RUMBLE REFUSE STYLE -031

人は何かと法則やカテゴライズが好きである。物理法則は当然の事ながら数学や心理学には定理や法則が溢れ、星座や血液型に加えて干支や世代でのカテゴライズ。昨今では血液型診断の誤りが説かれるようになったらMBTIなどの新たなインチキカテゴライズが流行り出す。乱暴な物言いにはなるが、法則はあくまでも現状の人智で最も解に近い傾向であって物理法則ですら刷新を繰り返す。血液型診断やMBTIなどのカテゴライズは信憑性に乏しいのに信じる人達がいて下手すると差別的な意識にすら繋がる。それでも人は法則やカテゴライズが好きだし頼ろうとする。

勿論、物理法則の様に応用する事で社会や文明の発展に役立つ部分は大きいし、数学や心理学で解を求めるのに定理や法則は重要だ。大まかな傾向から解を導き出す手法はマーケティング然り、理を求める際に必要とされる。問題となるのは法則やカテゴライズを盲信して個々を捉えようとしない事だろう。一人の人間が個々の事象や個人個人を正確に把握し捉えようとするのは難しい。

例えば誰かと相対した際に年齢や性別・出身地や学歴・体躯や容姿でカテゴライズする。次に喋り方や所作に加えて価値観と趣味趣向から傾向を当て嵌めて判断する。このカテゴライズや判断の裏付けとして法則を持ち出す人もいれば血液型やMBTIなどを持ち出す人もいる。これは洞察力が深い人であるならば、洞察の補助として法則や傾向を参考にするだろう。ところが、洞察力を働かせない人であれば法則や傾向・カテゴライズを主軸として物事を考える。要するに事項の思考に楽をさせたい人程、法則やカテゴライズに頼ってしまう。情報量が個人の処理脳力を遥かに凌駕する現代ではこうした傾向は顕著だ。

さて、こうした傾向はファッションやシルバーアクセサリーの世界に於いても変わる事は無く、情報量が多過ぎるが故に選別するよりも流行やブランドと言った法則に乗る人達は多い。自分で何を軸とするかを決めるよりも「〇〇系」とカテゴライズされたコーディネートに寄せていく方が楽だ。それ自体はファッションやシルバーアクセサリーの楽しみ方として間違いだとは思わない。現在、流行っている物を楽しめるのは今だけの特権なのだし、現存する系統に自分を合わせていくのも楽しくはある。だとしても、自分のスタイルには譲れない軸や拘るポイントは持っていたいものだ。

流行り物は流行り物として認め、現存する系統がどんな文脈から派生しているのはを見極める楽しさは、単純に今だけを楽しむよりも深い楽しみを得られる。カルチャーやスタイルには必ず何かしらの軸が存在し、その軸があるからこそ身に着ける意味を見出せる。REFUSE独自のセレクトによって構成されたスタイリング「RUMBLE」では、人と物、物と物を繋ぐ為に必要なカルチャーを鑑みながらREFUSEだからこそのシルバーアクセサリーを軸としたスタイルをお見せします。

RUMBLE-031

流行り物って何で流行るのかを探ると流行った後で何と無くの答えは出てくるんですけど、何で流行りに乗りたがるのか?もしくは何で流行に乗りたがらないのか?にも心理的な法則とか効果があるんですよね。バンドワゴン効果とかスノップ効果とか人間心理の傾向に名前付けたら法則とか効果ってなっちゃいますし、そう言われると人って変に納得してしまうから面白いもんです。更に裏付けとして有名な心理学者とか社会学者の名前出して説明すると信じる人って多いじゃないですか?MBTIとかにしてもそうですけど、そんなに正確に診断出来るなら世の中ってこんなに荒れて無いんですよね。

法則とか傾向とかカテゴライズは理解を深めるのに補助的な役割をしてくれるだけで、軸にすると逆に認知に間違いしか起こらないんですよ。流行り物とかハイブランドで着飾ればセンスがあって格好良くなるなんて訳がないでしょう?自分のスタイルを軸として必要に応じたアイテムやブランドを選ぶからセンスを感じるし、文脈や背景を知るから拘ったり格好良さを感じるんじゃないでしょうか。

さてさて久し振りどころか1年ぶりなのに相変わらず長い前置きは終わりにして、2024年のREFUSEスタイル「RUMBLE」をやっていきたいと思います。今までも色々なスタイリングを紹介してきましたが、2024年の「RUMBLE」はヘヴィなシルバーアクセサリーアイテムが軸。他には無いシルバーアクセサリーを軸としたスタイリングが元々のコンセプトですから、年齢を重ねてのヘヴィなシルバーアクセサリーの着けこなしをご覧頂きたいと思います。

 

CHAPTER:01 シルエットやサイジングの時代性

サイジングにも時代性があるのは皆さんもご存知の事と思います。2000年代は前半戦がボックスシルエットのストリートカジュアルなサイジングだったのから後半はタイトでシェイプされたシルエットへ。2010年代は前半戦からスキニーパンツで下半身はタイトだけど上半身は少し緩く、後半戦は全体的にオーバーサイズに向かって行って2020年代中盤の現在は90年代後半戦に近いストリート感のサイジングが主流。時代は繰り返すってヤツでしか無いんですが、時代性を考えないならどんなサイジングが自分の選ぶシルバーアクセサリーに合うか?で、決めれば良いだけです。

