FAYDE 2nd collection

頭の中に浮かんだイメージ/感覚をそのまま脳内で言語化する場合と画像として描く場合、一般的にその二つに別れる。得意不得意もあるが、人に伝えようとした場合には言語化が主だろう。これは人間が言語を用いてコミュニケーションを取る社会形成を辿ったからであり。例外として音や映像として浮かんで他者に伝える為に作品にしたり、言葉だけで無く小説や彫刻等で具現化させたり肉体で描く人もいる。

作品とはイメージや感覚の具現化であるし、人を惹きつける作品には明確なテーマが設けられるか具現化した本人も知らずにテーマが内包されている事が多い。何故、そうなるのか?結局のところ言葉でコミュニケーションを取る事の多い人類にとっては、具現化されたイメージが何を表しているのか?を理解させてくれる言語化し易いストーリーを求めるからだ。それだけに表現する側はイメージの軸として言語化し易いテーマを用意する。謂わば制作する為に必要なシナリオの軸みたいなものだ。

ブランド発足のファーストコレクションから約一年を経てのFAYDEによるセカンドコレクションは、アラベスクやアカンサスと言われる様なレリーフを多用してのアイテムが際立つ。プレーンなボディにレリーフが乗る感じだったファーストコレクションとは違い。ボディとレリーフとを絡み合わせながらフォルムを形成するアイテムバリエーション。荘厳さを感じさせながらもシンプルな纏まりをみせるバランスとサイジングにはFAYDEらしさが確立されてきた印象を受ける。セカンドコレクションをリリースするのに紆余曲折あって1年近く掛かったそうだが、纏りの良さと表現域の広がりは掛かった時間が無駄でない事を感じさせるだろう。

「コレクションテーマを決めるのでは無くモチーフを偏らせる事での整合性」がディレクターである小形健文がイメージしたセカンドコレクションだったそうだが、逆にその偏りがコレクションにテーマ性を感じさせているから不思議と言わざるを得ない。テーマを設けない事がディレクターとして怠慢であるかどうかは結果によって左右されるだろうし、結果がテーマを導き出す事も考え合わせれば、現在のFAYDEがまだまだ発展途上である事は間違い無い。それでも、今回のコレクションによってブランドとして確立される新たなフェーズに踏み入れた事は付け加えておくべきだろうし、身に着ける楽しみを存分に味合わせてくれるコレクションとなっている。

 

FAYDE
Instagram:fayde_official

*FAYDEのアイテム取扱いは「ANTIVIRAL」閉店に伴い「GARAGE REFUSE」にてご覧になれます。

GARAGE REFUSE 東京都江東区森下1-11-7 TEL:03-6240-2972

 

 

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。