RUMBLE -REFUSE STYLE- 009

身に着ける喜びは誰もが持っている感覚だとしても、独善的過ぎる嗜好が散見されがちなのがファッションの常でもあり、良く言えば個性的だが悪く言えば不格好になってしまう着けこなしの多くの要因は物に対する文脈の不理解にある。

スタイルは言わば物にとっての文脈であって、構成された経緯と其処に存在した物の理由が語られる。だからこそ文脈を知り準じたスタイルに身を投じる美しさも有り、崩して組み合わせ再構築する楽しさも有る。伝統や歴史だけが重要では無いし、好きな物を好きな様に身に着ければ良いとは言っても、学ばないままにガチャガチャと着け合わせても物同士を語り合わせる事は出来ない。独善的過ぎる着けこなしの最も悪い部分を挙げるとするならば、他人に対してでは無く物に対して失礼だと言う事だ。物の共通言語はスタイルと言う文脈の中に在るのだから。

文化が齎した物、利便性によって生み出された物、必要に迫られて制作された物、経済的な理由から選ばれた物、環境によって変化した物。物単体にも様々な文脈が在り、物の組み合わせでスタイルは構築されてきた。手に入れようとすれば何でも手に入れる事が容易になった現代だからこそ、物だけに固執すれば独善的マニアックになり、スタイルだけに拘れば物の本質を見失う。文脈を知りバランスの取れた選択が必要だ。

物が語り合う様に時には削ぎ落とし、時には多くを組み合わせる事で物同士は雄弁に語り合い効果を発揮する。他では目にする事の出来ないシルバーアクセサリーを軸にして編み出されるスタイリングは、物を語り合わせる様にREFUSEに並ぶ数多くのアイテム同士を組み合わせる。文脈を辿りながら崩し再構築してシルバーアクセサリーの新しいスタイルを探究するスタイリング・プロジェクト「RUMBLE」。

RUMBLE-009

機能性や便利さとかを追求していくとファッションはどんどんと削ぎ落とす方向かどんどん付け足していく方向かの二極になるんですが、最近のファッションはスポーツミックスの流行りもあってか削ぎ落としてミニマムになってますね。それはそれでシルバーアクセサリーが映えるスタイルにもなるんですが、動き易いからと言ってもジョガーパンツにウォレットチェーンは合わせ難いですよね。

動き易さや携行性だけを考え出すとファッションはどんどんツマラナイものになっていってしまうので、なんとか良いトコ取りしたいのが多くの方の本音の様な気がします。そこで今回のRUMBLEで推奨するのは、やっぱりワークスタイルです。もともとワークスタイルは現場仕事を考えて生み出されているので動き易さは当然ですし、タフでシルバーアクセサリーを合わせると男の色気も醸し出してくれますよ。

ワークスタイルって聞くとついつい“アメカジの王道”的な501とワークジャケットの野暮ったさが売りのスタイルに、何故だか値段の高いインディアンジュエリーとかヴィンテージアクセサリーを合わせる事を想定してしまいがちですが、現在のアメリカ西海岸でもそんな人ってあんまり見掛けなくて、ある意味でコスプレに近いんじゃないでしょうか。日本人には日本人に合うアメカジを考えて王道のヒストリー的な部分は大事にしつつ現在のスタイルを構築したいものです。

季節の変わり目みたいなのが四季が在るだけに日本の場合は多いんですけど、それだけにTシャツぐらいしかオールシーズンで活躍してくれるアイテムって無い気がしてきちゃいませんか?特に最近は昼間は暑いのに夜になると涼しくなってきて日によっては肌寒いぐらいなのが厄介な季節になってますよね。

オールシーズンとまではいかないんですが季節の変わり目に活躍してくれて、着ても脱いでも軽くて煩わしくなり難いウィンドブレーカーは1着は持っておきたいアイテム。なんですけど・・・・、シルバーアクセサリーとの相性を考えると合わせ難く考えてしまったりしませんか? 

