5th GENERATION’S MOVEMENT 02

これまで「SEVEN’S MAGIC」として展開していた店舗をリニューアルし、DUAL FLOW / LEGIO MADE / ABILITY NOMALの3ブランドが主軸になって「HORIKIRI」としてのスタートを切った。各々が独自の活動を展開しながらチームとしてのアクションを見せ、アジア圏での活躍も目紛しいシルバーアクセサリー業界で言うところの“第五世代”にあたるクリエイター達による活動や想いを語って貰ったインタビューを3回に別けてお送りする。V0l.01-Legio Made-

 

02: Dual Flow

 

ータイのバンコクでSHOPをスタートさせる事が切っ掛けで東京のギャラリーも「SEVEN’S MAGIC」から「HORIKIRI」へとリニューアルさせたそうですが、その経緯を教えて下さい。

杉山:友達とバンコクでSHOPをスタートさせる話になって、普段から自分達の作業内容で「彫ってる」し「切ってる」から「HORIKIRI」にしようかって事になりまして。参加してるメンバーも皆が堀切って土地に住んでる訳だから良いかなって。それで良い機会だから東京の方も「HORIKIRI」にしよう。と言うのが始まりですね。

ー思い切ったと言うか大胆な決定の様にも感じますが、「SEVEN’S MAGIC」という名前はどうなるんでしょう?

杉山:「SEVEN’S MAGIC」という名前は、皆でイベントやったりチームとして残してこうよ。ってなってます。元々はユータ君(Ability Normal)と俺ってイメージが強過ぎたんで、こうして名前を変える事でもっと広がりを持てるだろうと。

ー最初は佐藤さん(Ability Normal)とのコンビで活動してる印象も強かったですからね。

杉山:自分自身でもその印象が強かったせいか、「SEVEN’S MAGIC」のままだとSHOPとしても新しい事をやり難い感じがしてたので、「丸ごと変えちゃおう」みたいな気持ちもあって。

ー堀切で活動を始める以前は佐藤さんと二人で工房をシェアしてましたもんね。それから、元々は「deaf breed」のギャラリーとして存在していたスペースを引き継ぐカタチでと言うか、「SEVEN’S MAGIC」としてスタートさせて。

杉山:そうですね。それからオグリン(Legio Made)が堀切に移ってきて、更に太郎君(Fangophilia)も来て、景ちゃんがSHOPのマネージャーとして運営してくれる話になって。と言う流れがあっての今の「HORIKIRI」です。

ー世代的には皆さん同世代ですよね。杉山さんは結構、同世代感が好きというか。意思疎通も含めて活動的な部分でのやり易さみたいなのがあるんですか?

杉山:「同世代で集まっていこう」みたいなのは狙ってないんですけどね。単純に楽しいってのがありますね。ユータ君と香港で一緒にイベントをやったりした時に凄い楽しくて、友達と海外で一緒に盛り上がれたりって面白さもあったりするじゃないですか。そういう感覚が良かったんでしょうね。

こうして集まれたのは偶然みたいなものでしょうけど、それぞれが独立して個人で活動していながら気が合って一緒に海外でイベントやったり盛り上がれるのって、代え難い感覚だと思うし。

ー外から見ていると世代感が強く働いている様な印象は受けます。狙っているとかいないとかじゃなく、同世代だから通ずる何かで盛り上がっているのはシルバーアクセサリー業界で“第三世代”でもありましたから。

杉山:こうして同世代で盛り上がっていられる時間は一時だと思うし、波長の合う時にいっぱい一緒に遊んでおきたい。それぞれの人生やリズムがあるからいずれは変わっていくんだろうし。

ー凄く良いアクションですよね。今は特に“第五世代”が成熟してきて盛り上がっている渦中ですし。

杉山:若い頃に“第三世代”の人達が盛り上がってる渦中に近くで見ていて、自分の世代でのバージョンをやってみたいな。そういうのは気持ちとして何処かにあったと思うんですよ。

 

ー海外での活動について聞かせて下さい。今は年に何回位のペースで海外で活動されてますか?

