GALLERY MADE COLLECTION #9
アメリカなどではよく見られる光景だが、週末に子供達が自宅のガレージ前で自家製レモネードを販売する。一日8時間の労働で2ドルのレモネードを50杯販売出来たとして100ドル。この売上をお小遣いとして使ってしまうか?貯めておいて質の良いジューサーなりを購入するか?オーケー、ジューサーを購入するとして話を進めよう。半年頑張ってジューサーや容器を良くし効率化と生産性向上。一日の売上が500ドルに延びたところで週末の販売だけでは頭打ちになる。さて、どうする?最も効率的なのはオートメーション化、生産のアウトソーシングとベンディングマシンの導入ではないだろうか。オートメーションによって単純労働から解放され、別の仕事をするでも遊ぶでも他の事に時間を有効に使える。この説明は詐欺師、特に投資などを勧めるタイプの詐欺師による口上は大抵がこんなところだ。
-It’s also the act of investing-
詐欺師は時間と労力の有限性を謳い、効率的に利益を得るには投資が必要だと訴える。確かに、ある意味では正解だろう。個人の時間も労力も有限である事に間違いは無く、オートマチックに資産を増やす手段として多くの投資手段がある。ところが、投資関連で詐欺師が大きく語らないリスクが二つある。一つは投資そのもので負債を抱えるリスク。此れについては事前に考えない方が愚かとする向きもあるが、もう一つは投資によって起こる心理的リスク。オートメーション化するという事は自分では管理し切れないリスクが増えるという事でもある。人間はただでさえ不穏分子が有れば物事に集中出来ないし、些細な躓きでモチベーションを下げてしまう。自分が何かに投資している立場だとして、不穏な世界情勢や政治判断。些細な変調と値動きが気にならずにいられるだろうか?投資を全否定する気にはなれないが、心理的リスクを背負う事は理解しておいた方が良いかと思う。
さて、GALLERY MADE COLLECTIONがスタートして一年余りが過ぎたが、クリエイターである高蝶の制作スピードからするとアイテムバリエーションの増加が遅い気がしないでも無い。REFUSEで行われるGALLERY MADEに合わせたマンスリーでのリリースだけにコレクションとしての歩みがスローペースである事に加えて、諸事情も相俟って4~7月の4ヶ月はリリースが無かったのがそう思わせる原因だろう。
極端な物言いをすれば、シルバーアクセサリークリエイターにとっての原型制作は投資に近い。既にレギュラーコレクションで利益を上げているのであれば、新たな原型に掛かる時間・労力・資金そしてアイデアを捻出する事はリスクを伴う。レギュラーコレクションを長きに亘って販売し続ける事が可能なシルバーアクセサリーの世界では、下手をするとアイテムバリエーションを増やさない方が利益を追求し易い向きさえある。では、GALLERY MADE COLLECTIONに於いてはどうだろう?そもそもオーダー出来るのが基本的に毎月1日だけと言う時点で何も考えていないかに思える。
実際のところ、Loud Style Designの有り得たかもしれない可能性を具現化し、Loud Style Designのコレクションにフィードバックしていく事が狙いのGALLERY MADE COLLECTION自体には投資や利益よりも実験要素が大きい。細部のバランスやボリュームを微調整しながら、効率化よりも品質向上と新陳代謝の繰り返しによって緩やかなスピードでコレクションを増やしていく。現在、準備されている新たな原型からの展開を予測し得る限りでも、腰を据えたコレクションへと発展させていく事が期待できそうだ。
*「GALLERY MADE COLLECTION」のアイテムは基本的に毎月開催されるGALLERY MADEでの販売のみになります。
開催予定日: 2024 8/25 13:00~
1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。
BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more