for ANTIVIRAL 01

色々と波乱含みではあったが無事にオープンしたセレクトショップ「ANTIVAIRAL」で展開されるVANITASのレザーコレクション。別注という形式にしては多過ぎるアイテム数がリリースされたが、クリエイティビティと言うのはベクトルが定まってしまえば一気に加速する良い例だとも言えよう。

CAMURO LEATHERの村田氏と高蝶によるセッションで生み出されるレザーアイテムは、「Loud Style Design」や「ANOTHER HEAVEN」でも見られる様に、どちらかと言えばアメリカンカルチャーをベースにしたデザインが多く感じられるが、実際には両者共に単一のカルチャーに縛られない物創りを行ってきた長年の実績が在り、ファッション業界で“モード”や“アルチザン”と呼ばれるジャンルの仕事も多くこなしてきている。

そんな両者によるセッションでキーワードとなったのが「CUT&FOLD」によるレザーアイテムの構築であり、素材の良さを引き立てる為のミニマムなステッチワークなのだが、論より証拠と言うべきアイテムを紹介していこう。

 

VANITAS for ANTIVAIRAL: CUT&FOLD WALLET

メインのマテリアルにイタリア・グイディ社のフィオーレを使用しブラックとチャコールの2カラーで展開されるレザーアイテム達は、ワンピースのレザーつまりレザー1枚だけを使って構成されている。1枚のレザーを切り方と折り畳みによってレザーアイテムへと仕上げる行為は、パターン数が少ないだけにイージーな手法だと勘違いする人も多いのだが、はっきり言ってそう勘違いする人達は見る目が無いし物創りを理解していないのだろう。

ミニマムである事はシンプルであるだけでは無く洗練されていなければアイテムとして成立しない。(アルチザンと呼ばれるブランドの中には雑な作りで良しとしてしまう物も少なく無いが・・・)基盤となるアイデアの上に緻密な計算と試行錯誤、技術が乗る事によって機能性と美しさを持ったアイテムが成立する。

最小限にする事で最大限の魅力を引き出す。VANITASが「ANTIVAIRAL」の別注で新たに創り出した「CUT&FOLD」によるレザーアイテムには、ミニマムな中にマキシマムなクリエイティビティが込められている。

 

ANTIVIRAL

東京都江東区森下1-11-8 2F  

03-6770-8256

 

 

ラテン語で空虚を示す言葉であるVANITASは、生命や存在の儚さ空しさを独自のテクスチャーと様々な加工技術によって表現する事をテーマに、崩れ往く過程や錆びて朽ちる様、其の「今」という瞬間を切り取り「現在」に具現化させる。
ヨーロッパアンティーク調の様式美や、アメリカンヴィンテージの質感を取り入れながら、廃墟美にも通ずるデザインとフィニッシュは、大胆さと繊細さを兼ね備えながらも様々なシーンにフィットし、共に時間を経る毎に「今」を刻んでいきます。