ヘヴィなシルバーアクセサリーを軸にするスタイリングとして今回お勧めするところとしては、適度なリラックス感が有るサイジング。シルエットとしては2010年代前半ぐらいの感じなんですけど、要するに気張り過ぎない余裕が大切。ダラシ無いとは違う適度なルーズ感は身に着けてる側に余裕を与えてくれますし、選んだアパレルアイテムのクオリティーが高いとシルバーアクセサリーのヘヴィさとのバランスが良くなります。安価でクオリティーや拘りの無いアパレルアイテムを選ぶと、途端にシルバーアクセサリーまで安っぽくなってしまうんで気を付けたいところですね。

CHAPTER:02 ヘッドとシューズの差異によるコントラスト

「SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL」のダメージフーディーにグレーデニム。足元をCONVERSEのLoud Style Designカスタムのスニーカーを合わせると、ストリートスタイルのキャップでヘッドアクセサリーを決めたくなりますが、ハットを合わせる小粋さは持ちたいですね。シルエットやサイジング的にもスタンダードなストリートスタイルに纏めても良いんですけど、重要なのはシルバーアクセサリーがヘヴィだと言う事。ストリート系そのままで合わせるよりもシルバーアクセサリーとのバランスを心がけたいところ。

アパレルアイテム自体のベースは非常にシンプルだしオーソドックス。でも其処に特色を齎してシルバーアクセサリーとのバランスを取ってくれるのは加工やカスタマイズによるクラフトマンシップを感じさせるアイテム。ハットにしてもフーディーにしてもシンプルなベースに加工によるダメージ、足元のスニーカーは逆にカスタマイズによるデコラティブ。どちらもクラフトマンシップに溢れているのに違った色合いを見せ、シルバーアクセサリーのヘヴィさと共鳴してくれます。

CHAPTER:03 量より質による親和性

長めのチェーンネックレスに下げたクロスペンダント、左手にヘヴィなブレスレットとリング。腰周りにインパクトの強いウォレットチェーンを下げて、右手には合わせる様に存在感大きなクロスリング。このスタイルに必要なシルバーアクセサリーって5アイテムだけなんですよね。その5アイテムにどんなサイジングとボリュームを選ぶのか?と、どう着けこなすのか?お勧めとして先ずはアパレルアイテムでコントラストを持たせているだけにシルバーアクセサリー同士は親和性を持たせる事。

同じブランドからアイテムを選ばなくとも親和性はあるものですが、やはりデザインやフォルムに関してはブランドを統一した方が相性は良くなります。特にヘヴィなアイテムで固めようとするならば自分の軸になる様なモチーフを決めて選んでいきたいですね。その中でも身体の中心を飾るペンダントはデザインが際立つポイントですから、スタイルを決めるモチーフを選んで、このスタイリングではネックチェーンを長めにする事でトータルでの余裕が有る雰囲気を演出してくれます。

CHAPTER:04 アイテム選びはフローチャート

ペンダントに続いてスタイルの軸を決めるのは右腰に下げたウォレットチェーンですね。ヘヴィなシルバーアクセサリーを着けこなそうとすると、ペンダントとウォレットチェーンの2軸バランスは避けられない。当然、スタイリングとしてはペンダントやウォレットチェーンを外すのもアリですが、今回のスタイルでは2軸でのバランスで考察していきましょう。ウォレットチェーンがヘヴィだとセンター軸をクロスペンダントに任せているだけにヘヴィな手首周りは左手になります。それだけに、右手には手首周りにアイテム無しでリングでバランスを取っていきたいところ。

手首周りに重要度を持たせた左手にはブレスレットのインパクトを上手く支える様に、右手薬指のリングとの相性が良い位置の人差し指にミッドサイズに近くモチーフ主張が強く無いリングを。スタイリング全体にしてもそうですが、シルバーアクセサリーを選んでいくのも軸となるアイテムやモチーフを決めればフローチャートの様にバランスやコーディネートは決まっていき易くなります。寄せ集めになってしまわない親和性を持たせると尚更ヘヴィなシルバーアクセサリーをセンス良く着けこなせますね。


人体は基本的に頭部が一つに指が5本付いた手が2本に足2本で構成されてますから、所謂セオリーとされる法則や効果が身に着ける物に対しても生じるのは確かです。加えて、系統によるカテゴライズは文脈を辿るのにも役立つ事は尤もでしょう。「RUMBLE」で紹介しているスタイリングについても幾つかの法則や効果に重なるセオリーはありますし、敢えて系統を寄せる事で解り易さを取り入れる事もあります。それでもやはり、軸となるのはシルバーアクセサリーでセオリーやーカテゴライズは補助的な役割でしかありません。

流行は時代のセオリーの様に働きますし、今だけのセオリーを楽しむのは悪いことでは無いとも思います。そうした経験から自分にとっての軸や拘りを見出していくのもファッションやシルバーアクセサリーの楽しみ方ではありますが、年齢を重ねて自分の軸となったシルバーアクセサリーをブラッシュアップした着けこなしでの楽しみ方も試してみて頂けたら幸いです。

 

[STYLING ITEM]

ハット:VANITAS ¥80,000-フーディー:SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL¥75,000-デニムパンツ:SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL¥56,500- シューズ:CONVERSE JACK PURCELL CUSTAM Loud Style Design ¥85,000-

ネックレス:UN-016 ¥100,000-  右手薬指リング:LGR-005¥55,000-  左手人差指リング:UR-014¥35,000- 左手ブレスレット:LGB-007¥200,000- ウォレットチェーン:UWC-009¥580,000-

※アクセサリーは全てLoud Style Design

※表示価格は税抜き価格となります

 

ご紹介をさせて頂いた作品はGALLERY REFUSE・GARAGE REFUSEにて展示販売をしております。

作品を手に取り、ご試着が可能となりますので、ご興味があるお客様はぜひともご来店ください。

また、一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

 

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

GARAGE REFUSE

東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972

 

ONLINE STORE

 

 

 

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more