WELL-BEING ACT:010-2 Loud Style Design

人間関係は距離と頻度によって大きく変化します。この場合の距離とは実際の物理的距離と関係性の深度。頻度は会う回数だったり過ごす時間。親子だったり友人だったり同僚だったり。頻度とは実際の時間的間隔と事象等によって相手の事を思い浮かべる機会。頼れる人の事は何かと思い浮かべる機会が多かったりしますよね。

人と人には相性があるとはよく耳にしますが、実際に相性って何だろう?って考えてみると難しくなってしまいます。自分が相手を好んでいるからって、必ずしも相手が自分を好んでくれるとは限りません。凄く魅力的な人がいつでも側にいるのは素敵な事の様に感じますが、同時に自分の矮小さで卑屈な気持ちになってしまったりもします。有能な同僚は頼りになりますけど、常に一緒に働いていたら自分は努力し続けるのに疲れてしまうかも。TVやYouTubeに映る有名人を観るのは楽しくても実際に友人だったら自分にとって良い人とは限らないでしょう。

残念ながら社会生活の中で自分の選択だけでは避けられない関係というのが多く。出生も国も時代も同級生も選べません。一定の範囲に収められた中で生きる事が基本前提として社会が成り立っているので、その中で何を選んで自分が満足出来る距離と頻度を保ち、時に変化させる必要があるのではないでしょうか?

もう、お気付きだと思いますが、コレってファッションやシルバーアクセサリーを身に着ける、人と物の関係性も一緒なんですよね。人体という一定の範囲に物を収めて動く訳ですから、物と物の距離、身体のパーツと物の位置、着用する頻度。そう言った要素を考えてみる事からも満足出来るコンディションを手に出来るんじゃないでしょうか?

ブランドやアイテムカテゴリー・ボディパーツ毎に基本や応用となる着けこなしを紹介し、身に着ける楽しみとコンディションを探究するコーディネートやスタイリングを提案。人と物が互いに満足出来るコンディションを紹介するプロジェクト「WELL-BEING」。今回は、前回の「Act:010」に続いてシルバーアクセサリーを楽しむのに基本とする人も多い、リングについて探究していきたいと思います。

Act:010 Loud Style Design  Ring 02

結論から書いてしまうと。なんですが、適切な距離の置き方とか好みの距離感って個人の感覚でしかないんです。個々人の肉体はサイズも違いますし生まれや生きてきた環境も相俟って、自分にとって誰かや何かとの適切な距離は何となく決まってたりしませんか?其れを下手に変化させるとストレスを感じたりするのは、昨今の強制的なソーシャルディスタンスとかでもよく判りますよね。でも、逆に切っ掛けは何にせよ、やってみて気付かされる事も少なく無いですし、自分にとっての適切も年齢と共に変化するものです。

さてさて、そんな適切な距離を身に着けるリング同士で検証するのが前回の「WELL-BEING」からの課題。結論から書いてしまった様に、適切な距離は個人感覚や好みでしかないんです。が、身に着ける事を楽しむ上でも可能性は常に探っていたいじゃないですか。そんな訳で前提条件は前回に引き続き、左手首にバングルと左手小指にはミドルボリュームのスネークリング。右手首にはボリュームもデザインも存在感の大きなブレスレット。シルバーアクセサリー好きならデイリーで楽しむのに丁度良いバランスで基礎を固めて、今回もメインとなる右手には小指に縦幅が細身のクロスリングを備えるところから始めていきましょう。

 

UR-030 for Index finger

バランスの取り方は重心となるポイントを何処にするか?で決まります。リング同士の距離とバランスを探究する企画であるのになんですが、このパターンでの重心はブレスレット。今回のメインは右手内でのリングの着け合わせではあるんですが、全身から右手だけを切り離して一人歩きさせれる訳じゃ無し。シルバーアクセサリー同士のコンディションを整えようと思ったら、手首周りのアイテムに重心を置いてバランスを考えるバージョンが必要になるんじゃなかろうかと。要するにヘヴィなブレスレットに対して、人指し指と小指のリングボリュームで均衡が保てる着けこなし方ですね。

ブランドを統一して着け合わせている事の良さはサイジングに加えて、デザインパターンの近似値にもあると思います。特にブレスレットに重心を置いてリングで均衡を保とうとすると、中心軸はリングを着けていない空白になる指。この空白になる中指と薬指を挟む距離感がバランスの軸の場合は、人指し指と小指に着けるリング同士の縦幅が揃うぐらいがお勧めですね。当然、前回の「WELL-BEING」でお見せした様なパターンの良さも存在しますし、他にも良いバランスも在ります。このパターンが絶対の正解では無いですが、着けこなしバリエーションの1つとして試してみて頂きたい。

 

UR-023 for Middle finger

人の手の形状は、基本的に中指が一番長く中心となるので手だけを考えてリング1点を着けるならバランスは撮り易いですし、ボリュームのあるリングを着ける箇所として選ぶ人も多いんではないでしょうか。でもですね、リングを何点か同じ手の中で身に着けようとするとバランスは変化します。面白いもので人の意識ってバランスの中心となっていた箇所以外に何かが備えられると中心位置が変化した様に感じるんですよ。今回で言えば小指に着けたリング。ここで選択が生じる訳で、小指に着けたリングに合わせて中指に着けるリングを決めるか?中指に着けてるリングに合わせて小指に着けるリングを選ぶか?

