XOX 08 –REFRAIN-

XOX – CROSS RING TEN –

2021年にブランドの20周年を控えるLoud Style Designが2019年に20周年を迎えたREFUSEの20周年との空白の1年を繋ぐ「XOX」。2020年3月より2020年12月まで毎月10日にクロスリングをワンアイテムずつリリースし、10本の指それぞれとクロスリングに合わせたスタイリングを行うプロジェクトである。

 

人によって異なる事が前提にはなるが、繰り返し同じ作品や物語を観たり読んだりする行為には、過去の自分が体験した“特定の何かだけを繰り返し”其処に現在の自分を照らし合わせる側面を持ち、その必要性を無意識下で感じている節がある。

自分にとって繰り返す事が必要となる、過ぎ去った時間の中での特定の何か。其れは作品や物語でもあるだろうし、行為や事象でも取り組むべきテーマでもあるのだろうけど、単純な繰り返しでは無く特定の何かだけを繰り返したいと感じるのには理由が存在する筈だ。しかし、作品や物語は変わらないままでいるのに対して理由はその都度で変化する。変化するからこそ変わらない何かを繰り返す事で自らの変化を体感しようとするのが理由かも知れないが。

[REFRAIN]

No: LXR-006 Price¥36,000-(+TAX)

現在の自分個人と簡単に口にしてみても、個人だけの歴史も年齢分だけ存在し、過去からの中で培われた視点や思考に現在の世相や社会情勢を含んでの自分となり、其の状態は明らかに過去の自分とは異なる。つまり嗜好や思想は一定では無く絶えず変化していくものだ。

しかし、過去に触れた特定の物語や作品にまた繰り返し触れたくなるのは、自分という存在は過去とは異なっても連続性の一部であり、其れに対して繰り返し触れる物語や作品は変わりはしないからこそ、その中に現在の自分だから発見出来る何かを求めたり、変わらない何かを探して現在を再確認しようともするだろう。

自分を形成する要素として必要なモノは、緩やかであっても常に変化を続け、始まりを振り返ってみれば全く違う何かに至っている事も少なくない。そんな中で繰り返し求める何かは、変わらない自分を形成する為に打たれた楔の様にいつまで残り続ける。

Loud Style Designが主として選ぶモチーフには、スカルやクロスの様にある種の伝統的で普遍とされる存在が多く、これには奇を衒ったモチーフやデザインでは無く「ストレートなモチーフの中で最も優れた何かを創り出したい」というクリエイターの高蝶がブランドに込めた思想が反映されての事ではあるが、それだけに特定のモチーフやデザイン・テーマに繰り返し取り組む事が必然となる。

同じ事を単純に繰り返すのを嫌い新しいアイデアを常に実行する事はしても、特定のモチーフやテーマには繰り返し取り組み続けるLoud Style Designのアクションは、過去をそのまま現在で都合良くリピートするだけで発揮されるクリエイティビティなど存在しないとでも言いたげに、過去の特定の部分に対して現在がどれだけの答を出せるかの挑戦を繰り返す。このXOXはその最たるプロジェクトだとも言えそうだが、その中でも今回の「REFRAIN」のデザインは繰り返し続けて来た基本的な要素が特徴的だ。

センターに据えられたピラミッド型をカットする事でゴシックテイストなクロスのセンターパートを創り出す手法は、Loud Style Designに限らず他のブランドでも目にする事の少なく無いデザイン手法だ。敢えてこの手法を合わせての構築なのは、過去にも幾度と無く繰り返して来た特定のデザインを一部分だけ繰り返す事で現在を確立可能か?を試す意味であり、シルバーアクセサリーという歴史の一部分に対する挑戦的なクリエイションでもある。Loud Style Designとしても過去に幾度も行なってきたデザインと表現手法を踏襲し、ブラッシュアップしながら周囲のクロスのデザインへと組み合わせる。この様式美が鎮座する事を考えればセオリーを崩す事の無い力強いゴシックテイストのクロスで応えたくなるのも当然と言わんばかりにクロス自体のデザインはストレートだ。

