STRANGE FREAK DESIGNS in Mr.Treize Event Report
先日のインタビュー(Hybrid Theory)でもお伝えした様に、STRANGE FREAK DESIGNSによるツアーイベントが「Mr.Treize」で行われた6月30日。奇しくも、名古屋では時を同じく「PARAGRAPH」でdeaf breedのイベントが催され、また広島でもTAUJANとRAT RACEが925主催による「ANDROGYNOS」と銘打ったコラボレーションイベントを行っていた、この日。
STRANGE FREAK DESIGNSが行っていたイベントは、インタビュー時に語って頂いた様にクリエイターの古谷氏による3Dを導入した制作によって、カスタマーのリクエストに応えるハイブリットなセオリーで展開されていた。
モニターの中でズームイン・アウトを繰り返しながらクルクルと動くモデルは、古谷氏がイメージした通りに手早くカタチを変えていき観る側を飽きさせない。手元だけで制作作業の殆どを終えてしまう従来のクリエイターのイベントでは鑑賞が不可能な細部までモニターに映し出される面白味はSTRANGE FREAK DESIGNSならではだろう。
少し古い話だが、2016年に岡崎の「STUDIO VENOM GLOW」で行われたシルバーアクセサリー業界の合同イベント「FUEL」の際には、3Dプリンターでの実演に少し戸惑いとやり難さを感じながらイベントを行っていた頃の古谷氏を思い返すと、テクニックや表現幅に加えて迷いの少ないスピードの進化に驚かされる。
ブランドのオリジナルモデルを使用して自由にカスタマイズ可能となる魅力は大きい。多くの場合にカスタマーが望むカタチは何となくのイメージが有るにしても、ベースとなるモデルまではカスタマーオリジナルでイメージし難いからだ。そこにバリエーションの豊富なSTRANGE FREAK DESIGNSのオリジナルモデルがベースとして使用可能となればカスタマーにしてもイメージは固め易い。
カスタマーの要望に応えるメイキングも魅力だが、会場となった「Mr.Treize」の別注であるアイテムもイベントの回を重ねる毎に面白味を増している。今回はカラビナを二種類のスネークを絡み合わせる事で表現し、これまでの別注アイテムとの共通項を打ち出しながらSTRANGE FREAK DESIGNSの次なる魅力を引き出している。
カスタマーの要望にもSHOPの要求にもクイックに応えられるテクニックとスピードは見事ではある。しかし、懸念するところとしてはカスタマーの要望に応え過ぎるうちにオリジナルモデルの魅力が置き去りにされてしまいはしないだろうか?と言う事と、このハイブリットなセオリーがブランドとしてのオリジナリティを浸食してはしまわないだろうか?と言う点だが、古谷氏の創作意欲を見ている限り杞憂に過ぎない事も付け加えておきたい。
STRANGE FREAK DESIGNSのイベントを目にすると、コレがシルバーアクセサリー業界の新たな基軸になりそうな空気を感じる事がある。何故ならクリエイターの古谷氏がどう思っているかは別にしても、アクションの全ては必然的にカスタマーが楽しめてSHOPが扱い易いベクトルで進んでいるからだ。
STRANGE FREAK DESIGNS: https://www.stfreak.com/
取材協力:Mr.Treize http://www.mr-treize.com
愛知県名古屋市中区大須3-13-12 2F
人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?
新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
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