RUMBLE REFUSE STYLE -028-

経済を基本として生活が巡っている社会では、共通の原資を”お金”として認識する事が多い。所謂、資本主義経済であり経済基盤を盤石にする事を目的として活動を行う。では、経済の基本となる資本と資産の違いは何か?資本は単純に活動の元手となるお金を示すが、資産はもう少し複雑になってくる。

経済の基本は詰まるところ、資本を動かした結果により多くを得れるか否か。と、資産によって何を産み出し何かを得られるか否か。自己増殖する価値の運動体として資本を位置付け、資本主義を否定し続けたのはマルクスだが、本人の意図とは別にマルクスが産み出した資産が今日では、資本主義経済を理解し発展させる一助となっているのは皮肉でしかない。

資産の複雑さは読んで字の如く”資”が図らずも皮肉な現象すら”産み”出してしまうところにある。その最たるものにして人にとって拭い難いのが、印象資産だろう。

印象資産。同義語で語られる事も少なくないが錯覚資産と呼ばれるものの本質は、簡単に言えば見た目になる。世間で囁かれる単純な例を挙げると、女性が男性に求める清潔感が解りやすいだろう。実際に清潔か否か?を問うのでは無く、清潔(この意味は個々人によって変化するだろうが)な印象を先ずは求める。

これは何も資本主義経済だからとかではなく、生物的に自然な事であり必要があって発達した能力だろう。多種多様な見た目の生物が存在する理由の一つとして、外敵から身を守り危険を避けるのに見た目は重要だ。経済活動に於いて人々が重要視するものが資産となり得る事は説明するまでも無いだろう。つまり、印象は資産として成立させられる。

さて、経済の話を少し織り交ぜて書かせて頂いたので、印象資産を如何に運用するのが経済的に得か?に話が流れてしまいそうだが、本題はファッションとシルバアクセサリーが如何に印象を産み出すか?についてだ。印象のベクトルは常に自分と他者との2方向あり、この比重をシーンによって変化させれる事がスタイリングのみならず重要だろう。

自分の好みや趣味趣向を反映させる事は、自分の気分を高めて1日の印象を良くするかも知れないが、あくまでも自分にとってでしかない。必ずと言っていい程に他者が、現実世界であれ電脳世界であれ否応無しに介在する現代では、誰かの印象を共有する事となる。そんな中で、自己の主張や流儀を反映した楽しみ方、他者とのバランスを考慮しつつ自分を保ちながらの楽しみ方。

ファッションやシルバーアクセサリーを楽しむスタイリングやコーディネートとバランスを広く知る事が、自分にとっての資産ではないだろうか?

印象は常に自分にとっても他者にとっても付いて回る。そして時間と共に変化もしていきます。刷新しながら自分の生き方や行動にあった楽しみ方を模索するのもまた楽しみである。と、シルバーアクセサリーを軸としたスタイリングプロイジェクト「RUMBLE」は捉え、REFUSEならではのアイテムセレクトでファッションとシルバーアクセサリーに於けるスタイリングの重要性を示していきます。

RUMBLE-028

街中で誰かを見かけて、カッコイイなと思ったら目で追ってしまいますし参考にしたりしちゃいますよね?でも、その格好の良さが人から来ているのか?物から来ているのか?着こなしから来ているのか?はたまた全体で醸し出している雰囲気から来ているのか?は判らないままだったりします。まぁ、中には一見した印象からだけだったりもしますけど。

以前にも幾度か申し上げている通り、格好の良さは身の丈に合っている事と場に馴染んでいる事。その逆に身の丈や場に反している事。つまりは「合致の格好良さ」と「反逆の格好良さ」があるんだと思います。言い換えるなら、前者は洗練で後者は無骨。スマートとラギッドになるんでしょうけど、ファッションやシルバーアクセサリーは、そのどちらもだけで無く他の価値観も混在しするから難しく楽しいんですよね。

今回の「RUMBLE」のスタイリングにタイトルを付けると”アメカジ寄りのアイテムでモード感とストリート感をミックスした印象。軽さの中に重さを際立たせるシルバーアクセサリー”はっきり言って何のこっちゃ解りませんね。でも、論より証拠。言葉より行動。スタイリング写真から感じ取って頂けるだろう印象と、解説でご理解頂けるかな?と、思いますので解説していきましょう。

