Brewery Art Walk 2022

誰もが見聞きするのも飽きてしまった自分がいる事は承知していても、頭の何処かで気にしていなければならないCOVID-19による変化と現状。2年半以上が経って、以前の様な生活には完全に戻る事がないのを受け入れて世界も順応している。逆に言えば、現在の状況下でも以前の様なエンターテインメントやイベントを行う手段や方法を考えて活動している人々も少く無い。

ともすれば、アトリエに引き篭もって創作に打ち込みたいアーティストにとっては逆に有意義ですらあったのでは無いかと思える2年半。動乱の時には必ず時代を反映した作品が多く見られるのもアートの世界ではあるが、掌サイズのガジェットで全てを済まそうとする事に慣れてしまった2年半で、アートを鑑賞する側はどう変化したのだろうか?実際に足を運んでアートを鑑賞する楽しみは死んでいないのだろうか?

LAのアートディストリクトの中でも長く続く「Brewery Art Walk」に限って言えば、そうした懸念も杞憂でしかなさそうだ。来場者数が2019頃に比べて減っていないかと問われれば1~2割減と言ったところだろう。しかし、時期的に見てもこれは明らかにCOVID-19の影響がまだ残っている部分であるだろう。肝心のアート自体への興味、実際に鑑賞する楽しみは変わらずに生きている事を感じられる。

さて、そんなBrewery Art Walkに拠点を構える「FAKTORY」の様子がどうかとなると、相変わらずKOMYの創作活動は精力的でピンストライプや3Dグラフィックによるコミカルなアート。そして勿論、ANOTHER HEAVENの新作となるグラフィックもリリースされていて、辛辣なメッセージをコミカルに送り出すスタイルは健在だ。

KOMY主催のFAKTORYによるラインナップは「KOMY ART」と「ANOTHER HEAVEN」をメインに、日本から「Loud Style Design」と「TNSK」を加えてとなっているが、全てのラインナップが揃ってART WALKに参加となるには、まだ少しばかり時間がかかる事だろう。それでも、FAKTORYの基本的な姿を変えずに健在させ続けてきたのはKOMYの尽力によるところ。こうして変わらずに新作をリリースしている姿を見ると、次への期待も勝手に膨らんでしまうのだが、果たして次のART WALKが開催される頃に世界はどうなっているのだろうか?望まない変化が起こって、それでも生き続けるアートである事を願いたい。

 

 

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。