スタイルの構築って“見せる”事だけを考えない方が良いんです。上着の裾とか胸元から少し覗く位のバランスがグラフィックの強いウィンドブレーカーには合いますね。随所に着けたシルバーアクセサリーをウィンドブレーカーで包み込む様に上半身を覆っておく事が邪魔にもならない着けこなしで程良いアクセントになります。

ワークスタイルと言ってもやっぱりヘッドアイテムとブーツには拘って頂きたいですね。上下のに拘りを見せてスエードのシックな雰囲気を加えておく事でワークスタイルと合わなそうなシルバーアクセサリーも上手く繋いでくれます。スタイルの構築で重要なのは如何にアイテム同士を繋ぎ合わせていくか?と着けこなしなんですよ。

前ボタンを開けて腕捲りした状態だとシルバーアクセサリーを着ける数や配置の重要性がより顕著になります。これで平凡なキャップやスニーカーだとシルバーアクセサリーの存在がチャラい感じになりがちですし、ウィンドブレーカーの軽さが単純に軽いトップスで終わってしまって、VANITASの様に繊細でアンティーク調のアイテムを組み合わせたこのスタイルでは活きてこなくなっちゃいますんで。

レイヤードで着けたネックレスや纏めて着ける事で存在感を増すバングルやスカルリングは全てVANITASの物です。モードやアルチザン系の印象が強いVANITASは西海岸系のアメカジであるANOTHER HEAVENのアパレルとの相性では避けてしまいそうなアイテムですが、グラフィックTシャツ等をインナーで合わせるよりも、シンプルだけど一癖あるSCHAEFFER’S GARMENT HOTELのTシャツを合わせる事で全体の雰囲気をグッとランクアップさせてVANITASとANOTHER HEAVENを上手く繋ぎ合わせてくれます。

ウィンドブレーカーを脱いでTシャツだけにしてみるとより顕著にワークキャップとブーツの重要性が解りますね。ウォレットチェーンと合わせた左手のブレスレットも右手のバングルとの対比でバランス良く際立ちますし、シルバーアクセサリーを多目に身に着けるこのスタイルではやっぱり小指に大き目のリングを着けている事で全体の重みが格段に良くなると思います。

このスタイルで重要なのはもう一つ。ペインターパンツのロールアップとウォレットチェーンを着ける位置です。フロントにフックパーツの位置を合わせてしまいがちなウォレットチェーンですが、トラッカーウォレットの様にレザーのキーフォブを組み合わせてサイドの位置で着ける事でチェーンの印象に変化を加えてくれますし、少しルーズに履きこなしてロールアップしたペインターパンツとのバランスが良くなります。こうすると若かりし頃に買った「十三」のキーフォブも活きてくるでしょ?

ファッションの変化って目紛しい部分もあるし変わらない良さもあるしで、昔の流行りが再浮上してきたり自分の中でもリバイバル的な事もあるかと思います。昔好きで身に着けてたシルバーアクセサリーが今の服装と合わないからって放置してしまうよりも、新しい合わせ方とスタイルで楽しんでみて下さい。

[STYLING ITEM]

ワークキャップ:Loud Style Design¥50,000- コーチジャケット:ANOTHER HEAVEN¥15,000- Tシャツ:SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL¥9,500- ベルト:ANOTHER HEAVEN¥38,000- ペインターパンツ:ANOTHER HEAVEN¥18,000- ブーツ:Loud Style Design ¥200,000-(+TAX)

ペンダント:Vanitas VH-106 ¥22,000- ネックレス:Vanitas VN-003 ¥52,000- 左手小指リング:Vanitas VR-021 ¥20,000- 左手ブレスレット:ANOTHER HEAVEN AHB-003 ¥75,000- 右手バングル:Vanitas  VBG-005-SV ¥28,000- 右手バングル:Vanitas  VBG-005-BS ¥15,000- 右手薬指リング:Vanitas  VR-010 ¥38,000-  ウォレット:ANOTHER HEAVEN AHW-003¥38,000- ウォレットチェーン:ANOTHER HEAVEN AHWC-001 ¥175,000-  キーホルダー:JU-ZO ¥8,500-

※表示価格は全て税抜き価格となります

 

ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY・GARAGE REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

GARAGE REFUSE

東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972

 

ONLINE STORE

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more