WELL-BEING Act:005 ANOTHER HEAVEN

人付き合いと同じ様に服やアクセサリーとの付き合い方も長い間慣れ親しんでしまったからこそ見えなくなっている部分や考えなくなっている事があったりしませんか?確かに定番の遊び方や着こなし着けこなしを持つ事は自分のコンディションを測る上でも重要な指標になっていたりします。でも逆に長く付き合っているからこそ見落としたり関係性が解らなくなったりもしてたりするもんじゃないですかね。

シルバーアクセサリーの場合、意識してか無意識にか?は別にしても、身に着ける物としての必要性の無さが大きいのに対して必要性を見出す事で関係性を築くのが第一歩で有る事が殆どで(婚約や結婚指輪、宗教的な場合は別ですが)その場合って見出した“必要性”に“必然性”を重ね合わせてしまう人が多い気がするんです。つまり選択肢の順番が「モチーフやデザイン性→サイジングや着けこなし」の順番になっていて、其れは好みの部分なので間違いでは無いんですが繰り返していると着け方や合わせ方を考えなくなってしまったり、経年と共に変化していく自分のコンディションを見落としてしまう事に繋がり易いんですよ。

「そんな余計な事は関係無いっ!好きな物は好きだから良いだろっ!!」って方には余計なお世話でしかない、身に着ける人と着る服と着けるシルバーアクセサリーの関係性を探究し考察していくプロジェクト「WELL-BEING」。自分が好きで身に着けていく、その為に満足なコンディションの基本となる着けこなしをブランドやライン、ボディパーツやアイテムカテゴリー毎に紹介していきます。

Act:005 ANOTHER HEAVEN  Pendant

コレクタブルな嗜好って誰でも大なり小なり持っているものですし、ついつい刺激され易くもなっちゃう部分だと思うんですよね。何の世界にも業界にもコレクタブルどころかマニアックになる人達は存在しますし、正直なところシルバーアクセサリーの世界って、そう言う人達を刺激して買わせるだけ買わせて着けこなし方の基本も紹介しない連中が多いのも事実です。

生活様式やファッションが移り変われば価値観も変化して当然ですから、シルバーアクセサリーに於いても同じアイテムを変化する自分のコンディションや、細かく言えばシーンに合わせて着けこなしを変化させたりアイテムをチェンジしてみるのも楽しみの1つですし、寧ろそういった楽しみ方を提案していくのがブランドやSHOPの義務でもあると思うんです。特に、提案するのに直接SHOPに足を運んで貰ったり、雑誌媒体等を使わずにWEBサイトやSNSを誰でも活用出来る時代となった現在ですからね。

そんな訳で今回も行ってみましょう。よくある質問「ペンダントを着けるならチェーンは何センチ?ペンダントのサイズで変わるの?」ペンダント選びとチェーン選びで迷ってる時に「好きな長さで」「お好きなサイズで」とか何センチでどのサイズでも「いや~っ、カッコいいっすよ!」とか言ってくる販売員の、おざなりなセールストークに頷いて支払済ます前に考えてみましょう。自分にとってのベストなサイズ、自分の体格、年齢・コンディションや服装と良い関係性になるWELL-BEINGなペンダントのサイズとチェーンの長さは何だろう?って。

勿論、1番良いのは自分のスタンダードなスタイルを持っていてシーン別で着けこなしや服との相性を把握している事ですし、自分の中で好みや価値観が定まっている事なのは当然ですが、それでもペンダントのサイズやデザイン次第で気分に合わせた着けこなしで楽しんでみるのも醍醐味です。今回は男性にとっては1番ベーシックな無地のクルーネックTシャツに対して細身の45cmチェーンと60cmチェーンでペンダントはどう見え方着けこなし方が変化するのか?をご覧頂きましょう。

