5th GENERATION’S MOVEMENT

これまで「SEVEN’S MAGIC」として展開していた店舗をリニューアルし、DUAL FLOW / LEGIO MADE / ABILITY NOMALの3ブランドが主軸になって「HORIKIRI」としての新たなスタートを切った。各々が独自の活動を展開しながらチームとしてのアクションを見せ、アジア圏での活躍も目紛しいシルバーアクセサリー業界で言うところの“第五世代”にあたるクリエイター達による活動や想いを語って貰ったインタビューを3回に別けてお送りする。

01: Legio Made

 

— 6月2から行われる展示会はリニューアルして「HORIKIRI」としては、こけら落とし的なLegio Made単独の展示会との事ですが、今年のイベントは他にも決まってるんでしょうか?

小熊:先ずは今回の展示からですが、その後も7月に杉山君(Dual Flow)と佐藤君(Ability Normal)との合同で上海でのイベントがありますし、9月にも三人で香港でのイベントがあります。10月にはブランドの10周年を迎えるので、ギャラリー白線で単独での展示を予定してますね。年内という事であれば12月にタイの「HORIKIRI」でもポップアップを行いますが。

— タイの方でも同じ「HORIKIRI」というネーミングでSHOPをオープンさせてますよね。最近はアジア圏での活動が顕著になっていますが、日本国内に比べてアジア圏でのシルバーアクセサリーに対する熱量の違いみたいなモノは感じますか?

小熊:僕はまだ単独でのイベントを台湾でしかやった事が無いんですが、現在の状況を見て思うこの先の推移としては、コレクタブルな買い方のお客さんになっていくのかな。僕のブランドの特色かもしれないんですが、コレクター的な志向の印象は受けますね。

— ブランドの方向性や特色によって分かれるところではありますよね。勿論、アジア圏に限らずブランド側がどうイニシアチブを握ってリードしていくのか?にもよるんでしょうけど。

小熊:そうですね。国内よりも海外でのイベントが色々と固まってるスケジュルになっていて。そう言った点でも熱量の違いみたいなのは感じてる気がします。

— なるほど。タイトなスケジュールで動き回る事になりそうですね。控えている展示会での新作のテーマやコンセプトをお聞きしたいんですが。

小熊:今回はアイテムのフォルムやデザインが“反って”いる物が多くて、その「反る」という字の持つ反発や反骨、反芻するという事をコンセプトとしてデザインだけじゃなくて自分がやって来た事に対しての反芻だったりと、今年でブランドも10周年となるので繰り返しや見直す意味でも「反芻」がコンセプトになっています。

— “反抗”の様な意味合いも込められているんでしょうか?だとしたら英語的な表現で言うところの“RESIST”と“DEFY”のどちらになるんでしょう。

小熊:どちらかと言うと“RESIST”の様に攻撃的な反抗やマイナス的な意味合いを込めてはいないですね。

— では“DEFY”の様に抑え付けられている事への反抗や反発の意志は?

小熊:抑え付けられているという部分での捉え方だとしたら、反抗しようって意識はあるかも知れない。

— それはどんな種類の抑え付けを感じるんですか?

小熊:例えば、自分が今までクリエイトしてきた部分に対して、第三者から見た時に“ダークサイド”的な捉え方で固められてきてる部分に対してとか、その印象も勝手に僕が感じちゃってるだけかもですけど、そういった印象に対しての反し方やソコだけじゃない部分を出したい気持ちはあります。今回はフェザーをモチーフに多用してライトなイメージのクリエイションを見せていきたいと言うか。

— 幾つか新作を拝見させて頂いて感じるのは、ライトな表現というか初期の頃にあったベッタリと纏わり付く感じの陰湿な気持ち悪さやダークな表現から、前回リリースの新作ぐらいからラインの強い造形や表現に変化して、それは年齢や創り手としての暦を重ねた事でバランスが増えていってるからなのかな?という印象があります。

小熊:そうですね。その過去の表現と現在の表現が重なり合ってきた感覚が自分の中では在ります。

— 上手く重なり合ってきたポイントに達したところで、第三者に持たれてるであろう印象に反した表現をしている感じの解釈になるんでしょうか?

小熊:解釈ってなると・・・決め付けた感じで自分が持っていたく無いんですよ。前回の展示会でもそうだったんですが、見に来てくれた人が思わぬ解釈をしてくれたりとか予想外の意見を貰えたりするんで。それでハッとする自分がいるのも確かですから。

自分自身でも決め付けちゃうと他からの意見を楽しめないし、刺激を受ける幅が狭くなってしまうのでコンセプトを固定し過ぎないのが最近は良いと思っています。

— 少し造形的な話をさせて下さい。新作の幾つかを拝見したところで感じるのは、単純に画角を変えた事によって躍動感を出しているのではなく、全体のフォルムとしての躍動感の増した造形になっている印象です。

小熊:立体感のある造形を目指して始めた事が繋がってきてる感じですかね。彫刻のセミナーに通ったりしてアナトミー的な勉強を積んだ事が躍動感みたいなポイントには効いてるんだと。

— モチーフの角度を変えてとか、写真で言うところの被写界深度の様に厚みでの調整だけをする造形では無くて、フォルムその物のイメージを捉えて造形する。単純な様で難しいポイントですよね。そうした意識の変化だと過去の自分のクリエイションへの捉え方も変わりそうですが。

小熊:反芻して咀嚼してを繰り返して新しい物へと昇華させていけたらと言う気持ちと、10周年を迎える中で改めて今までのというか、所謂“昔の自分”のテイストに寄せていった物創り。リニューアルにも似た感じになるかと思うんですが、落ち着いた“今の自分”と勢いでやっていた“昔の自分”を重ね合わせた、自分の中でのコラボレーションみたいな事をやりたいですね。更に10年後にも同じ様な事を言って同じ様な事をやってるかも知れないですけど、内容は少しずつの進化と少しずつの新しさの積み重ねで変化していってると思うので。

 

 

Legio Made: http://legiomade.com

Legio Madeの新作展示会は6月20日より「HORIKIRI」にて行われます。

「反」というワードを念頭に置いての新たな展開をお楽しみください。

HORIKIRI:http://horikiri.official.jp

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