたスタイルも積み上がり、次に何処へ向かうべきか?を考える時間が長くなってくる。Loud Style Designのコレクションで最もミニマムなスカルリング「ROGUE」が制作されたのは、そんな考える時間を長くさせられた2022年。

「ROGUE」が製作された背景にはGARAGE REFUSEでも取り扱っている「SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL」の存在が大きいでしょう。アメリカンヴィンテージを体現したかの様な「SCHAEFFER’S GARAMENT HOTEL」のオーナーであるロバート氏との付き合いの中で、高蝶が掴んだのは文化背景や歴史に加えて環境がスタイルに及ぼす影響。単なる装いでは無く目的と必要性そして自己主張によって生じるライフスタイルが何を選ぶかを決める。「ROGUE」で表現しようとしているのは誇張するよりも生活の中で自然と選ぶスカルリングである事。長い年月を共に過ごすスタイルの一部である事。そしてその中に自分の不良性を備える事。リングとしてのサイジングや不敵な笑みを湛える不良的なスカルの表情にそうした意志を読み取る事が出来ますね。

長く身に着けるリングはマリッジリング然りで必然的にミニマムなサイジングとボリュームになりますけど、「ROGUE」の場合は一般的なリングに比べればミニマムとは言い難いサイジング。ただ特徴としてはLoud Style Designの他のスカルリングに比べて立体的では無く平面的なボリュームでの表現になり、こうしたフォルムがヴィンテージのスカルリングからの影響を感じさせます。となれば身に着けるのにお勧めのなのは薬指と小指になるんですけど、個々人によって指の太さや長さが違うので合う指に着けるのが最適。上述した様な表現背景からも自然と馴染むスタイルが多いんですが、その背景も含めてラフなアメカジでのコーディネートは最も合いますね。

スカルリングを最も自然に且つ主張を強くするなら一点着けになるんですけれども、敢えて違ったスタイルを提案するならバングルやブレスレットは重ね着けで動きが出るアイテムを合わせ。ネックレスは太めなアイテムを選び、スカルリングを着けるのとは逆の手にはインパクトの強いリングを。どちらかと言うとスカルリングを抑えの役割に持って来るのも「ROGUE」のアイテムバランスであればお勧めしたいところ。

拘りを持ったシルバーアクセサリーは主義主張や趣味趣向を拡張して身に着ける物であり、強くするも弱くするもシチュエーションに合わせる物です。その強弱の中間に位置して、いつでも傍に自然と在るスカルリングをラウドスタイルで。年月を経ても身に着ける続けられるアイテムであったなら幸いです。

 

ご紹介させて頂いた作品はGALLERY REFUSEにて展示販売をしております。

GALLERY REFUSE 東京都江東区森下1-13-11 TEL:03-5600-1972

 

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more