髑髏ノ調べ SKULL RING -FULL FACE 06-

脳科学は人体の謎を解く大きな鍵を握っているジャンルだと言われますね。未解明な部分が多いだけあって時代毎に語られる説が異なってしまう事も多々あり、世間の認知と最新の学説では真逆の内容になってしまう事も多そうです。現在のMRIを用いたスキャンによる研究では男女の脳に構造的な性差は無く男脳や女脳は存在しない。と、言われもするんですが構造は同じでも働き方が違う作用が違う。と、言う事は結局は差異が在るのと同じじゃないか?なんて思ってしまうんですけど。脳に男女の違いがあるかはさて置き、髑髏には男女で大きく違いますね。世に多く存在する髑髏のアイテムを見る際に、男性の髑髏か女性の髑髏か?考えてみると面白いかもしれません。

 

VANITAS VR-006

スカルリングは世に数多く存在しますが「VANITAS」のスカルリングの特徴はその制作手順にあると言っても過言ではありません。そもそも地金での造形と言う点でも特殊なのですが、「VANITAS」の場合は一旦は通常のスカルリングと同じく髑髏の造形を行ってから瓦解や腐食の加工を行う。最初から崩れた造形を行うのでは無く元となる造形を行ってから崩していく手法。この手法が正しいか否かは制作している高蝶にしか判りませんが、ブランドの発足当初から「VANITAS」のスカルリングはこの手法で製作されています。

宗教美術、取り分けキリスト教的な美術様式を取り入れる事の多い「VANITAS」の中でもジーザスを模したデザインのこのスカルリングは、がっしりとした下顎や全体的なボリュームが男性の髑髏である事を思わせ、(ジーザスモチーフのスカルリングなので当然ではありますが)鈍い光を纏う独特の仕上げで腐食した様に朽ちた感じは磔にされた後に腐った質感を漂わせます。ジーザスを腐食した髑髏として表現する事自体がアンチテーゼを感じさせる訳ですが、こうした表現の楽しみ方は創り手の趣味趣向が大きく反映されているからでしょう。「VANITAS」にはそうした風刺的表現が多く含まれている部分を見つけ出す楽しみもあるんじゃないでしょうか。

モチーフが強くサイジングやボリュームがヘヴィになってくるとコーディネートを強くしてしまいがちですが、シンプルな服装に合わせてみてはどうでしょうか。このサイジングのスカルリングをオーソドックスに着けこなそうと思ったら人差し指になりますね。何せリング自体のボリュームもある上に髑髏に茨の冠を合わせたジーザスモチーフはキャラクターが濃いですから、1点着けなら人差し指で手首周りは細身のバングルの重ね着けで合わせてみるのは如何でしょう?

シンプルな服装でのコーディネートであればリングとバングルだけで演出が完了してしまう様な組み合わせです。逆に服装をアルチザン系に寄せて変則的なコーディネートに合わせるならリングは中指に手首周りはヘヴィなブレスレットにしてボリューム感を生かしたコーディネートに持っていっても面白いと思いますよ。

シルバーアクセサリーを長く身に着ける人は、単純な物の良さだけで無く制作背景や文化を一緒に身に着ける事を感じている人も少なくないでしょう。何処かしらに風刺的な皮肉を纏う楽しみ方。シルバーアクセサリーを身に着ける中にもそんな楽しみが有っても面白いんじゃないでしょうか?

 

ご紹介させて頂いた作品はGALLERY REFUSEにて展示販売をしております。

GALLERY REFUSE 東京都江東区森下1-13-11 TEL:03-5600-1972

 

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

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