ANTIVIRAL -WORST ENDING-

2023年8月27日を以て東京都森下のセレクトショップ「ANTIVIRAL」が閉店した。突然の事とは言え、セレクトショップが閉店する事に対して特に驚くべき要素を感じない世相ではある。COVID-19のパンデミックに於ける閉店ラッシュで様変わりした街もある事を思えば、ファッションやシルバアクセサリー業界で取るに足らないセレクトショップだった「ANTIVIRAL」が閉店した事は業界に対して何某かの影響を及ぼす事態でもないだろう。それでも、何かの始まりや終わりに人は興味を惹かれるものだ。

自らがブランドホルダーであった長山元太によって2020年にオープンした「ANTIVIRAL」は、長山元太のブランド「SURREALISTE」(2023年7月にブランド活動終了)をメインに据えてのセレクトショップとしてスタートした。先述したCOVID-19のパンデミックが拡大している2020年7月のオープンは、スタートから苦境である事に間違いは無いのだが、今回の閉店とは直接的な因果関係を持たないだろう。単純に長山元太本人の能力不足や性質の悪さが自らの首を絞める事になった。いや、自らの首を切る事になったと書いた方がより正確だろうか。

結局のところ、ブランドやショップを開業したり運営していく中でアクションとチャンスを心掛けていない者は続かない。留まっていては何かに出逢う確率は低いのだから自らアクションを起こす事でしか確率を上げられない。人は万物の動きを知る事は不可能なのだからチャンスが何時訪れ何処に在るのかを事前に知れない。長山元太は自らのアクションでショップをオープンさせるチャンスを掴んだが、慢心と駄欲でショップの運営を怠り、アクションもチャンスも失い迷走して終わりを迎えた。残ったのは、何処にでも転がってる在り来たりな駄目人間の物語だけだ。

何も残す事が出来ないで去った者を憐れむのも嘲るのも簡単だ。しかし、誰にでも慢心や駄欲の可能性がある以上、その無残な様から何かを学び取る事が出来るか否か?の方が重要だろう。それは何も残せず去って行った長山元太にとっても同じ事だと、本人が気付き心に刻む日は来るのだろうか?何にしても、最悪の結末となった事は皆様の心にも刻まれた事だろう。

 

*ANTIVAIRAL閉店に伴い、取り扱っていた「FAYDE」はGARAGE REFUSEにて取り扱いを開始しております。また、ANTIVAIRALにて購入された「FAYDE」と「VANITAS」のメンテナンスやカスタムもGARAGE REFUSEにお問い合わせ下さい。

GARAGE REFUSE 東京都江東区森下1-11-7 TEL:03-6240-2972

 

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。