STRANGE FREAK DESIGNS  -Customer’s Exhibition-

人は軌跡を辿る。何をしてきて何が出来るかを見る事は、進む先を定める指針となるのだが、果たして今回「STRANGE FREAK DESIGNS」の古谷尚人が行っているワンメイクやカスタムのアーカイブ展示の意図が必ずしもそれだけでであるとは言えない。その理由としては、古谷尚人が自ら行った制作ではなくカスタマーの要望に応えるカタチで制作されたワンメイクが中心の展示である事が挙げられる。だとしても、顔を突き合わせるかの様に並べられたアイテム数100点を超える壮観さコレクションとしての多様性は、ブランドにとって重要なアーカイブであると同時にヒストリーの一部である事は間違い無い。

同じベースを仕様しながらも個々のオーダーに応える事で生じる多彩さは、ブランド側のプレゼンとカスタマーのリクエストが組み合わさって生じるものだが、重要なのはそのリクエストの多彩さを具現化する対応力にある。ブランドにとって重要な対応力が3Dプリンターを導入してから加速したであろう事は、古谷尚人に対して行われた以前のインタビュー(Vol01 ・Vol02 )からも感じ取る事が出来る通りだが、その技術的な凄さは並べられたコレクションを目にすれば明白だ。

技術革新が何によって成されるか?はさておき、その進化の過程が一朝一夕ではいかない事やブランドにとっての技術とは、カタチにする事で進化を遂げていく事、またその難しさを知るという意味でも面白い展示となっている。既にブランド側の手を離れてカスタマーの所有となったアイテムを集めるこうした企画を実現出来るのも、「SILVER GEEKS」という店舗がカスタマーとの繋がりやコミニュケーションを大切にし、カスタマーからの支持があってこその実現だろう。

「過去をより遠くまで振り返る事が出来れば、未来もそれだけ遠くまで見渡せるだろう」とはよく言ったものだが、多くの人は残念な事に過去や未来に囚われて現在を見失いがちだ。今回、「SLVER GEEKS」で行われている展示を目にすると理解出来るのは、進化や革新は突然には訪れず過去の積み重ねを踏まえた現在を知る事でこそ進化した未来が存在するという事実である。ブランドの進化には多くの時間と労力を要し積み重ねてきたからこその現在、目に出来るコレクション・軌跡だという事を感じ「STANGE FREAK DESIGNS」の未来に期待して頂きたい。

取材協力:

SILVER GEEKS: https://www.stfreak.com/geeks/

STRANGE FREAK DESIGNS: https://www.stfreak.com/

 

今回取材させて頂いたSTRANGE FREAK DESIGNSのイベント「Customer’s Exhibition by SFD」は2019年3月31までで行われております。是非、ご参加下さい。

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。