ところが挑戦的なのはデザインだけでなく左手親指を想定してのクロスリングという制約を据えたクリエイションでもある点で、その制約の中で指のサイズ感は避けては通れない関門になりボリュームとサイジングの試行錯誤が必須になってくるのは創り手ならば当然の作業であり、ヴィジョンの着想から実際に制作に至る過程でか、制作しながらになるかは別にしても具現化までに繰り返されるヴィジョンとの擦り合わせは、制作を中断させるに充分な苦悩ともなる。それが過去にも自分が手掛けてきた創作物やシルバーアクセサリーの文化や歴史の中でも多用される手法をブラッシュアップさせたデザインともなれば尚更だろう。

親指というのは節が太く他の指に比べてバランスの難しい指だが、もしも親指というバランスを考慮してならば制作時にフォルムを決めるには二通りの選択を先ず行う必要に迫られる。一つは“沿うカタチ”であって簡単に言うとフラットなフォルムでリングのトップが高くなり過ぎずに親指の節に沿うモノ。これはアクションに対して邪魔になり難い利点があるがインパクトのあるデザインは望みにくい。もう一つは“反るカタチ”で節よりもリングトップを高くし存在感を強くしたモノ。これは日常のアクションに差し障りの可能性を持たせても、その存在感によってアクションを決定し注意を払わせてくれる。

このXOXプロジェクトで左手親指に対して選択されたフォルムは当然ながら後者となった訳だが、センターに向けてドーム状に膨らみながらもフレームが逆方向へ放射的に反り返り、甲冑を思わせるフォルムは親指を護るかの様で、モチーフワイドの広いサイジングもまた親指という指の短さの中で収まりの良いバランス。収まりの良さと存在感の強さは相反するところが多く、其処にアクションを考慮すると更にフォルムやサイジングは難しくなる。このリングの場合はクロスのデザインを取り囲む特徴的なフレームがそれらの要素を纏め上げていながら、沿うパートと反るパートのデコラティブな緩急をフレームによって生み出しつつクロスのデザイン要素とも組み合わさり大きく作用させている。

一般的に親指へのボリュームあるリングの着用率は低い方だろうし、インパクトの強いリングであれば着ける位置とサイジングによってスタイルを左右されてしまう。つまりボリュームの有るリングは親指に対しては馴染みが悪いと思われる傾向ではあるのだが、馴染みきったLoud Style Designでのスタイリングを見て頂こう。

リングの“沿うか反るか”の話にも通ずる部分ではあるが、リングのインパクトに沿う強さのスタイリングが「REFRAIN」にはよく馴染む。しかも、タイトなサイジングである事が一層リングの強さを押し出しインパクトを引き出すのが特徴的だ。シングルタイプのライダースジャケットの強さは語るまでもないが、やはりレザーがシルバーアクセサリーと組み合わさった際のマジックには格別の魅力が存在し、ホワイトアッシュとダメージにレザーパッチで加工を重ねたデニムとの組み合わせがその魅力を更に加速させる。

ライダースジャケットがシンプルなシングルタイプでありながらタイトな重厚感を持っている事で、デニムの荒々しい毒気に男性的な色気を齎し「REFRAIN」のクロスとフレームの関係の様に共鳴するのだが、それは足元にカスタムされたヴィンテージブーツが備えられている事でスタイリングが引き締められている点も大きい。

ライダースジャケット、デニム、ブーツにシルバーアクセサリーとなれば一昔前のバイカースタイルと思われがちだが、流行り廃りで語るのは現在だけを見ていたいティーンエイジャーか連綿と受け継がれるアメリカンカルチャーとそのスタイルを知らない人達だけだろう。少なくともLoud Style Designにとっては繰り返されるべき特定のテーマであり、クロスリングを合わせる際に外す事の出来ない要素だ。

シルバーアクセサリーが映える事が約束されたスタイリングの中で腰回りのアイテムこそが重要になってくる。バックル、ウォレットチェーン、キーホルダーからぶら下げたタッセル上のウォレットハンガーは、モチーフを押し出したデザインよりもフォルムやピースの連続性を活かしたアイテムを選ぶ事でライダースジャケットとデニムの強さの間で主張がありながら馴染みの良さを発揮し、左手親指だけに備えたリングのクロスデザインはより印象的な輝きを放つ。