杉山:タイにはかなりの頻度で行ってますね。SHOPもありますし、日本と半々ぐらいで暮らしたい様な気持ちもあります。他だと今年は7月に上海で「SEVEN’S MAGIC」としてイベントを予定してるのと、8月は「Dual Flow」として台湾でのイベント。9月の香港では「SEVEN’S MAGIC」として、10月にはもう一度「Dual Flow」として台湾に行きます。年内ラストは12月に「SEVEN’S MAGIC」としてタイの「HORIKIRI」でイベントを予定してます。

幸運な事になんですが、今までは基本的に相手側から誘って貰ってイベントを行ってきたんです。ただ、取引先も増えてきたので自発的にイベントをする様にシフトしてきてますね

ー東南アジアのマーケットはかなり盛り上がってる感じですね。

杉山:かなり良い状態では活動させて貰ってると思います。お客さんからのリクエストも多いですし取引先からの要望もありますから、そう言った部分のバランスを考えるのが上手くないので、自発的に動く部分を増やさないといけない。

ー海外で活動していて日本国内との熱量の差を感じたり、杉山さん自身がアクションに変化をつけたりはあるんですか?

杉山:元々、トークが上手い方では無いので海外での活動の時に自分の制作した物を購入して貰えるのを見てると、「物が語ってくれてる」と感じる事はよくあります。勿論、現地のスタッフさんが上手く説明してくれてる部分はあるんですが、「Dual Flow」を知らなくても購入してくれるのを見てたりすると、そう感じますね

ーアジア圏での広まり方は、日本での「Dual Flow」の活動が影響していて、そのアジア圏での活動がまた日本での活動に影響して“相乗効果”や“相互作用”が大きい感じですね。

杉山:そうなりましたね。初めて海外に行ったときは当然なんですが解らない事だらけで、でもイベントをやらせて貰ったSHOP側も喜んでくれたし良い結果を出せてもいたし、そういった部分での相乗効果や相互作用みたいなのも派生して。でも、活動ってポイントで考えたら同じ事ばかりを繰り返してもいられないので、今年は自発的に毎月何処かでイベントをやる動きになってます。他にも海外での活動予定はありますが、きっと色々と解らない事で痛い思いもしながら楽しんで色々と派生してくんだと思います。

ー以前はアジア以外でもパリで展示会を行ったりもしてましたもんね。

杉山:初めてのヨーロッパだったのもあってか、痛い思いだらけでしたよ。パリに着いてすぐに財布をスラレたり。展示会自体の評価も良いとは言えない結果だったけど、感覚の違い感性の違いは凄く勉強になりました。

海外は、街を歩いてるだけでも刺激になる部分も多いし、マーケット的に何かを広げてこうって意識よりも自分自身が盛り上がれる感覚が大きいんですよ。

ー最後に、東京の「HORIKIRI」の話に戻させて下さい。シルバーアクセサリーの業界では先達の世代の道程を見回してみても、他に類を見ないカタチになっていると思うんですが、意図的にと言うか作為的な部分はあったんでしょうか?

杉山:多分、自分の場合は誰かと一緒にやる事に慣れてるんだと思うんです。独立した工房を持ってスタートした時もユータ君が一緒だったし。今は堀切って街に皆が住んでての活動だから意思疎通もし易い利点もありますね。

ただ、世代的な事よりも苦しい駆け出しの頃から一緒にやってたり知り合えたりが大きいです。同じ様な悩みを共有しながら頑張って成長してきた時間があったから。

ー「HORIKIRI」を見て思うのは、同世代の共感性だけじゃなくて独自性と認め合える技量やクオリティが有るか否か?が、一つのボーダーラインになっているんじゃないかと。

杉山:認め合える部分が無いのに一緒にやっちゃうのは互いに良く無いんですよ。単なる人間関係だけで一緒にやっても何も成長出来ないだろうし。例えば、オグリンが新作を見せてくれたりするとワクワクするし、そのワクワクに対して自分が何かを創り出す事もしたいし、クオリティの低い事はしたく無いってなる物創りの相乗効果ですね。楽しさがありながらも刺激し合って活動してられるタイミングって、奇跡みたいなモノだと思うんで。

 

Dual Flow: http://www.dual-flow.com/catalog/

店舗情報:HORIKIRI  東京都葛飾区堀切 2−34−4

http://horikiri.official.jp/

*営業日はHORIKI WEB SITE及びSNSにてご確認下さい。

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