このプロジェクト、いっつも前置きが長くなりがちで申し訳ないんですが先にチェーンの長さによる印象や着け心地の違いをザックリ説明させて下さい。日本人男性の平均的な体格ですと40cmは少し窮屈に見えクルーネックのTシャツだとネックリブ箇所に重なり合ってきてしまう事もあり、敢えて選ぶなら細身よりも太目のチェーンでチョーカーに近いスタイルやドッグカラーテイストのが合います。50cmの場合は少しルーズにしたい時には使い勝手が良いんですがペンダントのサイズによってはルーズさがチャラさを感じさせる印象に繋がる事もありますし、シャツ等を合わせた時に(以前にこのプロジェクトでも解説していますが WELL-BEING Act:002)前立てボタンの留め位置に注意した方が良いでしょう。さて、そんなチェーンの長さによる印象の違いですが、今回は日本人男性の平均的体格だとストレートに着けこなせる45cmと60cmを選んで解説していきます。

45cmの方は、40cmだとタイト過ぎて50cmだと少しルーズに見える其の中間でビシッとペンダントをどのサイズでも程良く見せてくれる長さで、頸窩(胸骨上部の凹み)辺りにペンダントのチェーンを通すバチカン等の上部が掛かってくる長さ、つまり首を上下に振るアクションで顎が掛からない程度の顔とのバランスが良い位置にペンダントが見えます。そしてシャツやダブルのライダースジャケットの首周りの開き具合とバランスが丁度な良さを発揮する長さでもあります。

60cmになるとルーズさよりも着けこなしてる感が増してきますね。45cmでの定番的な着け慣れてる感よりも少し余裕を持って着けこなしていきたい場合やレイヤードで他のペンダントと合わせて楽しむ場合にもお勧めですし、胸骨にしっかり乗る位置にくるのでルーズさも感じさせつつ人体の正中線上では安定感の有る位置になり、ワンボタンのテーラードジャケットやシャツの前立てをフルオープンにした時に合わせ易さが抜群です。

長い前置きで申し訳ございませんでしたが、これでチェーンの太さや形状まで含めて説明していくと前置きだけで2万字ぐらいになってしまうので45cmと60cmの違いを説明し終わったところで、ペンダントのサイズによる印象とチェーンの長さによっての着けこなしの違いを見ていきましょう。

 

Coin type pendant  Size : H27 x W18mm  AHH-001

ペンダントのサイズが小さく平面的なデザインで丸い形状、所謂コインタイプのロゴを刻んだシンプルなデザインだけにチャームとも言われるぐらいのサイズなんですが、45cmで合わせてみるとやはり定番的に着け慣れてる感が強く出てきます。人間の視線誘導的な側面で考えると、顔に視線が行き易い(まぁ、男性の場合は女性を見る際にちょっと違った方に視線が行ってしまったりもしますが....)そんな人の視線が向けられる位置に近い事を考えると、顔の印象でギリギリ存在感が無くならないのがこのペンダントのサイズですし、40cmのチェーンだと存在感は更に薄くなってしまいます。

対して60cmでの着けこなしとなると良く言えばサラッと着けこなしてる感はありますが、悪く言えばペンダント単体としての存在感は薄くなる印象。視線が45cmの場合は顔との位置関係でペンダントが見えてくるのとは違って、上半身全体に対しての位置関係に変わってくるのがチェーンの長さと相俟ってペンダント自体の印象を薄くさせるのが原因ですが、印象的にし過ぎずにペンダントを自分にとってのお守り的な要素で身に着けていく場合やシャツやジャケットに軽く合わせるには良い位置なんじゃないでしょうか?

 

Bone praying hands pendant  Size : H37 x W21mm  AHH-009

モチーフがしっかりしていて立体的なペンダント。先程のコインタイプとは違いデザイン的に癖があってモチーフやデザイン先行で選びたくなる様なタイプですが45cmでの際立ち方がこのサイズのペンダントにしては強くなりますね。やはり立体的なデザインになってくると存在感は増してきますし、顔との位置関係でも立体的な方が視線誘導は強くなるので、歩いてる時やふと顔を上げた瞬間のアクションで揺れ動く様にフォーカスを合わせたくなるサイズ。ベーシックな無地Tシャツとの相性が良く目立ち過ぎず薄くならずな位置とサイズでしょう。

