XOX 05 -REMAIND-
XOX – CROSS RING TEN –
2021年にブランドの20周年を控えるLoud Style Designが2019年に20周年を迎えたREFUSEの20周年との空白の1年を繋ぐ「XOX」。2020年3月より2020年12月まで毎月10日にクロスリングをワンアイテムずつリリースし、10本の指それぞれとクロスリングに合わせたスタイリングを行うプロジェクトである。
感情と思考は本能と記憶によって掌られる。しかしながら最も作用する要因は“今”と言う瞬間が与える刺激である。何事にも始点が在り終点が訪れるし、人の感情もその理からは逃れられない。感情と思考を掌る本能は年齢を重ね変化し衰え、記憶は時間と共に積み重ねを繰り返し、容量を空ける為に古い記憶は消去していく。情熱と言う名の炎が段々と燃え尽きていくのは、新たな記憶が積み重なるに連れて情熱の始点となった“今”の刺激に現在の状況や状態を上書きし薄れさせ終点へと導いてしまうからだが、これは人の感情や思考に取って正常な作用でもある。
もし、感情や思考を“今”と言う始点での刺激のまま長く留める方法があるとするならば、それはきっと何かのカタチを成す事なのだろう。“今”をカタチにする事で、どれだけの時間を経てもそのカタチは“今”を思い起こさせてくれる。
[ REMAIND ]
No: LXR-001 Price¥35,000-(+TAX)
早いものでと捉えるか漸くと捉えるかは見続けている側次第になるだろうが、今回リリースされるリングで「XOX」プロジェクトは半数を完了する。クロスリングばかりを10アイテムリリースするこのプロジェクトは、ご存知の通り全ての原型が制作完了したうえでのスタートとなっているので毎月どのリングがどの指を推奨しリリースされるのか?も楽しむ一つの要素になってくるだろう。
「REMAIND」と名付けられたリングが右手親指で示すのは、タフとエレガントの共存でありその理由だ。サムリングの愛称で呼ばれ、古くは弓引き指輪としての役割も持つ右手親指に着けるリングは、威厳や指導力を示す指に対してだけに男性的な意味合いと魅力が集約され易いとも言えるのだが、親指であるが為の特徴でもありリングを身に着ける際に最も悩ましいのは、リングを備える部位と節とのサイズ差が最も大きくなる点だ。それだけに、親指へのリングは細身でシンプルなデザインバランスや模様が一周回る様に施されたリングにモチーフの正面を設けないデザインが選ばれる傾向にある。
さて、正面が必須になるクロスリングでこの問題をどう解決するか?に対するLoud Style Designの解答は、正面でも横を向いた状態でも魅力を損なわずに違った表情を見せるリングバランスとデザインを創り上げる事だと、この「REMAIND」は雄弁に物語る。
右手親指を想定しての制作だけに正十字に近いデザインのクロスは、ワイドを広くして正面から見た時にジャストなバランスで造形され、センターへ向けて盛り上がるドーム形状はLoud Style Designの得意とするボリュームだが、先端の反返りは指のアクションとシャープで攻撃的なクロスデザインとのギリギリのラインを攻めている。そしてこの「REMAIND」は指に対してクロスを正面では無く横向きに着ける魅力が存在する。その魅力はスタイリングからも充分に伝わるので見て頂こう。
誇りを背負うレザーベストを身に纏い、リペアを繰り返しながら長い時間を連れ添ってきたデニムパンツにラギッドなヴィンテージブーツ。アメリカンバイカーに代表されるスタンダードな不良であり人生に対してある種の覚悟が在ってこそ選べるスタイリングだろう。果たしてこの男の憧れの一極を体現したスタイリングをオリジナルアイテムによって独自の再構築で組めるシルバーアクセサリーブランドが幾つ在るだろう?片手で数えられる程度しか思い当たらない。アパレルブランドにしてもバイカー寄りなブランドがタフさだけで組み上げる事は可能であっても、毒気と色気を共存させる事は至難の業だと言わざるを得ないのでは無いだろうか。
