for RESURRECTION

タイミングや波長が合う事の重要性というヤツなのだろうか?クリエイターである高蝶の癖として、同じ業界内で知り合ったり付き合いがある中でもコラボレーション等で仕事を共にしない相手と言うのは少なく無い。其れだけに、外から見ている限りでは「何故、このタイミング?」と問いたくなる場面も屢々あるのだが、今回の組み合わせのタイミングは明白だ。

古着の加工やリメイクによって根幹を成しているブランドRESURRECTIONが行う初の展示会「THE FIRST」。以前から親交がありVANITASにとってはテイストが合う部分も多いRESURRECTIONは様々なアクションで楽しませてくれるが、意外な事に展示会という形式でのイベントは初めてとなる。何かをスタートさせてみるには良いタイミングだと言わざるを得ないだろう。

VANITASと言うブランドは、何処か浮遊する様な印象を単純に明白にしないまま進行しているところがある。モチーフ選びや金属加工にしても実験的でありながら一貫したテイストは崩れる事が無く、それでいてONE MAKEの方がレギュラーアイテムよりもバリエーション的には多い事すらある。そんな中でも単純に金属を加工する事で生まれる美しさを追求する部分が今回の「VANITAS for RESURRECTION」へと繋がっている。

通常のコラボレーションでは無く、RESURRECTIONへと向けてクリエイトしていく事で導き出されたアイテムの多くは、地金に対する加工の美しさが際立ち、VANITASのテイストを多く含みながらRESURRECTIONが行っている古着加工との共通点を金属に対してもプリミティブなアプローチで見せてくれるが、驚異的なのはアイテム制作に於けるスピードとアイデアから成るクオリティだろう。

金属バリエーションやレザーを用いてカラーバリエーションを用意する為に原型が存在するアイテムを除けば、後は全てが原型の存在しないONE MAKE であり30アイテムを2日間で創り上げ、その中でもリングに至っては6時間で12アイテムを制作している。凝縮する事で方向性を拡散させずにとは言っても異常な程のクリエイティビティだ。

しかし、異常には思えてもきっとコレがVANITASをRESURRECTIONに向けて送り出す方法だと言う事なのだろう。今後のタイミングや波長で変化する事はあるにせよ、“今”という時を“現在”に創り出すVANITASの根幹が見事に突出したコレクションを見る事が出来た。今後の展開が楽しみなプロジェクトである。

 

RESURRECTION

https://www.resurrection-allhandmade.com

FLAGSHIP SHOP: 東京都目黒区中目黒 3−5−1 2F

EXHIBITION: THE FIRST  4月28日〜5月4日 OPEN 15:00~21:00 CLOSE

 

ラテン語で空虚を示す言葉であるVANITASは、生命や存在の儚さ空しさを独自のテクスチャーと様々な加工技術によって表現する事をテーマに、崩れ往く過程や錆びて朽ちる様、其の「今」という瞬間を切り取り「現在」に具現化させる。
ヨーロッパアンティーク調の様式美や、アメリカンヴィンテージの質感を取り入れながら、廃墟美にも通ずるデザインとフィニッシュは、大胆さと繊細さを兼ね備えながらも様々なシーンにフィットし、共に時間を経る毎に「今」を刻んでいきます。