RUMBLE -REFUSE STYLE- 017

何かに優劣や順位を付けたがるのは人に刻まれた“競争”という性によるものだろう。そうした性は結果がはっきりしない物事にまで及び、果ては境界線が曖昧なままに独善的な答を用意する。兎角、人は競う事での優越性が好きな生き物であり、競争によってしか価値を見出せない愚かな部分を持ってしまっているとも言えるだろう。

こうした“競争”を好む性質は、何かを生み出したり発展する際に原動力ともなるが、同時に物事を歪んだ捉え方のベクトルへと乗せてしまいがちだし、歪んだままに固定化された価値観や慣習も発生させてしまう。

種目にもよるが、スポーツ等の競技では優劣や順位は捉え易い結果として示されるのと違って、趣味趣向を軸としたジャンルでは境界線が曖昧なままに個々人の好みによって独善的な答が用意される。不思議なもので結果が捉え易いジャンルではもう一方の結果は捉え難く、結果を捉え難いジャンルではもう一方の結果は捉え易い。それは経済的な成功と呼ばれるものだ。

オリンピックで金メダルを獲得する事は捉え易い優劣や順位だが、ソレによって得られる報奨金は国によって違うしスポンサーとの契約内容や人気に左右され、経済的な成功の結果は捉え難い。対して、映画「アベンジャーズ:エンドゲーム」は現在は世界で歴代最高の興行収益となっていて経済的な成功は捉え易いが、作品自体が世界の歴史上最高の映画と評されている訳では無く評価の基準すら捉え難い。この現象で最も解り易いのは、経済的な成功と優劣や順位は一致しないと言う事であり、特に趣味趣向のジャンルに於ける優劣や順位は意味を為さないという事だろう。

ファッションの業界に於いても、ユニクロが日本最高のブランドだと認める自称ファッショニスタの人達は、ユニクロの経済的成功に対して驚く程に少ない。そう考えると趣味趣向を軸としたジャンルに於いての優劣や順位は境界線が曖昧なまま独善的に答を用意してしまう“不健全な優越感”によって成り立っている。言葉を悪くすれば、気取り屋がこぞって独善的なセンスを自慢したがるジャンルでもある。

しかし、こうした“不健全な優越感”や“独善的なセンス自慢”による競争がファッションの業界を支え発展させているのもまた悲しき事実で(故に固定化された価値観や悪しき慣習も生み出すが)大なり小なりセンスを問われたり売りにする業界では、こうした競争意識を刺激する事が必要不可欠になってしまっているし、選ぶ側である消費者にもファッション自体を楽しんでいるのか優越感の為に気取っているのか解らなくなったままの人が少なく無い。

選び取る事や知っている事がセンスだと勘違いすると“不健全な優越感”は加速し量産型のファッショニスタ気取りが出来上がる。

自分に必要な物を選び取り組み込んで、如何に着こなしどう行動するか?にセンスが表れ気取りのないスタイルになる。

ファッションを楽しむだけなら優越感に浸りたい為に気取ったポーズで生活するのも、拘って自分のスタイルを構築し充足感を得るのでも好きな方を選べば良いだけだが、本当に価値のある時間を得られるのは、果たしてどちらだろうか?

多くの価値観が存在し多様性が謳われる中で、REFUSE独自の価値観でスタイリングを提案する「RUMBLE」は、選ぶ物をフォーカスするよりも選んだ物同士が語り合う様に組み合わせ、着けこなしの楽しさやシルバーアクセサリーを軸としたスタイルの新たな発見の為に行われているプロジェクト。REFUSEに並ぶアイテム達を共鳴させる様なスタイルをご覧下さい。

RUMBLE-017

気軽さって時と場合によっては重要なテーマだったりすると思うんですよ。自分の一番好きなスタイルで固めて過ごしたい時間とは別に、ちょっと気軽に出掛けたいタイミングって日常的に訪れる筈なんですよ。それとは逆に、ちょっと何か気取ってみたい気分になったりもするかとは思うんですが、そんなの冠婚葬祭ぐらいで充分じゃないですか。日常的に気取ってるヤツって周囲からしたらウザッたいだけですからね。

そんな訳で気取るよりも気軽さを取り入れてのスタイリングを今回は提案してみたいと思うんですが、「そんなのTシャツとスウェットパンツでいいじゃん」とか言い出したら気軽さ通り越してダラシ無いスタイルになりますんで、締めるとこ締めてラフなとことルーズなパート活かしたアンバランスな楽しみと気軽さスタイリングで行きたいと思います。

パッと見、全身ではANOTHER HEAVENのシェルパーカーが際立ってくるんですが、着こなしは自分のボディに対してワンサイズアップを選びフロント全開で袖を適度に上げたらラフな印象になりますし、ワンサイズアップの方がフフード部分が大きく開いて足元とのバランスが良くなるのがこのスタイリングのポイント。

