FAKTORY at BREWERY ART WALK 2023

知識として記憶しているのと実際に体験するのでは大きく違う。アートと呼ばれる物の中でも絵画などの芸術は印刷技術や写真機の発達によって本質的価値を失った。そしてTVやインターネット等なメディア発展によって二次的価値を失ったと言われる。要は複製が可能で誰でも何処でも見れるのであれば作品其の物の価値が無くなっている。と、言う事だ。悲しいかなこの事実は音楽や映画でも同じことが言えてしまうだろう事は、現代社会を生きている人ならばご承知の通りだ。

しかし、現代に於いても美術品収集をする人達(これには当然だが投資の意味合いが大きいが)や、美術館へ足を運ぶ人々がいなくならないのは、視覚的刺激による知識を記憶するだけで無く、実際に体験したいからだろう。そう言った意味ではアートの価値は作品自体よりも、作品に触れる体験にあるとも言えなくない。いや、音楽のライブや劇場での映画鑑賞を併せて考えてみると一般的な価値は体験にこそ。とも思えてしまうのだが。

何れにしても体験する事によって得られる感覚は、知識として記憶する情報よりも深く作用する。ブランドとしてANOTHER HEAVENを展開しながらアーティストとしての本業を営むKOMYがLAに構えるスタジオ「FAKTORY」は、アートが如何に生活に溶け込んでいるかを体験させる事だろう。このKOMYがスタジオを構えるアートディストリクトされたエリアでは、年に2回「BREWERY ART WALK」が行われアトリエやスタジオを開放しての展示イベントが開催される事で、収集や美術館よりもディープにアートが生活の一部に存在する事を感じさせ、アートと共に生きているリアルな体験が可能だ。

現代社会では、モニター越しの鑑賞を意識して作品を制作するアーティストも少なく無いし、デジタルの画面上だからこそ成し得る作品も数が多い。だからこそ、視覚的刺激以上に多くを得られる体験。それを知っているから、それを味わう楽しみを求めているからこそART WALKの様なイベントに来場する人が後を絶たないのだろう。

 

 

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。