ON THE TABLE 04

“正しさはいつも争いを生む”誰が言った言葉だったのかはもう思い出せないが折に触れ言葉の意味を考える事が多くなった。

夜の帳が下りる頃、ふと見やったテーブルの上に残された花はもう枯れている。時間が自分の思うより早く過ぎ去っていくと感じる様になった今では、正しさの意味よりも感情が揺れ動く瞬間の重要性を想う。

決める事が出来ないから正しさを他に求め、見えている筈の物を見ていない事で失い、残された痕跡を辿ってみても時間は自分が思うより早く過ぎ去って、もう見る事も叶わないだろう。

行動の無い正しさは所詮、机上の空論でしかないとテーブルの向こうに語りかけてみても、空気の層だけが僅かに揺れ動き、誰も座らなくなった椅子は何も答えない。

正しさはいつも争いを生む。争いの果てには、いつも空虚な時間が流れるだけだ。

 

ラテン語で空虚を示す言葉であるVANITASは、生命や存在の儚さ空しさを独自のテクスチャーと様々な加工技術によって表現する事をテーマに、崩れ往く過程や錆びて朽ちる様、其の「今」という瞬間を切り取り「現在」に具現化させる。
ヨーロッパアンティーク調の様式美や、アメリカンヴィンテージの質感を取り入れながら、廃墟美にも通ずるデザインとフィニッシュは、大胆さと繊細さを兼ね備えながらも様々なシーンにフィットし、共に時間を経る毎に「今」を刻んでいきます。