Legio Made Exhibition Report

シルバーアクセサリーが時代の流れと共によりコアなカルチャーとしての存在感を増し、一般的なファッションとは一線を画すジャンルとしての発展を遂げているのは広く知られている事となってきた昨今だが、その大きな要因が創り手側にある事はあまり掘り下げて語られない。世間一般からするとダークサイドでありマイノリティに映るカルチャーその物は中世よりも以前から暗流的に存在しているが、そうしたカルチャーを反影したシルバーアクセサリーはブラックジョーク的に存在していた物が60年代以降に広く知られる様になっていった。所謂、ROCKミュージックやモーターカルチャーとサタニズムの結び付きである。

話を現代のシルバーアクセサリーシーンに戻そう。世間一般での“ウケ”に比べてアンダーグラウンドな印象の強いサタニズムや異形の者を描くカルチャーがより顕著になってきたのは、シルバーアクセサリー第5世代からとなるが、その背景は別にしてもマイノリティーやアンダーグラウンドな中でこそ技術革新や表現手法の広がりが起る事もまた事実である。そうしたマイノリティに映るジャンルのブランド達の中でも中枢を担う世代であると共に最前線で活動している「Legio Made」の展示会が堀切のSEVEN’S MAGICで行われている。

コラボレーションも含め国内外での展示会に多く参加しているLegio Madeだが、ブランド単体としての展示会は約2年ぶりとなり、“shi ten”をテーマに目をモチーフとしてデザインに取り込んだ新作が多く並ぶ。ブランドとしての根幹に在るダークでフィティッシュな要素を崩す事無く、其処から更に一歩先へと踏み込んだ造形美と繊細なラインに彩られた作品は、「今までよりも開いた意識で取り組んだ」と言うクリエイター小熊氏のセンスが如実に表れている。

Legio Madeの特徴として見受けられるのは、繊細で細密でありながらベタついた陰湿な雰囲気で不安を煽る様な独特の揺らぎだったが、そうした造形と仕上がりがクリエイター個人として閉じている状態とするならば、今回の新作にはダークでコアな部分を踏まえた上での造形の美しさとラインの強さ、開いている状態での創作であることが伝わってくる。

「手にした人に新たな視点を開かせる」そんな意味合いも込められているだろう新たなアイテム数はバリエーションも豊富に50を超え、ブランドとしての懐の広さと最前線で活動している勢いに溢れている。その勢いはコアやアンダーグラウンドという排他的なジャンルで括れない程に鮮烈で、Legio Madeというブランドが次のレヴェルに到達する事を誰もが期待するだろう。

Legio Made:http://legiomade.com/

 

新作展示会:[shi ten] 11/28~12/2 14:00~19:00 (最終日のみ13:00~18:00)

会場:SEVEN’S MAGIC 東京都葛飾区堀切2−34−4

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
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