RUMBLE REFUSE STYLE -023-

意識が何処から生じるのか?この問いに対する議論は未だに様々な見解や意見が交わされているが、同じ様に無意識についての研究も進んでいて、実際には意識よりも無意識の方が膨大な取捨選択と決定をしている可能性も示唆されている。何となく選んでしまう物、気が向かないので行かなくなる場所。大小に関わらず、人は対象に意識を向け何かしらの判断を割いていると自分でも思い込む。しかし、その判断を下す以前に無意識下で既に取捨選択が行われていると考えるべきだろう。

意識は知識と経験から、無意識は本能からと言われる事もあるが実際にはもっと複雑だ。脳の働きは肉体のバイオリズムに素早く反応し適切に対処しようとするので、例えば疲労感や倦怠感が強い時には何かしらの対象を意識させない様にしてしまう。逆に何かの対象に強く集中している際にも他に意識を向けさせず存在を認識させない。つまり、脳は意識を最適化させようと働きかけ、それは意識が生じるよりも先に無意識下で行われている。

意識による存在認識の話を深く進めてしまうと、映画「マトリックス」のベースとなった懐疑主義的な思考実験、バートランド・ラッセルによる「世界五分前仮説」や、ヒラリー・バトナムによる「水槽の脳」等、仮説も含めて話が尽きる事が無い。なので、本題に向かう為に至極簡潔に意識と脳の関係を纏めると、対象への意識を定める為に脳は楽をする癖を持つと言う事だ。

対象への意識を定める際に脳が楽をさせる手段として多く使われるのはカテゴライズ(分類別け)だろう。色によって人が対象への意識を定めてしまうのは本能的な部分や経験による記憶が大きいとされている様に、人は自分の中で何かしらのカテゴライズをする事で対象を理解しようとする。残念ながらソレは理解と言うよりも、観念と呼ばれるべき意識の働きで、多くの場合に一度カテゴライズした対象への観念は固定される傾向にある。

物や情報、機会や方法が増える事によって取捨選択するべき事も多くなり時間の流れが早く感じる程に決断に速度が求められてしまう。そうすると人は益々カテゴライズする事によって対象を安易に捉えようとする。「有り得ない」と簡単に口にしてしまうのは、対象が人であれ物であれ事象であっても固定観念によって安易に捉えてしまっていたからで、対象を深く知り洞察する為の理解や可能性の推察を怠っているからだろう。勿論、人が流転する万物を知り得る事は不可能なのだが。

固定観念は判断を早くし、脳の働きを楽にさせてくれる時もあるが多くの物事を見落とす。つまり、決め付けによって物事を進めるのは簡単だが、“理解している”からの取捨選択と“理解しているつもり”での取捨選択は大きく違うと言う事だ。決め付けを拘りと言えば聞こえは良いが、新しい物事を理解しないままの拘りは楽をする為の手段に陥る事もあるだろう。

スタンダードやベーシックがアイテムのみならず、着こなしや着けこなしに於いても謳われるファッションやシルバーアクセサリーの世界では“拘り”はある種のキラーワードだ。しかし、その“拘り”は本当に自分の過ごす時間やアクションに合った、そしてアイテム自体に合った可能性を加味してスタンダードやベーシックとしているのだろうか?単純に自分が好きだからでファッションやシルバーアクセサリーのアイテムを選ぶのは悪い事では無いが、その選択は何を意識し何を意識しないで行っているのかを考えてみるのも、拘りを持つ為には必要なのだと思う。

流転を繰り返す状況や変化し続ける日々の中、意識は常に左右される。自分らしさを表す為のスタイルや拘りは、状況や日々に対して無意識から来る抵抗にも感じられる。スタイリングの重要性、コーディネートによる可能性、「人」と「物」とが合わさって「人物」と書く様に、着けこなしによって人と物とを繋げるプロジェクト「RUMBLE」。独自のアイテムセレクトとコーディネートでREFUSEらしさを響かせるスタイリングをお送り致します。

RUMBLE-023

可能性の洞察や探究は何に対しても行えるもので、どんなカルチャーにしても固定観念を瓦解させる新たなアプローチによって発展を遂げてます。ファンションやシルバーアクセサリーも例外では無いんですが、新たなアプローチや発展を喜ぶ人も居れば固定観念に囚われてる人も居て、流行りだけを上手く捉えて楽しむ人達も居る。どれも楽しみ方として間違っているとは思いませんけど、独りよがりで偏った固執とか執着だったり流行りモノだけを追う乗り換え方は、本当に楽しいのかな?と、疑問に思ったりもしてしまいます。