こうなるとシルバーアクセサリー好きにとっては首周りや手首周りにもアイテムを多めに着けたくなるものだろうが、敢えて控え目にする事がこのタイトなスタイリングでは活きてくる。リングを着けない故に右手首には少しモチーフが強くミドルサイズのバングルを合わせても、左手首にはネックチェーンをブレスレット代わりに巻く事で親指に着けたリングの魅力を存分に引き出せる。

ネックレスは長過ぎずジャストなサイズとボリュームでペンダントにはミドルサイズでプレーンなアイテムを合わせたい。ライダースジャケットのフロントジッパーを下げた時に目を惹くのはデコラティブなペンダントよりも「REFRAIN」のフレームデザインに通ずる印象的なカットとデザインのアイテムが、控え目にしかし甘くならない印象を残す。

時代の流れと共に失われる男の美学。失われるのは流行りと言う不安定な要素のせいでは無く、不安定な要素に都合良く乗り換えて美学を無くしていく者達によって不都合な美学として扱われるからでしかない。オシャレにスタイリッシュにと言いながらスタイルのカケラも無いコピーとリピートだけをする者達には到底繰り返す事の出来ないスタイルがLoud Style Designには脈々と流れている事を、このスタイリングと「REFRAIN」からは感じ取る事が出来るだろう。

新たなアイデアを次々にカタチにしようとするLoud Style Design/高蝶にとって、特定の過去を繰り返す事は先へ進まんとする自身の欲求を堪える事でもある。それでも繰り返すのは、シルバーアクセサリーという文化・歴史・過去に挑戦する事の意味とその結果が齎す自身にとっての理由を知っているからに他ならない。

現在の自分とは単一の生命体としてだけでなく、過去から連綿と受け継がれ様々な事象を歴史としてきた連鎖の中での現在でもあり、繰り返されてきた事で辿り着いた現在なのだ。歴史や過去に学ぶとはよく言うが同じ様に繰り返す事に見えても、単純に前時代を都合良く応用し新しさのふりをしたリピートだけの生き方か?自分にとって重要な何かのリフレインで現代に通じる美学として磨き上げるか?選択は常に自由だ。

ただし、私たちが生きる現代は完成された到達点でも流行り廃りによる淘汰の果てでも無い。繰り返す行為こそが何かを受け継ぎ磨き上げるのだとしたら、美しく響き渡るのはどっちだろうか?

[STYLING ITEM]

ライダーズジャケット:ONE MAKE¥200,000- Tシャツ:UT-123¥7,800- デニムパンツ:ONE MAKE¥60,000-  ファイヤーマンブーツ:ONE MAKE  ¥160,000- ベルト:ULB-003  ¥100,000-

ネックレス:LDN-008 ¥40,000- 左手親指リング: LXR-006 ¥36,000- 左手ブレスレット:UCN-004¥28,000- 右手バングル:UBG-003¥80,000- ウオレットチェーン:LDWC-005 ¥220,000- ウォレットハンガー:ULK-004 ¥40,000- キーホルダー:LK-003 ¥23,000-  (全て Loud Style Design)

*表記の金額は全て税別価格となります

ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

ONLINE STORE

MOTOR CYCLE、HOT ROD、ROCK N’ ROLL、PUNK、HEAVY METAL、LOUDと称されるカルチャーに共通する美学や哲学。そこに在る言葉では表せない衝動、心を突き動かし続ける真実を掴み取る事で生み出されるプロダクト。
造型物としての美しさを追求し、身に着けた人のスタイルとなるアイテムを自分達の手で製作する事を根幹とし、LOUDなSTYLEをDESIGNする事で創り続けるのは、深く刻まれる生き様や思想と重ね合わせ身に纏う真実。一つの真実が、手にした誰かのストーリーになりスタイルとなる。

Loud Style Designの全ては、銀という素材を直接加工する事で創り出す原型に端を発し、想像を創造へと進化させる技術を研鑽し、装像を送像する為のアイデアを練る事で転がり続けながら、不変のバランスに独自のストーリーを刻み、流れ去って行くデザインでは無く、永く在り続けるデザインを生み出す。