MONO ROGUE FILE:006

MONO(モノ)・・・単一、単独による
ROGUE(ローグ)・・・悪党、群れから離れて凶暴な様
MONOLOGUE(モノローグ)・・・独白

誰しもが持つとされている変身願望は、古くは「ジキル博士とハイド氏」で描写される様に善悪の二面性と思われがちだ。心理学者のユングも個人の中にアニマとアニムスといった両極の存在で潜在意識を探る方法を提唱しているが、実際には人間個人の深層心理はもう少し複雑だろう。変身願望の多くは抑圧からの逃避と思われがちで、ユングの使った言葉に準えるなら社会適応の為に皆が用意するペルソナを脱ぎ捨てる事に繋がりはする。しかし、人には“何かを残したい”と言う願望や衝動があり、その為の手段としてモノローグは広く使われる。

物創りやブランドの展開。シルバーアクセサリーでは特に人が身に着けて生活する事や商業的な成功を目的とする事から、プロモーションも含めてクリエイターの内面を全て発揮する事は難しい。要するにある種の制限や抑圧が為された中での表現行為となる。その筈だ。逆説的に言うならばクリエイターの表現力は独白的な場面、つまり日常や商業的意識を外したモノローグの中でこそ最大限に発揮されるだろうし、そうならないクリエイターは表現力が貧困であるとも考えられてしまう。

実行するか?しないか?は別にしてもクリエイターに内在する表現欲求。其れを提示する為のモノローグは、どんなレベルであれ偏ったヴィジョンを映し出し、真に迫った表現となる。高蝶智樹が個人のクリエイターとして描くヴィジョンは果たしてどうであろうか?其れを探る為のプロジェクト「MONO ROGUE」。

 

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。