個人のスタイルや拘りは、外から見える印象も意識しての着けこなしと、見えなくてもの着けこなしは少し違うんです。暖かい季節は薄着になるので必然的に身に着けるシルバーアクセサリーが見えますし、外から見える印象も意識しての着けこなしになりますよね?寒い時期には厚着になって羽織る物も増えますからシルバーアクセサリーは身に着けていても見え難い事になりますので、外から見えなくてもの意識になります。気温とアクションに合わせて服の着こなしも変化して、例えばトップスは寒い時期の方がロング丈の物を選ぶ傾向にありますし、フロントのボタンやジップはフルオープンでなく閉じている箇所が増えます。暖かい時期ならシャツのカフもボタンを留めずに捲っていたのを寒い季節には風が入らない様に閉じる事が多くなるでしょう。

季節の変化は着る物だけでなく着こなし方も変化させるので、当然ながら選ぶシルバーアクセサリーも其の着けこなし方も変化させる楽しみがあるんではないでしょうか?そんな中で今回のRUMBLEでお勧めしたいのは、見えた時の格好良さや通常とは違う着けこなしの楽しさによるスタイリング。敢えて言うならファッションやシルバーアクセサリーを長く楽しんでいる人が更に一歩踏み込んだ着けこなし方です。

長くファッションやシルバーアクセサリーを楽しんで愛用していると拘りも生じ易いですし、ファッションやシルバーアクセサリーが持つバックグラウンドを含めてカルチャーとしても好みが別れてきますから、どうしても何かしらの固執や固定観念を持ってしまいがちじゃないですかね。選ぶブランドやカルチャー的に其のブランドに合う他のブランドやアイテムで、ベーシックなスタイルやスタンダードなコーディネートで合わせるのは勿論、間違い無く楽しいですが、違うアイテムの合わせ方や着けこなし方で次のフェーズへ踏み込む楽しさも味わってみては如何でしょう?

ライダースジャケット。バイク、ロックの代名詞でもあり若き日のマーロン・ブランド主演「THE WILD ONE」に代表される反抗の象徴から、現在ではファッションアイコンともなったアイテム。それだけにスタンダードとかベーシックとしての着こなしからアバンギャルドな着こなしまで色々と探究されていていますね。今回の「RUMBLE」ではスタンダードな着こなしよりも、ラフに着こなす事で肩の力を抜いたリラックスモードでの魅力を引き出すスタイリング。

「ラフでリラックスモードならライダースジャケットなんか着なきゃいいじゃん」そんな事も言われそうですが、スタンダードな着こなしばっかりしてたらアイテムの可能性なんて引き出せないままじゃないですか。拘りのスタンダードなスタイルを、ちゃんと知っていればこその違う楽しみ方してみたらどうかと思うんです。そんな訳で、ライダースジャケットをラフに着こなしてシルバーアクセサリーとの魅力を引き出すスタイリングには、先ず下半身のコーディネートからになります。

下半身リラックスの代表と言えばスウェットパンツかジャージですね。SCHAEFFER’S GARMENT HOTELのスウェットパンツは肉厚な生地が特徴的ですが、何と言っても良いのはシルエット。裾に付けられたジップによって足もとのアイテムとの整合性が取り易く、リラックスモードなアイテムなのにブーツに合うスウェットパンツであるところが素晴らしい。

今回のスタイリングで最も要になってくるのが足元のブーツ。スウェットパンツと合わせるならベーシックにスニーカーとなる事が多いかと思います。確かにスニーカーを選ぶのも悪く無いですが、トータルでのラフさとリラックスモードをキッチリ引き締めてダラし無くさせないのが足元に合わせるブーツなんです。外からはアクションの中でしか見えないポイントに印象的なバックルが存在するエンジニアブーツがお勧め。

インナーにはリラックス感の強いスウェットを選ぶにしても無地で特徴のある生地感の物を選びたいところ。これが上下セットアップのスウェットで足元サンダルだったら寝間着で急いで外出したみたいになりますからご注意下さい。リラックスモードであってもアイテム選びに気を遣ったコーディネートが程良いラフさを醸し出してくれます。

ワッチキャップはストリート感とラフな印象を上げてくれるアイテムとして重宝しますね。ライダースジャケットが強い印象を持っているだけにこうしたヘッドアイテムとのコーディネートが上手くトータルの雰囲気を纏めてくれます。インナーに選んだスウェットの生地感とも相俟って理解した上でのアイテムセレクトである事が表れるんじゃないでしょうか。