前回の「WELL-BEING」では中指に着けたリングをメインアクターとして捉えてのバランスでした。今回は小指に着けたリングをメインと捉えて中指に着けるリングと言う考え方でのバランス。たかが捉え方1つではありますが、小指に着けるリングをメインと考えると選ぶデザインは変化しますし、そのメインを引き立たせる為のボリューム。このミッドサイズのボリュームで、しかもモチーフに頼らないとなると選ぶのに少し難易度が上がるんですよ。何せ自分にとってはメインが小指に着けたリングと捉えていても、周りからしたら中心軸は中指になります。だからって中指に着けるリングを細い物にするとバランスは悪くなるしですから。そんな訳で選ぶ際に注目したいのはリングのフォルムとデザインパターンの近似値。モチーフやデザインの入っていないプレーンなリングもお勧めですが、ブレスレットとのバランスも考え合わせると一癖あるリングを選んでみて下さい。

 

UR-021 and UR-032 for Ring finger

ちょっと例えとしてはズレているかもなんですが、バンドでステージに於けるメンバーの立ち位置とかって人数に合わせたバランスが存在してるじゃないですか。当然、ステージサイズによってバランスは変化しますけど、均等に位置間隔を保てば良しで無いと思うんですよ。これは写真や映像画角の中にどうやって被写体を収めるか?に、ちょっと似ていて一方に寄せる事で空白の良さを出したり、(ステージ上だとライブアクションの中でそうした場面が映える感じですね)被写体を際立たせる為に敢えて集合させる表現手法があるんですけど、この着け方はそんな手法に似ていますね。リングが横並びになる着け合わせに加えて薬指では縦の並び。前回の「WELL-BEING」で薬指に合わせたクロスリングがギリギリバランスが取れてる感じだったのが、今回のパターンではバランスが整っています。

このバランス感は薬指に着けるリングを1点ボリューム物からレイヤードでボリュームを持たせる事で、並びでの動きと“ヌケ感”を齎している点が大きいでしょう。リングに限らずですが、基本的にシルバーアクセサリー1点1点が持っているデザイン密度は身に着ける数量が増す程に薄まり、数量を減らす程に際立ちます。多くの場合に人間の認識能力がそうさせるんですけど、その認識能力で捉えさせる程良いブレンド具合と言うか、密度と距離間隔。それが着け応えがあって印象を良くする要因ではないでしょうか。

 

最後に今一度、3バリエーションの写真を一挙に並べて比較してみて頂きましょう。

 

UR-030 for Index finger

 

UR-023 for Middle finger

 

UR-021 and UR-032 for Ring finger

 

適切な距離、人と人。人と物。物と物。たかがリング1つ、たかが着ける指の位置1つ。そうは思っても、そのたかがで印象も着け心地も物の魅力も変化する。たかがリングの厚み1つ、たかがモチーフのサイズ1つ。と言う、1mm以下の違いに拘るシルバーアクセサリーだからこそ、身に着ける際の“たかが”にも拘って探究してみては如何でしょうか?

人と人との関係性にも“たかが”と思い込んで疎かにしている距離や頻度があったり、其のせいで良く無い事態に陥ったりします。人と物との距離と頻度、物と物の相性や性質。無理にしろとは言いませんが、軽く探ってみるぐらいの心持ちでこの「WELL-BEING」をご覧になって試してみて頂ければ幸いです。

 

[STYLING ITEM]

ネックレス:UN-007 ¥48,000- 右手ブレスレット:UB-014 ¥150,000- 右手小指リング:UR-022 ¥13,000-左手バングル:UBG-006 ¥42,000- 左手小指リング:UR-035 ¥40,000-

右手リング:UR-030 ¥18,000- UR-023 ¥30,000- UR-021 ¥12,000- UR-032 ¥18,000-

(全てLoud Style Design)

*リングは着用順の表記となり、表記の金額は全て税別価格となります。

ハット:VANITAS ONE MAKE ¥80,000-  オールインワン:ANOTHER HEAVEN ¥38,000-

ご紹介をさせて頂いた作品はGALLERY REFUSEにて展示販売をしております。

作品を手に取り、ご試着が可能となりますので、ご興味があるお客様はぜひともご来店ください。

GALLERY REFUSE 東京都江東区森下1-13-11 TEL:03-5600-1972

またONLINE STOREでもご購入が可能となりますので、是非ともご閲覧ください

宜しくお願い申し上げます。

ONLINE STORE

 

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
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GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more