このスタイルに至ってはシルバーアクセサリーを身に着けるのに遠慮はいらない。太目のネックチェーンと攻撃的なデザインのペンダントを選び、タイトに絞ったレザーブレスや動きのあるシルバーのブレスレットの対比を楽しみ、レザーのキーホルダーと繋いだウォレットチェーンはバイカーの定番であるトラッカーウォレットを彷彿とさせながら拘りを示して揺れる。しかし、全てのアイテムがタフなだけで無く独特の毒気と色気を伴う事が重要だ。
「REMAIND」が持つ正面から見た際のクロスの魅力はLoud Style Designならではの美学が如実に表れているが、横向きに着けてみるとソリッドでありつつ曲線美を感じさせるリングのボディとフォルムが違った魅力を発揮し、反返るクロスの先端と作用し合いエレガントな表情を見せてくれる。タフなだけのアイテムではこの魅力と相俟ってのスタイルは構築出来ない。
時代錯誤と断じてしまう事すら可能なこのスタイルがLoud Style Designの根幹には常に存在し進化し続けるのは、陳腐な言葉になるが“男のロマン”であり憧れだからだろう。タフさやラギッドである事は重要ではあるが粗野なだけでは男は憧れを抱かない。タフでラギッドである事が自然体である中に何処かエレガントさやジェントルであるハードボイルドな男だからこそ憧れてしまう。
「タフでなければ生きられない。優しく無ければ生きている資格が無い」ハードボイルド小説の名言と讃えられるフィリップ・マーロウの台詞も、現在の社会ではもう通じないのかもしれないが、それでもこの毒気と色気を纏うスタイリングをLoud Style Designが“今”でこそ選ぶのは、「REMAIND」がタフとエレガントの共存を示すリングだからに他ならない。
親指の持つ特徴、5本の指の中で親指だけが大きく段を下げて位置し遊び甲斐のある指である事と、力強く存在感を示すからこそ其処にはタフでエレガントなリングを選びたい。「REMAIND」は忘れ得ぬあの時の“今”を現在の技術でカタチにしたリングだ。身に着ければ、きっと憧れたあの瞬間を思い起こさせる。
[STYLING ITEM]
ラグランシャツ:UT-106 ¥72,000- レザーベスト:ULV-001 ¥180,000- デニムパンツ:ONE MAKE ¥100,000- ロガーブーツ:ONE MAKE 時価 ベルト:ULB-001 ¥70,000-
ネックレス:LGN-103 ¥60,000- 右手親指リング: LXR-001 ¥35,000- 右手レザーブレスレット:UGLB-006¥20,000- 左手ブレスレット:LGB-001¥60,000- ウォレットチェーン:CUSTOM ITEM ¥300,000- ウォレット:LGW-002¥58,000- (全て Loud Style Design)
*表記の金額は全て税別価格となります
ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。
東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972
MOTOR CYCLE、HOT ROD、ROCK N’ ROLL、PUNK、HEAVY METAL、LOUDと称されるカルチャーに共通する美学や哲学。そこに在る言葉では表せない衝動、心を突き動かし続ける真実を掴み取る事で生み出されるプロダクト。
造型物としての美しさを追求し、身に着けた人のスタイルとなるアイテムを自分達の手で製作する事を根幹とし、LOUDなSTYLEをDESIGNする事で創り続けるのは、深く刻まれる生き様や思想と重ね合わせ身に纏う真実。一つの真実が、手にした誰かのストーリーになりスタイルとなる。
Loud Style Designの全ては、銀という素材を直接加工する事で創り出す原型に端を発し、想像を創造へと進化させる技術を研鑽し、装像を送像する為のアイデアを練る事で転がり続けながら、不変のバランスに独自のストーリーを刻み、流れ去って行くデザインでは無く、永く在り続けるデザインを生み出す。