for ANTIVIRAL 02

オープンから間もない事もあって、まだまだ実際に見る事が出来ていない人も多い「ANTIVAIRAL」で展開されているVANITASのレザーコレクション。実際に手にしてみても一度ショップを訪れただけでは全ての魅力を知ろうとするには多過ぎる別注アイテムの数々は、「ANTIVAIRAL」オーナーであり“北関東の虎”の異名でも知られる長山元太氏の好みを考慮しながらCAMURO LEATHERの村田氏と高蝶によるセッションで生み出されている。

両者によるセッションはデザインやパターンを高蝶が、クラフトを村田氏が担っており、どちらの作業も事前打ち合わせや用意する事無くインプロビゼーションによって行われているのも特徴的だが、今回の「ANTIVIRAL」別注アイテムでは「CUT&FOLD」によっての構築が一際目を惹く。「CUT&FOLD」つまりは1枚のレザーを切り方と折り畳み、そしてミニマムなステッチワークによってレザーアイテムを創り上げるシンプルにしてディープなアイテムを今回も紹介していこう。

VANITAS for ANTIVAIRAL: CUT&FOLD COIN CASE

コインケースとして制作されているがコインだけでなくカードも一緒に入れておけるこのアイテムは、素材の良さを引き立てながら印象的なクリップも楽しめ、デザインや作り込みのミニマムさだけでなく外出時の必要最低限も考慮されているのが持つ人にとっては喜ばしいところだろう。ちょっとした外出時にコレ一つをポケットに入れての気軽さと、しっかりとバッグを用意して外出する際にもサイドアイテムとしての利点を兼ね備えている。

 

VANITAS for ANTIVAIRAL: CUT&FOLD CARD CASE

何かとカードを持つ事が多くなっている現代ではウォレット一つで綺麗に纏める事が難しくなったりしてしまうのだが、それは多くの場面でコーディネートの邪魔をしてしまう。今回の「CUT&FOLD」のシリーズの中でも特にパターンの難しさがあったこのアイテムは、一見するだけだとシンプルな表情で難しさを感じさせないが、個体によって柔らかさや厚みの違うレザーを1mmに満たない数値で調整しながら1点1点が制作されていて、使い勝手と作り込みの両立が成されたアイテムだ。

 

VANITAS for ANTIVAIRAL: CUT&FOLD BILL CLIP WALLET

このアイテムもまたシンプルさの極みとなり、札とカードだけを収納して身軽に外出したい場面に役立つ。マネークリップの様な金具ではないのでレザーの表情を広い面で楽しめるし、ミニマムなステッチがアクセントとしても効果的なアイテム。コレ一つでも良いが同素材のコインケース等とセットでも楽しんで頂きたい。

今回紹介したレザーアイテムもメインのマテリアルにイタリア・グイディ社のフィオーレを使用しブラックとチャコールの2カラーでの展開。洗練されたミニマムである事は、その裏側に幾重ものアイデアと熟練されたクラフトがあってこそ機能性と美しさを持ったアイテムが成立する。そんな事実を感じ取って頂きたい。

 

ANTIVIRAL

東京都江東区森下1-11-8 2F  

03-6770-8256

 

ラテン語で空虚を示す言葉であるVANITASは、生命や存在の儚さ空しさを独自のテクスチャーと様々な加工技術によって表現する事をテーマに、崩れ往く過程や錆びて朽ちる様、其の「今」という瞬間を切り取り「現在」に具現化させる。
ヨーロッパアンティーク調の様式美や、アメリカンヴィンテージの質感を取り入れながら、廃墟美にも通ずるデザインとフィニッシュは、大胆さと繊細さを兼ね備えながらも様々なシーンにフィットし、共に時間を経る毎に「今」を刻んでいきます。