メインのアウターにシェルパーカーとかを持ってくると、最近だとアウトドアミックスのコーディネートやスケーター方面に行きがちなんですけど、REFUSEのスタイルでの気軽さって事になると、やっぱり締めるとこは締めてがボトムスのスキニーデニムと足元のラバーソールですね。単純なスキニーデニムではなくLoud Style Designによるジップでフレアになるスキニーデニムなのでタイトでありながら定番的なラバーソールとの合わせ方に留まらない楽しみ方が組み込まれてます。

ワークキャップの有無は正直に申し上げてヘアースタイルによって決めるのが良いかと思うんですが、アイテムとしてはシェルパーカーにもラバーソールにも合うんですよ。ワークキャップとシェルパーカーが来たらそのままチノパンにスニーカーで固めちゃいそうですが、今回はスタンダードなスタイルよりもアンバランスな楽しみと気軽さがテーマなんで、シルバーアクセサリーとの相性で考えてもワークキャップは有りのがお勧めです。

トータルのカラーバランスとしてはフルブラックなんですが、光沢感のあるブラックとマットブラックの組み合わせで構築されてるんで挿し色が欲しいところでもあるんですが、ANOTHER HEAVENのグラフィックがインパクト強めなんで、インナーのTシャツは無地を選ぶとシルバーアクセサリーを軸にするには丁度良いバランスじゃないでしょうか。

さて、そんな軸となるシルバーアクセサリーですが、アイテムデザイン的にはスタンダードな物を選びながら着けこなしのアンバランスさがこのスタイルの気軽さを気軽さだけで終わらせない方向に進めてくれます。中でも特に特徴的なのはリングの着ける位置とウォットチェーンの位置になります。

重ね着けしたブレスレットがルーズな印象を醸し出す左手には鏡面を活かしつつも大ぶりなサイジングのリングを親指に。少し幅広のバングルが際立つ右手には小指にスモールサイズのスカルリングを。周囲にとっても気軽さと呼べる限界リング数はボリュームにもよりますが2つ程度でしょう。尚かつアンバランスさが逆転してバランス良くするには手首周りのアイテムとの相性を鑑みての着けこなし着ける位置が重要。

ウォレットチェーンはフロントのベルトループに下げるよりもサイドのループに下げて長さとルーズさを活かした着けこなしが合いますね。シェルパーカーのフロントを全開にしての着こなしなんで、主張するポイントはペンダントや手首周りに任せておいて、座ったり裾を捲り上げたりのアクションの中で綺麗なラインを覗かせてくれる見え方がベストなんじゃないでしょうか。

ペンダントはバシッとセンターに主張のあるモチーフとサイジングを選びたいですね。モチーフやデザインの強さを中心に据えて他のアイテムを選んでいくと、アウターやボトムスのアイテムもスタンダードな方向に進ませたくなっちゃいますが、リングやウォレットチェーンの着けこなしにアンバランスさを出す事で気軽さを持ったスタイリングの中での楽しみ方を見出せるかと思います。

こうやって紹介していくと着用しているアイテム数が多く感じられますが、トータルで見ると気取りも野暮ったさも無い気軽な纏まり感。トップスをレイヤードで何枚も合わせてるんでも無いですし難しい着こなしの必要なアイテム選びでも無く、スタンダードなアイテム選びで気軽さの中にちょっとしたアンバランスさを合わせたスタイリングを今回は提案させて頂きましたが、更に削ぎ落として自分好みの気軽さに仕上げるも良しですんで、気軽なスタイリングも楽しみ方の一つとして取り入れてみて下さい。

[STYLING ITEM]

ワークキャップ:Loud Style Design ¥50,000- シェルパーカー:ANOTHER HEAVEN ¥18,000- Tシャツ:ANOTHER HEAVEN¥7,800- スキニーデニムパンツ:Loud Style Design¥58,000- ラバーソールブーツ:ONE MAKE ¥100,000-

ネックレス:Loud Style Design UN-006 ¥48,000- 左手親指リング:Loud Style Design UR-010 ¥42,000- 左手ブレスレット上:Loud Style Design UB-015 ¥52,000- 左手ブレスレット下:Loud Style Design UB-020 ¥75,000- 右手小指リング:Vanitas VR-021¥20,000- 右手バングル:ANOTHER HEAVEN ONE MAKE¥120,000- ウォレットチェーン:Loud Style Design UWC-017 ¥250,000- ウォレット:Loud Style Design LGW-002 ¥45,000-

※表示価格は全て税抜き価格となります

 

ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY・GARAGE REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

GARAGE REFUSE

東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972

 

ONLINE STORE

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more