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ブランドの20周年を迎えるにあたって「XOX」というプロジェクトで2020年を彩ったLoud Style Designだが、一旦の冷却期間の様に2021年になってからの三ヶ月は新たなアクションのアナウンスも無く、状況を静観しているかの様に感じられた。

こうしたブランドの状態が世界的なパンデミックに陥ったCOVID-19によるものなのは今更語るまでもないが、多くのブランドがコレクションやランウェイの仕組みを根底から見直しアクションを変化させている現在に於いては、マインド自体すら変化させてしまっているブランドが少なく無いのも事実だ。

Loud Style Designとしてはブランドの20周年を迎えるにあたってコレクションの見直しとエキシビジョンの開催を予定しているが、そんなブランドのスケジュールに対する予告編的にヴィンテージブーツのカスタムによる今回のアイテムが用意されたのがLoud Style Designらしい。

フォルムやカッティングがアイテムのベーシックな部分としてデザインを支えていくのが基本であるとしているLoud Style Designにとっては、特定のモチーフに頼らずに創り出すバックルはブランドにとって現在のマインドを映し出すには丁度良い試金石と言ったところだろうし、ブーツのカスタマイズを進めてスタイリングの幅を増やす意味でも重要だとでも言いたげだ。

これは当然ながらと言うより他にないが、同じバックルパーツをヘアーカーフを使用したレザーブレスレットとしてもリリースされる事が決定しており、今まではUKサドルレザーやパイソンで彩られてきたブランドのバリエーションに新たなマテリアルが加わる事になりそうだし、フォルムとカッティングに重点を置いたシルバーの質感を身に着けて楽しむ意味ではレザーブレスレットが最適ではある。

変化してしまわない為に変化し続ける事の難しさ、そしてその中でも失われないマインドの重要性。シルバーアクセサリーの本懐となればどうしてもリングやペンダントになりがちだが、バックルによる存在感が抜きん出た今回のアイテムで、先ずは予告編的にLoud Style Designとしての現在を垣間見させてくれている。

 

MOTOR CYCLE、HOT ROD、ROCK N’ ROLL、PUNK、HEAVY METAL、LOUDと称されるカルチャーに共通する美学や哲学。そこに在る言葉では表せない衝動、心を突き動かし続ける真実を掴み取る事で生み出されるプロダクト。
造型物としての美しさを追求し、身に着けた人のスタイルとなるアイテムを自分達の手で製作する事を根幹とし、LOUDなSTYLEをDESIGNする事で創り続けるのは、深く刻まれる生き様や思想と重ね合わせ身に纏う真実。一つの真実が、手にした誰かのストーリーになりスタイルとなる。

Loud Style Designの全ては、銀という素材を直接加工する事で創り出す原型に端を発し、想像を創造へと進化させる技術を研鑽し、装像を送像する為のアイデアを練る事で転がり続けながら、不変のバランスに独自のストーリーを刻み、流れ去って行くデザインでは無く、永く在り続けるデザインを生み出す。