 

CHAPTER:01 ビッグシルエットをスマートな着こなしで

先にお詫びと説明をさせて下さい。今回のを撮影したのは7月で、こんなに掲載が遅くなる筈じゃありませんでした。まぁ、単なる言い訳に過ぎないんですけど、流石にちょっと季節感はズレてきてますね。夏の思い出、まだまだ暑い日もあるんで、Tシャツの着こなしなら通年、ぐらいで大目に見てやって下さい。

オーバーサイズの良さは何と言っても緩さが印象を柔らかくしてくれる事でしょう。とは言っても、オーバーサイズなら何でも良い訳は無く。特に今回の様にボトムをクロップド丈のスウェットを選んだ際にサイジングは重要です。オーバーサイズのルーズさが強くなり過ぎると、印象は柔らかいからダラシ無いに変化してしまいますので、ルーズな中にもスマートさを持たせて欲しいところです。

俗にビッグシルエットと言われるタイプの、最初からオーバーサイズになるパターンのTシャツは着心地的にもスタイリング的にも緩さを楽しむのが前提。CREATIVE×MOTIONのTシャツでもビッグシルエットのパターンを採用していますので、ボトムをどうするか?で、印象は大きく変化してきます。つまり、上半身と下半身で緩急を持たせるか否か?今回はウェア類で軽さと柔らかさを出していくんで、緩急では無くて緩緩ですね。ブラックで統一しているだけにルーズさを上手くコントロールしたサイジングであれば、アメカジ寄りのストリートウェアであるはずのブランドやアイテムでも、スマートなモード感を醸し出す事が可能です。

 

CHAPTER:02 ギャップを決める足元のアイテム

印象の中で大きな役割を勤めるのが意外性だったりしませんか?所謂、ギャップと言うものですが、一見するとモードな雰囲気もアイテムの素材感やプリントされているグラフィック、ロゴ等でアメカジやストリートの印象を持たせられます。しかし、意外性やギャップで楽しむなら足元が一番。

ファッションの中でも”ハズシ”と言われる様な意外性やギャップを持たせるパートとして定跡なのは足元か鞄などの小物類でしょう。今回のスタイリングでもアパレルのアイテムとシルバーアクセサリーを上手く繋いでくれるバランサーは、ANOTHER HEAVENのVANSカスタム。スリッポンと言う緩さにスタッズベルトの無骨さが全体を引き締めつつ、着けこなすシルバーアクセサリーとのバランスを保ってくれます。特にカラーをブラックで統一したスタイルの際は、挿し色としてもシルバーや真鍮のカラーが際立ちますからね。

 

CHAPTER:03 スタイルの要はネックチェーン

上から順にシルバーアクセサリーのコーディネートを解説していきましょう。アメカジの一要素として”キャラクター性”が有ると思うんですよ。サインボードに書かれたマスコットキャラや風刺画に用いられたディフォルメキャラ。これはブランドロゴなどにも言える事ですが、アメカジと総称される中でキャラクター性は大きな役割をになっているんじゃないでしょうか。

そんなキャラクター性を漂わせるANOTHER HEAVENのペンダントは、ハットを被ったスカルが正面を向いていない事でキャラクター性が強くなっていますね。着けこなしとしては45~50cmの定番的サイズのチェーンがお勧めです。ネックチェーンの長さはペンダントの印象のみならず、トータルスタイルの印象を大きく変化させてしまうので、重さの側をシルバーアクセサリーで演出するには定番的な長さがキャラクター性のあるペンダントを活かしてくれ筈です。

 

CHAPTER:04 レイヤードをコントロールするデザインと抜け感

右手首はレイヤードでバングルとブレスレットを合わせていきます。レイヤードによる印象は重ね方とアイテム選びで大きく変化しますので、8月にリリースされたVANITASの新作から無機質で抜け感のある組み合わせを。右手小指にレイヤードで着けたリングもまた無機質なデザインのアイテム。

