髑髏ノ調べ SKULL RING -FULL FACE 04-

進化は最適化に向けて突き進む。らしいんですけど人類にとっての最適化って何なんでしょうね?少なくとも人体の頭部が現在のサイズになったのは脳のサイズが大きく影響しているらしくて、他の器官も脳の消費エネルギーを支える為に進化したと言われています。そうなると当然の様に脳を守る髑髏も適した進化をした筈で、地球上に於ける人類の占有具合を見ると人間の髑髏が最適化されたデザインと言う事になるんでしょうね。では、表現としての髑髏の最適化は何になるんでしょうか?答えは単純に「決められない」なんでしょうけど、その理由は個別の趣味趣向が反映されるから。Loud Style Designの中でもクリエイターである高蝶の趣味趣向の反映とは?今回はそんなスカルリングのお話。

Loud Style Design -DAMNED-   UR-037

環境が進化に反映される様に、表現も時代や環境を反映していくものです。表現する側のクリエイターにとってみれば自分の趣味趣向から取り込んだ何かを感情的に創作したいのは至極当然ですが、状況や時代が其れを許すかどうかは大きく関わってきますし、ブランドともなると展開も含めたバランスが重要。Loud Style Designに於いて高蝶は自身の趣味であるクリチャーやグロテスクな表現は最小限に抑え、サタニズムやカルト的な部分も薄めに表現。其れ等の趣向はスタイルとは別の軸であるからが理由なのでしょうけど、その抑制も映画からの影響だけには効かない事で「DAMNED」が制作されました。

2014年。手掛けるブランド数が増す中で新作のリリースが少なくなったLoud Style Designが何をすべきなのか?3rd STYLE「GET IN THE RING」を纏め切ってその先に進むべきか?そしてSPEED SPECTERの北米ツアーでの中で次のスタイルを模索している最中にスタンダードさを求めて「DAMNED」は制作されました。「VANITAS」や「BEAST HATE」(現在は解散)などのブランドで展開しているスカルリングが増え、「THE NUMBER OF THE FUCKER」も展開中だった事で創り出すべきスカルリングを決めかねていたと言うところでしょう。

そんな中でインスピレーションを受けたのは北米ツアー中に久々に観た映画「Brokeback Mountain」(2005年)でのヒース・レジャーから。クリストファー・ノーラン監督作「The Dark Knight」(2008年)でのジョーカー役が強烈な記憶を残し、更なる活躍が期待される中で急逝してしまった俳優ヒース・レジャー。その演技から得たインスピレーション。面の皮一枚隔てた内面に潜む狂気、その騒々しさこそがLoud Style Designの髑髏で表現すべきとの結論が、不敵な笑みを携えながら歪んだ表情のスカルリングへと至らせます。

ガッシリとした下顎部に対して歪んだ眼窩周りの造形で笑っているとも怒っているとも捉えられる表現は、“笑いと暴力”を常に標榜とするアイデンティティーを描いている様でもあり、悲劇と喜劇の紙一重さを表現しようとしている様にも見えます。一見するとスタンダードなスカルリングでありながら紛れも無くLoud Style Designである事。それは、スタイルに最も適したバランスでありながらクリエイターのアイデンティティーが表現されている事。そんな哲学を物が語るかの様にサイジングされ、着けこなしを重視したボリュームで構成されているのも特徴でしょう。

少し大雑把な物言いになってしまうかも知れませんが、スタンダードなサイジングやボリュームのスカルリングは小指を除くどの指にも合います。強いて言うなら「DAMNED」の場合はフォルムが縦に長く最適な指を選ぶなら中指か薬指になるでしょう。他のアイテムを合わせるにしてもリングの並び着けをしないのであれば手首にボリューミーなバングルやブレスレット。逆に他のリングと合わせるならバングルやブレスレットは重ね着けがお勧めです。アパレルアイテムもこれまた何でも合うんですが、ライダースジャケットやトラッドなスーツに「DAMNED」とバングルのみ着用。このスタイルがスタンダードなスカルリングを最も際立たせてくれます。

何かを最適化させると何かは削ぎ落とされていく。それでも残すべき軸が何であるか?Loud Style Designにとっての最適化は常にスタイルにこそ軸があり、その中で必要とされるピースを用いて表現し続ける事なのだと思います。髑髏の最適化一つにしてもシルバーアクセサリーと言うフィールドの中では様々な進化を遂げるものですね。皆さんにとっての最適なアイテムを見つけて頂ければ幸いです。

 

ご紹介させて頂いた作品はGALLERY REFUSEにて展示販売をしております。

GALLERY REFUSE 東京都江東区森下1-13-11 TEL:03-5600-1972

 

またONLINE STOREでもご購入が可能となりますので、是非ともご閲覧ください

宜しくお願い申し上げます。

 

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1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

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