FINDERS KEEPERS AFTERMATH -SKULL RING-
憧れは最も強く創造性を刺激する要素の一つだ。多くのクリエイターが自身が何者でも無かった多感な時期に得た、憧憬と言う名のインスピレーションを大切にし続ける。そうして其れ等は時代性を伴いながらカタチを変えて続いていく。創作の現場に於いて文化や文脈が重要視されるのはこの為だろう。物創りを行いながら、繰り返し過去の自分や文化を現代に投影させようと試みるのはクリエイターとして一つの役割だとも言えそうだ。今回「FINDERS KEEPERS AFTERMATH」にてリリースされるスカルリングにも、そうした試みと変化が強く感じられる。
ブランドとして「FINDERS KEEPERS」を動かしていた時代以前からを考えるとブランドホルダーである秋谷氏と、クリエイターである高蝶の付き合いもなかり長く。スタイリストとしても活躍する秋谷氏らしく、必要に応じて適材適所な仕事を高蝶に依頼してきた印象がある。現在は「FINDERS KEEPERS AFTERMATH」として通常のブランドとは違ったアクションをしているだけに、文脈の強さが際立つスカルリングを制作する上で高蝶を起用したと言ったところだろう。
SUICIDAL TENDENCIESやPASHEADに代表されるバンダナを巻いたスカルの表現は、90年代のストリートカルチャーに憧れた人達にとっては心に深く焼き付いたものだろう。それを現代にアップデートしたカタチでリリースすると言うのは、やはり其の時代を生きてきてクリエイターとなった者の役割でもあると感じさせてくれる。実は10年程前にも「FINDERS KEEPERS」からバンダナスカルのリングを高蝶が制作した原型でリリースされた経緯があり、こちらはある意味で文脈をそのまま具現化した意匠だったのに対して今回はきっちりアップデートした感が強い。
「FINDERS KEEPERS AFTERMATH」が展開するライダースジャケットに合わせる事を想定し、エッジを削ぎ落として緩やかなフォルム。無駄な装飾を持たせずにホワイトアウトさせる様な仕上げの中でも印象的なスカルの表情。絶妙なバランスでスカルの持ち味を引き出すバンダナパートとの相性。最終的にバランスを決めるにあたって原型制作時にはバンダナを巻いていないスカルリングとして創り出した後、実際にバンダナを巻く様に金属を巻き付けながら構成されいったと言う経緯もプロダクトへの真摯な向き合い方を感じさせる。
いつの時代も何かに憧れた誰かがいて、その何かにも文化が在り誰かが文脈として紡いでいく。時代が変われば表現も変わりカタチも変化していくのは当然であっても、核になる憧れは変わる事なく繰り返し刺激し続けてくれる。そんな事を思わせてくれるスカルリングだ。
FINDERS KEEPERS®︎AFTERMATH POPUP STORE 2024
開催日時:2024年10月12日(土曜日) 11:00~18:00
場所:GMD
〒400-0032 山梨県甲府市中央1-11-10
※イベント終了後はFINDERS KEEPERS AFTERMATH表参道サロンにて受注開始。
人が動き続けるのに睡眠と食事が必要である様に、毎日の暮らしを行うには住居が必要になる。しかし、それだけで目紛しい世の中をタフに生きていけるだろうか?
新しい何かを見つける為の刺激や、自分らしくある為のスタイル。何か行動を起こす為には心に響く燃料が必要だ。音楽やアート、嗜好品やファッション、誰かとの時間やスポーツ。そして、旅とクリエイティブ。
物を創るという行動、その為に必要とされる刺激を表現する事で、誰かが行動する為の燃料になる様に、クリエイティブの現場をフォーカスし、そこに携わる様々な事象や場所・人達を幅広くお伝えしていきます。