INCARNATION 10th COLLECTION in LOOM OSAKA

物の魅力とは何だろうか?言葉で言い表せないからこそ魅力がカタチとして存在しているとは言うが、そのカタチが魅力を持つに至った経緯や発生源は何だろうか?そんな事を日々の取材や撮影の時に考えてしまう事があるのだが、この日もそんな考えが頭の片隅に居座っていた7月某日。

「INCARNATION」の10周年コレクションを披露するイベントが「LOOM OSAKA」で開催されているとの事でお邪魔させて頂いた。「LOOM OSAKA」店内の半分以上を埋め尽くす(それでもラックから溢れそうな程の)コレクションとアーカイブの数々は、「INCARNATION」というブランドがどれだけレザーによる物創りと真摯に向き合ってきたかが伺える内容だったが、これだけのアイテム数にしても全てではなく「LOOM OSAKA」によるセレクトでの展示だと言うから驚きだ。

原皮の状態から鞣しや染色といった工程をクリエイター自らも行う事が、イメージしたカタチへと構築していくのに一番の方法であり、納得を得る為の手法だと理解しているからこそ拘りが派生する。その拘りが投影された仕様もカラーにしてもバリエーションが豊富な「INCARNATION」のアイテムだが、素材としてのレザーを如何に加工していくか?というベクトルと、ファッションとしてのレザーアイテムの重要度を示すデザイン性の追求が膨大な数のコレクションへと昇華されている。

物の魅力が言葉に出来ないのは、言葉にしてしまえば魅力に対して余りに陳腐にしかならない。いくら言葉を重ねても物の魅力に言葉が達しない事は、物創りに励む事で魅力を派生させているカタチを理解するには、身に着ける以上の方法は存在しないのと同じ事だ。物の魅力が、長い時間を自分の納得を理解して物創りに従事する創り手の拘りから生まれる事が多いのは、このイベントで並べられたレザーアイテムと来場した人達の表情から感じ取る事が出来た。きっと身に着けてみれば感じるだけでなく誰もがこの魅力を理解出来るだろう。

 

incarnation【インカネーション】http://www.incarnation.jp

取材協力:LOOM OSAKA  http://loom-osaka.com

 

人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?

新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。