RUMBLE -REFUSE STYLE- 018

物事を簡略化する事がコストパフォーマンスが良いとされているが、物事の基本や文脈を理解して簡潔化を行うのと、理解しないままに簡略化された物だけを知っているのとでは大きく違う。

昨今では“倍速再生”や“ファスト映画”等の簡略化された映画鑑賞方法が取沙汰され、こうした鑑賞方法は曰く「時間的なコストパフォーマンスを良くする為」とされがちだが、個人に於けるコストパフォーマンスとは“金銭・労力・時間”で、映画がストリーミング等で安価に鑑賞出来る事で金銭的負担が減り作品価値を感じさせ難くなった事、それによって観る側が鑑賞する為の労力を払わなくなった事が原因に他ならない。

映画作品に関わらずだが制作の段階で複雑に要素が絡み合った作品を読み解いて楽しむには読解力を持ち合わせていなければならないし、難解な作品であれば理解の為に相応の労力を払う事になる。簡潔に述べるならば、読解力に乏しく労力も払いたくは無いが知ってはいたいから簡略化された物を選ぶ。作品に価値がないからでも時間が惜しいからでも無い。娯楽に対してでもイージーな答を得て知った気になりたいというだけの事だ。

この簡略化の方程式、ファッションではどうだろうか?安価で手に入れられるファストファッションは大事にされず向き合う労力も払われないが、ハイブランドのアイテムは大切にされ長く保有する事で向き合っていく傾向が強いだろう。勿論、どう向き合おうが個人の選択でしかないので問題では無いが、其処師先に歩を進めると問題が出てくる。ファストファッションだから良く無い物なのか?ハイブランドだから良い物なのか?良い物とはどんな物を指し示すのだろうか?そうなった時に簡略化されていない答の為に読解力が必要になってくる。ファッションに於ける読解力とはつまり、どう着こなすか?に集約されるだろう。それはシルバーアクセサリーでも同じ事である。

良い物かどうかを判断する基準を持たず読解力も持たず労力は払いたく無いので、簡略化された流行りの着こなし情報を頼りにコーディネートするのが好き。ならば其れも選択の1つではある。簡略化されたイージーな答が良ければ、それは個人の中でファッションの楽しみがどれくらいのウェイトを占めるかでしかないので他人が口を挟むまでもない事だ。しかし、ファッションやシルバーアクセサリーを楽しむ事が自分の中で大きなウェイトを占めているなら?労力は払って然るべきではないだろうか。どう着けこなすかによって同じ物でも、良い物にも良くない物にもなる事は自明の理なのだから。

アイテムの良し悪しばかりが謳われるシルバーアクセサリー業界の中で、独自のスタイリングでファッションとシルバーアクセサリーの楽しみ方を提案するプロジェクト「RUMBLE」。良い物は何故、良い物なのか?が物同士を語り合わせる様に構成された着けこなしによって示されるこのプロジェクトでは、REFUSEに並ぶアイテム達の魅力を引き出し、様々なシーンで共鳴するスタイリングをお届けします。

RUMBLE-018

「良い物を身に着けて出掛けたい」COVID-19のパンデミックで気が付いたら1年半も窮屈な生活を強いられてる感が強いからか、“日々の息苦さ”が“日々の生き苦さ”レベルまで上がってきてしまってる方も少なく無いんじゃないでしょうか?かと言って、何処かに気晴らしに出掛けるのも容易じゃない状況下ですと、ちょっとした外出でもお気に入りの物や良い物を選んでいたいものですし、リラックスとは一味違ったモチベーションの上げ方として、良い物を身に着けて出掛けたくなります。

でも「良い物」って何だろう?服だったら良い生地とか良い縫製とか上質な革とか良いブランドとか、シルバーアクセサリーだったら仕上げが良いとか造型が細密だとか良い石使ってるとか・・・・。挙げていったらキリがない気もしますし、自分のスタンダードが定まってないと疑問は常に付きまとうじゃないでしょうか。世間的評価の良い物ではなくて、個人にとっての良い物って何だろう?

簡潔に答を挙げるなら、自分との距離が丁度良い物になると思います。個々人で体型とか趣味趣向は違いますし生活とかアクションも違うので、高級なら良いとか上質なら良いとかじゃ無いと思います。自分の好みや理想と自分の体型や体質には僅かであっても距離があるもので、いくら重くてゴツいスカルのリングが好きで理想でも似合わない体型だったり重いアイテムが着け難くかったら、その重くてゴツいスカルリングは良い物では無くなりますよね?だから先ずは自分に合ったスタンダードを定めて、その為のベーシックアイテムを決めておけば、自分とアイテムとの距離感が解り易くなるし向き合い方も試し易くなります。

自分のスタンダードが定まったら、そこからどれくらい距離が離れたアイテムまでが無理なくフィットするかがアクションによって変化させられますし、着けこなし方で新たな楽しみも見出せるんじゃないでしょうか。今回のスタイリングはシルバーアクセサリーのアイテムを6アイテムに絞って、着けこなしによる迫力と良い物を実感出来るバランスの良さを見て頂きましょう。