余裕を感じさせるルーズさってシーンに合わせて必要だなって思わされますよね。“外しの美学”みたいな、敢えて選ぶ事で選べるだけの余裕や経験値を感じさせる着けこなしってシルバーアクセサリーで言うとアイテムの主張を弱くする事だと思うんです。このペンダントのサイズに対して60cmのチェーンを合わせると、モチーフやデザインを鑑みても余裕を感じさせるルーズさが印象に残ります。45cmも60cmもクルーネックの無地Tシャツに合わせた際にこのサイズのペンダントだと、主張が強くなり過ぎず存在感が薄くなり過ぎず最もデイリーユースで着けこなし易いと思います。

 

ONE plate pendant  Size : H49 x W25mm  AHH-004

このサイズになってくるとペンダントの主張が一段階上がってきますね。シルバーアクセサリーが好きな人たちにとっては、ここからが本番ぐらいのサイジングになってくるんじゃないでしょうか?45cmでの印象はプレートタイプに近い凹凸で立体感よりも平面的なだけにペンダントとしてのデザインが一目で判り易く、身に着けている人の趣味趣向が色濃く出てきます。胸元でのバランスを考えると程良い主張をさせたいシーンやコーディネートではヘアーセットだったりハットとの相性を考えながら組み立てていく楽しみ方なら45cmでの着けこなしがお勧めのペンダントサイズ。

60cmでの存在感が45cmと明確に差を出してくるのがこのペンダントサイズぐらいからではないでしょうか。45cmでの着けこなしが顔周りやヘッドアクササリーとの相性を楽しみつつトータルコーディネートを組み立てるのに対して、腕周りのアイテムとの相性やサイズバランスを考えながらトータルコーディネート楽しみたくなってくる60cm。このペンダントのサイズはシルバーアクセサリーを多数身に着けていくのに全身のアイテムとのバランスが組み立て易く、それは60cmで着けこなしてみると顕著になってくるかと思います。腕を下ろした際の立ち姿で、ペンダントの位置と左右の腕周りとの頂点で結んだ三角形が45cmだと縦に長く60cmだと正三角形に近くなるバランスなので、どちらの位置の方が腕周りに影響してくるかが理解し易くなってくるサイズのペンダントはこのサイズぐらいからです。

 

Razor plate pendant  Size : H60 x W27mm  AHH-012

プレート状でありながら特徴的なデザインのカッティングでモチーフとしても主張の強いペンダントとなってくると、ここからはもうファッションにも自己の拘りが強いかシルバーアクセサリーが好きである以外に考え難いサイズ。45cmで着けこなした時の存在感は身に着けている人のキャラクターを表すのに充分な印象の強さと無地のTシャツというシンプルでベーシックなアイテムで着けこなしているからこそ際立つシルバーアクセサリーの良さが存分に発揮されますね。これがヘヴィメタとかの濃口のTシャツに合わせてだと(ソレはソレで格好良いんですが)ペンダント単体の良さは少し沈みがちになってしまうでしょう。このサイジングになってくると45cmでもトータルコーディネートでの主役になってきますし腕周りや腰回りのアイテムとのバランスによる組み立てが更に楽しくなってきますよ。

モチーフやデザインの良さで身に着けたいとは思うけれど主張の強さが気になる方には60cmでの着けこなしがお勧めになってくるのもこのペンダントサイズからの特徴でしょう。別のペンダントでも説明させて頂いた通り、顔に近い45cmの方が視線誘導的に主張は強くなりがちなんです。このサイズに限らず顔や首周りは正面から見た際に人体の面積的にも背景とのコントラストが強くなりますので際立ち易いんですよ。つまりフォーカスを合わせ易くなるので、ちょっとしたアクションの中でもペンダントは目立ってくる訳です。対して60cmになると位置的に正面から見た人体の広い面と背景とのコントラストにバランスが変わりますから見え方や印象は変化して、サイドから見た時にも程良い主張を持った見え方を持つ様になるのはこのペンダントサイズぐらいになると顕著になりますね。45cmと60cmそれぞれの良さを写真的な言葉で言い表すなら“寄りでの格好良さ”と“引きでの雰囲気の良さ”そんな違いになると思います。

