INTERSECTION -ISAMU KATAYAMA BACKLASH- Vol:02

理由と事情。言葉として理由と事情は似た種類になるが、クリエイティブとビジネスの関係に当て嵌めてみると違いの面白さを感じたりするものだ。クリエイティブが個人的理由によって為されるのに対して、ビジネスは会社事情によって左右される。何もその限りとはならないが、理由は内的な物で感情や倫理が働く。しかし、事情は外的なもので要因と打算に動かされる。クリエイティブをビジネスに乗せようとした際に起こる齟齬は、大概が理由と事情によってだろう。さて、この理由と事情は物事が継続する際にも何かが作用するのだが、「ISAMU KATAYAMA BACKLASH」と「Loud Style Design」のコラボレーションが継続するのに作用したのはどちらだろうか?

2023年からスタートしたコラボレーションは、当初からシーズンを跨いで継続する事が想定されていたそうだが結果が悪ければ当然継続しない。以前の記事(INTERSECTION -ISAMU KATAYAMA BACKLASH- Vol:01)でも紹介した2月のBACKLASH展示会でリリースされたコラボレーションアイテムでは「Loud Style Design」サイドの稼働を大きくしたアイテムラインナップ。その結果を受けて今回のコラボレーションアイテムをどうするべきか?を決め込んでいったという事だろう。つまり、結果が次への理由となって物事は継続している訳だが、ここでビジネス面での結果としてセールスを重要視するのがセオリーではあるし、其れは事情として作用する。本来であればそのセオリーから外れない程度のバランスで次を考えるのだが、片山氏と高蝶による企画会議の内容は相も変わらず「何をやってみたいか?」「何をやったら面白いか?」が殆どであったとか。両者の個人的理由に重点が置かれる内容の為、事情を優先させなければならない周囲のスタッフが困り続けるのも今では通例の様だ。

お手並み拝見と言う訳でも無いだろうが2月にリリースされたアイテムラインナップがシルバーアクセサリーに限定されていたのに対して、今回のコラボレーションアイテムではレザーがメインとなる「ISAMU KATAYAMA BACKLASH」のアイテムに対して「Loud Style Design」のパーツを付け加えていくアイテムに比重を寄せている。レザーに両ブランドのロゴを大胆に遇らったキャップやウォッシュ加工によって独特の表情を醸すウォレット。どちらにも新たに創り出されたにシルバーパーツを特徴的に合わせ、そこから派生したクロスのピアスを見ても先への展開が感じられそうなラインナップ。

両ブランドの得意分野を組み合わせる事が今回のコラボレーションに於けるベクトル。そう感じる事からも解る様に、このコラボレーションには継続するだけの理由が両者に在るという事なのだろう。まだまだこれからも楽しませて貰えそうだ。

 

ISAMU KATAYAMA BACKLASH

https://www.backlash.jp

 

MOTOR CYCLE、HOT ROD、ROCK N’ ROLL、PUNK、HEAVY METAL、LOUDと称されるカルチャーに共通する美学や哲学。そこに在る言葉では表せない衝動、心を突き動かし続ける真実を掴み取る事で生み出されるプロダクト。
造型物としての美しさを追求し、身に着けた人のスタイルとなるアイテムを自分達の手で製作する事を根幹とし、LOUDなSTYLEをDESIGNする事で創り続けるのは、深く刻まれる生き様や思想と重ね合わせ身に纏う真実。一つの真実が、手にした誰かのストーリーになりスタイルとなる。

Loud Style Designの全ては、銀という素材を直接加工する事で創り出す原型に端を発し、想像を創造へと進化させる技術を研鑽し、装像を送像する為のアイデアを練る事で転がり続けながら、不変のバランスに独自のストーリーを刻み、流れ去って行くデザインでは無く、永く在り続けるデザインを生み出す。