さぁ、トータルの着こなしを解説したところでシルバーアクセサリーのパートに参りましょう。当然なんですが身に着けるシルバーアクセサリーの幾つかはセレクトしたアパレルアイテムによって左右されます。それはアイテム同士の相性よりも先に身に着けられるか?られないか?の部分です。今回の様にスウェットパンツの仕様がベルトループが無かったりバックポケットが無い場合は、必然的にウォレットチェーンは無しになり(無理矢理にでもは可能ですが)ウォレットのセレクトも手持ちかフロントポケットに入るサイズになるでしょう。

今回のスタイリングですとクラッチバッグに必要な物を入れて持ち歩く合わせ方も良いですが、よりリラックスモードなら手ぶらでフロントポケットに入るミドルサイズウォレットにキークリップを合わせたコーディネートがお勧め。スウェットパンツはただでさえ下半身が平坦な印象になりますので、腰回りから足への位置でワンポイント引き立てるアイテムを備えたいですね。ウォレットはアクションの中でポケットから少し覗くぐらいで、キークリップは下半身の主役になるサイジングの物をセレクト。

上半身はラフに着こなしたライダースジャケットに対して胸元にくる長さで(今回は50cmのチェーンを使用)目立ち過ぎないサイジングのペンダントを重ね着け。やはりペンダントのサイジングやボリュームは上半身のコーディネートだけで無く下半身のコーディネートとも密接な関係にあるんだと思います。これで下半身がデニムパンツにウォレットチェーンを合わせていたら、ペンダントもボリュームがあってラージサイズのアイテムが合うでしょう。しかし、ライダースジャケットのフロントを全開にしてラフさやリラックスモードを活かしたスタイルであるならばペンダントもトータルの雰囲気に合わせて選ぶのがお勧めです。

右手は人指し指にスタッキングする感じでリングを重ね着け。この着けこなし方がペンダントとの相性を上げてくれますし、アイテムによる手の左右のバランスが良くなるんですよ。手首にはアクションの中で見える事を考えると太め目のサイズでフラットな感じのデザインが合います。同じぐらいのボリューム感のバングルも悪く無いですが、ブレスレットだからの動きや抜け感がライダースジャケットに合いますね。

シルバーアクセサリーを着けこなす妙や楽しさは、アパレルアイテムよりも更にスタンダードやベーシックに固執しないでもいい点ではないでしょうか。左手にバンテージを巻く様に着けこなしたネックチェーンはトータルの印象をグッと押し上げ、シルバーアクセサリーが好きで着けこなしを理解して楽しんでいる印象を出してくれます。薬指に合わせたスカルリングも巻き付けたチェーンとの対比によって際立ちますし、先述した右手のアイテムとのバランスが一段と良くなるんではないでしょうか。

ファッションでもシルバーアクセサリーでも先ず最初は何かしらお手本になりそうなスタイルや、憧れる存在を真似したりするかと思うんです。その第一フェーズで物だけに固執してしまったり、スタンダードやベーシックに執着していまうと、コーディネートやスタイリングを楽しんで可能性を引き出す部分は抜け落ちてしまいがち。自分の好むカルチャーやヒストリー、自分に合うスタイルや好みのコーディネートを決めていく事は重要ですが、意識して拘りを持つなら同じぐらい物が持っている可能性も意識して楽しんで下さい。「人」と「物」をコーディネートして「人物」が表されるのがスタイリングですから。

 

[STYLING ITEM]

ワッチキャップ:Loud Style Design ¥10,000- スウェット:Loud Style Design ¥15,000- ライダースジャケット:Loud Style Design ¥250,000- スウェットパンツ:SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL¥44,000- エンジニアブーツ:Loud Style Design CUSTOM SAMPLE

ペンダント左:ANOTHER HEAVEN AHH-004¥28,000- ペンダント右:ANOTHER HEAVEN AHH-017¥8,000- 左手チェーンブレスレット:Loud Style Design UCN-001 ¥25,000- 左手薬指リング:ANOTHER HEAVEN AHR-019¥35,000- 右手ブレスレット:Loud Style Design LSB-009 ¥75,000- 右手リング人差指リング下:ANOTHER HEAVEN AHR-013¥12,000- 右手リング人差指リング上:ANOTHER HEAVEN AHR-014-BS¥12,000- キークリップ:ANOTHER HEAVEN AHK-002¥68,000- ウォレット:Loud Style Design LGW-002-PY¥58,000-

※表示価格は全て税抜き価格となります

 

ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY・GARAGE REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

GARAGE REFUSE

東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972

 

ONLINE STORE

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more