レイヤードやボリューミーなアイテムを手首に備えると、リングは小指一箇所が抜け感を損なわない構成になってきますね。アクションが多くなる利き手側は、自分にとっての定番アイテムを幾つか固めつつ、どんな効果を持たせたいか?を考えて着けこなすのがお勧め。アイテム数を一箇所に増やしていくと、どうしてもガチャついた感が出てしまいますが、それを上手く活かしていく際に注目して頂きたいのはデザインの無機質さと抜け感。

 

CHAPTER:05 控えめにする事がキャラクター性への最適解

対する左手側は親指に印象的なスカルリングを1点。ここもペンダントと同じくキャラクター性のあるアメカジアイテムなパートです。シルバーアクセサリー好きとしては、ここで左手首にブレスレットやバングル、指輪も薬指にもう1点ぐらい欲しくなるところかと思いますが、スタイリング重視でコーディネートしていくのをお勧めしますね。

スカル等のキャラクター性が強いアイテムを活かすには他のアイテムで如何に抜け感や無機質なパートを持たせられるか?が、大切だと思います。濃い味の調味料を何でもかんでも組み合わせてしまうと、何も引き立たずに不味くなるのと一緒です。特に今回の様な緩さを持たせたスタイリングでは緩急を上手く使い分けるのがスマートさを損なわない様に心掛けてみてください。

 

CHAPTER:06 印象が強いからこそ最も配慮したい腰回り

ウォレットチェーンの有無は印象を大きく左右させますね。トータルでスマートな印象のままシルバーアクセサリーを楽しもうと思ったらウォレットチェーンは無しにして、ウォレットからキーホルダーを下げるかキーホルダーを左腰に。ファッションやスタイルに対する拘りや芯の強い印象を崩したくないのなら中途半端なウォレットチェーンでは無く、主張は強くボリューミーなタイプを選んで下さい。

スタイルに合わせて以外でウォレットチェーン選びの注意しておきたいいポイントとしては、長さや着けこなしに加えてチェーンボリュームは体型とボトム丈と着こなしに合わせながらと言ったところでしょうか。今回の様なスウェット生地のクロップドパンツをウェストよりも下げた腰位置で穿きこなしているスタイリングでは、少し長めのウォレットチェーンが緩さと相俟って軽くなり過ぎない印象を齎してくれますよ。


諸事情ありまして掲載が遅くなってしまったが為に、季節感が少しズレたスタイリングの紹介になってしまった今回の「RUMBLE」ですが、如何だったでしょうか?自分のモチベーションを上げてくれる楽しみとしてファッションやシルバーアクセサリーはとても有効的ですが、同時に他者からの自分の印象を決定付けてしまう大きな要素でもあります。自分の楽しみと印象のバランス。シーンや時代に対する合致と反逆のバランス。より多くのバランスパターンを持ってファッションやシルバーアクセサリーを楽しんで頂ければと思う次第です。次回はちゃんと季節感を合わせたスタイリングをお届けいたしますので、その際はまたお楽しみ下さい。

 

[STYLING ITEM]

Tシャツ:CREATIVE×MOTION¥4,500-  クロップドパンツ:ANOTHER HEAVEN ¥18,000- ベルト:ANOTHER HEAVEN ONE MAKE¥60,000- スリッポン スニーカー:ANOTHER HEAVEN CUSTOM SAMPLE

ペンダント:ANOTHER HEAVEN AHH-014¥38,000- 左手親指リング:ANOTHER HEAVEN AHR-029¥32,000-  右手小指リング上:VANITAS VR-025-SV¥9,000-  右手小指リング中:VANITAS VR-026-SV¥9,000- 右手小指リング下:VANITAS VR-025-SV¥9,000- 右手バングル:VANITAS VBG-009-SV¥28,000- 右手ブレスレット:VANITAS VB-011¥80,000- ウォレットチェーン:ANOTHER HEAVEN AHWC-003 ¥160,000- ウォレット:ANOTHER HEAVEN AHW-003 ¥38,000-

※表示価格は全て税抜き価格となります

 

ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY・GARAGE REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

GARAGE REFUSE

東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972

 

ONLINE STORE

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more