季節的な部分はありますが、フルブラックなREFUSEスタイルから脱却して出掛けてみたくなるシルバーアクセサリーを軸としたスタイリングは、SCHAEFFER’S GARMENT HOTELの新作チャコールグレイのコーデュロイパンツに定番のGASステーションシャツの新色であるオイルダイ・インディゴを合わせて、インナーにはANOTHER HEAVENのグラフィックを抑えたシンプルなTシャツを。

生地とか縫製の良さは勿論なんですが、奇抜さや流行を追ったサイジングやパターンでは無くアメリカンヴィンテージの文脈から導き出したシルエットは、スタンダードを定めるベーシックアイテムとして抜群に魅力を発揮してくれますし、落ち着いたカラーの組み合わせがブラックとは違ったシルバーアクセサリーの映え方を見せてくれます。

そんな中でも足元のブーツとベルトのカラーはブラックで引き締めるアクセントとして活かしておきたいですね。どちらもANOTHER HEAVENのカスタムアイテムですが、強く押し出す様な着けこなしで選ぶよりも、ちょっと気が利いてるぐらいに遊びのあるアイテムだからこそ、スタンダードな中で着けこなしていてモチベーションを上げてくれる筈。

今回スタイリングしているシルバーアクセサリーとのバランスを考えた時に、ハットは単純にブラックを選んでしまうイージーさを棄てて、加工に手間を掛ける事で創り出された渋みと深みのあるカラーのアイテムが欲しくなります。ヴィンテージ感のある仕上げのシルバーアクセサリーとの相性、オイルダイ・インディゴのGASステーションシャツとの相性をハット1つで更に良くしてくれるでしょう。

ペンダントはANOTHER HEAVENのキーホルダーペンダントを80cm細身のネックレスで合わせて首周りに余裕を持たせるのが良いんじゃないでしょうか。フルオープンにて着こなすシャツのラフな印象と相俟ってセンターラインを軽く演出してくれますし、体系的にとか趣向的に少し物足りないと感じる人でもこのキーホルダーペンダントなら他のペンダントを追加で下げて楽しむ事も出来ます。

ウォレットチェーンの位置はサイドから垂らすぐらいの纏まり感が良いですね。フロントから下げての着けこなしも勿論良いですが、シャツの着丈やパンツの質感と合わせた時にアクションの中で見えてくるチェーンの太さが魅力的ですし、その導線として右手に着けるアイテムを小指のリング1点にしているのが効いてくるんですよ。当然ですけど、着けこなしって着けてるだけじゃなくて着けて動く、アクションあっての良さですからね。

さあ、今回のスタイリングで最も際立つ左手。Loud Style Designのアイテムで構成されたバングルとブレスレットの重ね着けに、人指し指にクロスリングを1点で充分過ぎる程の迫力が出てます。これは完全にアイテム選びと着けこなしによるものですし、左手にアイテムを纏める事によって生まれる映え方です。

バングルやブレスレットのサイジングやボリュームに対して、どの指にどんなボリュームのリングを着けるか?によってバランスは変化しますから、鏡面を活かしたバングルとそれを邪魔せずにエッジを増してくれる細身のブレスレット、そして印象的なクロスモチーフのリングのボリュームやサイジングが合っているからこそ際立つ着けこなし。

右側の腰回りにウォレットチェーンがくると左側が何となく寂しい感じがする人も多いかと思いますが、アイテムバランスを整える事でシルバーアクセサリーの良さは十二分に発揮出来ますし、スタンダードを定める事によってシルバーアクセサリーのアイテム数が6点でも拘りと迫力を抑え過ぎないスタイリングで楽しめると思います。

ファッションの着こなしって鑑賞した映画の楽しさを誰かに語る様なものじゃないでしょうか。簡略化され過ぎて言葉が少なかったら誰も観たいと思わないでしょうし、逆に何から何まで自分の好みと拘りで語りまくってオチまで話しちゃうと嫌がられるじゃないですか。自分の好みや拘りは重要ですけど、いつでも全開にしないで簡潔に纏めて出掛けるぐらいのスタンダードは欲しい物です。実社会の中で他人とも触れ合いながら生きていくのなら、自分の好きな物が“良い物”として語れる様なスタイリングで楽しんで下さい。

 

[STYLING ITEM]

ハット:Vanitas ONE MAKE¥85,000- ガスステーションツイルシャツ:SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL¥40,000-  Tシャツ:ANOTHER HEAVEN¥3,800- コーデュロイパンツ:SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL¥46,000- ブーツ:ANOTHER HEAVEN CUSTOM¥65,000-

キーホルダーペンダント:ANOTHER HEAVEN AHK-008 ¥22,000- 左手人差指リング:Loud Style Design LSR-004 ¥30,000- 左手バングル:Loud Style Design UBG-004 ¥60,000- 左手ブレスレット:Loud Style Design LDB-004 右手小指リング:ANOTHER HEAVEN AHR-010 ¥17,000- ウォレットチェーン:ANOTHER HEAVEN ONE MAKE¥350,000- :ベルト:ANOTHER HEAVEN ONE MAKE ¥60,000-

※表示価格は全て税抜き価格となります

 

ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY・GARAGE REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

GARAGE REFUSE

東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972

 

ONLINE STORE

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more