 

Eagle dagger pendant Size : H80 x W25mm  AHH-013

45cmと60cmで着けこなした際の違いを挙げるならば胸板の厚さが大きく影響してくる事を説明しておかないといけないですね。胸骨や肋骨の張り出し方や筋肉量の違いは個人差が大きいですし年齢と共に変化もしていきますが、このペンダントサイズになってくると縦幅が長くなるだけに45cmで身に着けると必然的にペンダント自体は上方向に少し傾きます。ほんのちょっとの傾きではあるんですが、平面的なデザインであっても生じる立体感は印象を変化させますし、アクションの中での見え方は小さいサイズのペンダントと比べると強さと拘りの質が違います。それは無地のTシャツでも顕著ですがフォトTやグラフィックが描かれたTシャツに限らずシャツやジャケットを合わせてみても揺らがない主張の強さを与えてくれます。

落ち着きのある印象はしっかりとした重量感を安定した位置に据える事で生じるものです。このサイズのペンダントになると、アイテム自体と身に着ける人との長い関係性を約束した様な雰囲気さえ持たせてくれますから、落ち着いた印象の着けこなしも当然ながら楽しんで頂きたい。60cmで着用してみると45cmでのガッチリした主張の強さを残しつつ傾きの少ない安定感が楽しめます。このサイズのペンダントですと、45cmでも60cmでも腕周りのアイテムにヘヴィな物を選んでフロントをフルオープンにした淡いブルーのデニムシャツを合わせつつ、重心を下に置くコーディネートで纏めながらヘッドにはブリムの広いハットを乗せると、ヘヴィなシルバーアクセサリーとファッションのバランスが1つのスタイルとして構築されていきます。是非、自分のコンディションとの相性を試しながら楽しんで頂きたい。さぁ、それでは最後に全てのペンダントサイズでの比較をご覧頂きましょう。

Coin type pendant  Size : H27 x W18mm

 

Bone praying hands pendant  Size : H37 x W21mm

 

ONE plate pendant  Size : H49 x W25mm

 

Razor plate pendant  Size : H60 x W27mm

 

Eagle dagger pendant Size : H80 x W25mm

 

今回は解り易くクルーネックで無地のTシャツと腕周りのアイテムを変化させずにチェーンの長さによってペンダントの印象や見え方の違いを、ペンダントサイズごとに解説してみましたが如何だったでしょうか?自分の好きな物を自分の好きな様に身に着ける自由と自己表現がシルバーアクセサリーやファッションの醍醐味である事は間違い無いんですけど、日常生活には本来、必要不可欠では無いだけに自分にとっての必要性を見出しただけで自分との関係性を築いてしまいがちなシルバーアクセサリー。本来は「何か良いじゃん」とか「何となくカッコいいよね」ぐらいで良いのかもしれませんが、その「何」を探究して考察を重ねて行くのがシルバーアクセサリーを扱う側の責任ですし、身に着ける人とシルバーアクセサリーにとっての良い関係性ではないでしょうか?

必要性は感情や欲求によって生じますけど、必然性は着用の仕方によって生じます。必然性が生じる“どう着けこなしたいか?”の為に生じる必要性の方向からシルバーアクセサリーとの関係性を築いてみるのも楽しいかと思いますし、身に着ける人とシルバーアクセサリーにとって良い関係性の1つではないでしょうか?そんな関係性がシルバーアクセサリーが好きな貴方のWELL-BEINGに繋がっていくと思います。

 

[STYLING ITEM]

左手中指リング:AHR-006 ¥25,000- 左手レザーブレスレット:AHLB-002  ¥15 ,000- 右手ブレスレット:AHB-001  ¥25 ,000-

ペンダント:AHH-001 ¥10,000- :AHH-009 ¥18,000-:AHH-004 ¥28,000-:AHH-012 ¥36,000-:AHH-013 ¥55,000-

(全て ANOTHER HEAVEN)

*ペンダントは着用順の表記となります

*表記の金額は全て税別価格となります

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more