カスタムで広がるシルバーアクセサリーの可能性

既製品を元に自分好みにカタチを変貌させる行為自体はファッションに限らず世に出回っている製品の殆どで行われている事ではあるが、シルバーアクセサリーに限って述べるとすれば代表的なのはやはりクロムハーツという事になってくるだろう。ピンズやワッペンで彩られるように様々な手法でカスタマイズされたアメリカンヴィンテージに限らず、ロンドンパンクに代表されるD.I.Yで鋲打ちされたライダースジャケット等、要所要所にシルバーアクセサリーを取り付けてカスタマイズされたモノはクロムハーツの発足以前も少なく無かったが、90年代初頭に登場したクロムハーツのカスタムが斬新だったのは、付属のすべてをシルバーにしブランドの様式美を(バランスの良さはさておき)これでもかと散りばめた点だろう。

クロムハーツの登場によって触発された多くのクリエイターが同じ様に既製品に対してのカスタマイズを行う様になりだしてから30年近くが経ち、今となってはその手法がセオリーとして根付いている程になったが、Loud Style Designが今回のSPEED SPECTERで見せたカスタムは、そのセオリーを打ち破り新たな可能性を広げたと言っても過言では無いだろう。

Loud Style Designの歴史を振り返れば多くの既製品に対するカスタマイズを見る事が出来るし、その中にはやはりクロムハーツ的なセオリーを踏襲したスニーカーというジャンルが無かった訳ではないのだが、GEORGE COXとのコラボレーションやDr. Martensのアート展への出品、RED WINGのエンジニアやCHIPPEWAのファイヤーマンをベースにしてのカスタム等、どちらかというとフットウェアに関してはスニーカー以外を選んでクリエイトしてきた事がよく判る。

「ブランドを再定義する」という今回のSPEED SPECTERでの旅が、今までに培ってきたテクニックとセンスをスニーカーのカスタマイズに向わせたであろう事は想像に難くないが、注目すべきはシルバーアクセサリーを用いてというジャンルだけでなくファッション業界全般的に於いても、CONVERSEというオーソドックスなスニーカーに対して存在するカスタムのセオリーを打ち破って全く新しいカタチでブランドのスタイルを打ち出した点であるが、今回紹介しているアイテムのリリース後、更に新たなカスタムが2パターンリリースされた事からもブランドの振り幅の広さを感じずにはいられない。

積み重ねた経験と技術は様々な素材を使用して多くの逸品を生み出す事に成功するだろう。だが、革新的なアイテムというのは経験と技術という言わばネジや釘だけでは成り立たず、磨かれたセンスとアイデアという柱があってこそカタチを成す。そして、革新的なアイテムは必ずそのジャンルの可能性を広げていくのである。

 

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MOTOR CYCLE、HOT ROD、ROCK N’ ROLL、PUNK、HEAVY METAL、LOUDと称されるカルチャーに共通する美学や哲学。そこに在る言葉では表せない衝動、心を突き動かし続ける真実を掴み取る事で生み出されるプロダクト。
造型物としての美しさを追求し、身に着けた人のスタイルとなるアイテムを自分達の手で製作する事を根幹とし、LOUDなSTYLEをDESIGNする事で創り続けるのは、深く刻まれる生き様や思想と重ね合わせ身に纏う真実。一つの真実が、手にした誰かのストーリーになりスタイルとなる。

Loud Style Designの全ては、銀という素材を直接加工する事で創り出す原型に端を発し、想像を創造へと進化させる技術を研鑽し、装像を送像する為のアイデアを練る事で転がり続けながら、不変のバランスに独自のストーリーを刻み、流れ去って行くデザインでは無く、永く在り続けるデザインを生み出す。