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「もう、これ以上の細密さは必要無い」

ブランドのカラーを定義する要因として大きいのは造形を如何に細密に行うか?ではある。一定以上の技術があれば肉眼では捉え切れないレヴェルの細密な造形が可能だし、3Dプリンター等の機材を使用すれば人の手では不可能な造形も可能にはなってくるが、細密さは同時にダイナミズムを失う要因でもある。

詰まる所、人が身に着ける事を前提としたシルバーアクセサリーやジュエリーに於ける細密さとダイナミズムの鬩ぎ合いは、ブランドのカラーをどう定義するか?によって決まってくる。そんな鬩ぎ合いにケリを付けるかの様に高蝶が発現したのが冒頭の言葉である。

Loud Style Designというブランドが持つカラーは、荒々しさの中に流麗なラインと繊細さを併せ持つ事で構成されている部分が大きかったが、近年はそのコントラストが“流れ”という物創りに於ける高蝶個人が極めようとしている要素に引っ張られている印象が強くなっていた。SPEED SPECTERという旅を繰り返し重ねる毎に“ライブ感”を求める様になっていった事もあるが、計画的な物創りよりもインプロヴィゼーションによっての物創りを後から整える手法は、ブランドのカラーを流れと繊細さが強調される方向へと舵を切らせた。

2016年頃から顕著になりだしたLoud Style Designの細密な造形は、ブランドが持つ従来のダイナミズムとマッチするポイントを探るかの様に繰り返され、或いはバニシングポイントを求めているかの様にブランドとテクニックの乖離が激しくなっていたが、現在行われているSPEED SPECTERのテーマに合わせるかの様に急激な収束を始めた。

およそ40型を超えるライブクリエイションの中から、ブランドとしてリリースすべきデザインを選び出し細部を整える事でリリースされるアイテムは、インプロヴィゼーションによるパートを殺し過ぎない様に時間を掛けて再構築されている。

2019年1月にリリース予定のLoud Style Designの新作は、ライブクリエイションから1年以上を経て再構築へと至った物もあり、重要なのは時間を経てもブランドとしてリリースしたいアイテムか否か?という部分だった事が伺える。創り手個人として極めんとする地点からブランドとしてのカラーへの回帰へと、新たなフェーズに入ってLoud Style Designの再定義は着実に進行している。

MOTOR CYCLE、HOT ROD、ROCK N’ ROLL、PUNK、HEAVY METAL、LOUDと称されるカルチャーに共通する美学や哲学。そこに在る言葉では表せない衝動、心を突き動かし続ける真実を掴み取る事で生み出されるプロダクト。
造型物としての美しさを追求し、身に着けた人のスタイルとなるアイテムを自分達の手で製作する事を根幹とし、LOUDなSTYLEをDESIGNする事で創り続けるのは、深く刻まれる生き様や思想と重ね合わせ身に纏う真実。一つの真実が、手にした誰かのストーリーになりスタイルとなる。

Loud Style Designの全ては、銀という素材を直接加工する事で創り出す原型に端を発し、想像を創造へと進化させる技術を研鑽し、装像を送像する為のアイデアを練る事で転がり続けながら、不変のバランスに独自のストーリーを刻み、流れ去って行くデザインでは無く、永く在り続けるデザインを生み出す。