5th GENERATION’S MOVEMENT 03

これまで「SEVEN’S MAGIC」として展開していた店舗をリニューアルし、DUAL FLOW / LEGIO MADE / ABILITY NOMALの3ブランドが主軸になって「HORIKIRI」としてのスタートを切った。各々が独自の活動を展開しながらチームとしてのアクションを見せ、アジア圏での活躍も目紛しいシルバーアクセサリー業界で言うところの“第五世代”にあたるクリエイター達による活動や想いを語って貰ったインタビューを3回に別けてお送りする。V0l.01-Legio Made-   Vol.02-Dual Flow-

 

03: Ability Normal

ー新作のリリースに向けて制作を進めているそうですが、何年越しのリリースになりそうですか?

佐藤:断片的にリミテッドやイベントでしか使わない新しいパーツがあったりはしたんですけど、しっかり新作として纏めてのリリースだと5年以上ぶりとかになっちゃうかもです。

ー東南アジア方面での活動も活発になってますし、新作のリリースが待望されてるとは思うんですが、そういった熱量を感じますか?

佐藤:“ウケの良さ”だけを考えるとマッチョ(杉山氏)とかの和物のモチーフだったりのが理解し易いんだろうし、ウチのデザインはどうしても「何コレ?」って印象を持たれるのが日本でもなので、受け入れて貰うのに時間が必要だろうなとは思います。

ーAbility Normalのデザインは置いてある状態で惹き付ける感じじゃなくて、身に付けて全体を見ての魅力だと思うんです。そうした部分が東南アジア圏だとまだ受け入れられ難いんでしょうね。

佐藤:確かに。幸いな事に「SEVEN’S MAGIC」というチームで海外に行っているので、単身で乗り込んで行くよりは間口も広くなっているし、受け入れる体制もあって、伝わり難さはだいぶ解消して貰ってるかな。

ーチームとしてのアクションの強みですね。その強さが「SEVEN’S MAGIC」から「HORIKIRI」へと繋がった。その強みとか繋がり方ってシルバーアクセサリー業界の上の世代では見受けられなかった気がします。

佐藤:業界的に“第三世代”の人達が掻き回してるのを端で見ながらブランドのスタートを切れた世代なんで、シルバーアクセサリー業界のドメスティックブランドの盛り上がりの空気感を得て、その中の一員ではありたいけれども、でもその先輩達の輪とかカテゴリーにドップリ浸かるのは、何だろう?部活ノリみたいになっちゃいそうで「違うな」って。

ー今は“第五世代”として違ったカタチの盛り上がりがあると思うんですが。

佐藤:僕自身はそんなに意識もしてないし、個人的には専門学校とか元々の繋がりがあった後輩とかがいる訳じゃないんで、オグリン(小熊氏)の存在が大きいと思います。ヒコみずのジュエリーカレッジでの繋がりとかで後輩とかが集まってきたりもしますし。僕とマッチョだけだったらもっとコアな状態になって、シルバーアクセサリー業界で下の世代とは鎖国感みたいなのがあったかも知れない。

ーどちらかと言うとですが佐藤さんは、渦中にいながら状況を静観している感じがあると言うか、自分のペースは自分のペースで保ってる印象を受けます。

佐藤:例えば雑誌なんかにしても、上の世代がやってた事がカッコ良かったからって、そのトレースがしたいか?と言ったらしたい訳じゃないし、背伸びして自分のペースを崩してまで後進の育成とかは考えないですね。

ーどうなんでしょう。上の世代に対して良い意味での反抗、カウンターみたいな感じで今の“第五世代”の細密な造形から、下の世代はシンプルな物創りに移る傾向もありそうですが。

佐藤:デジタルのツールが進化した事によって、ハイブリットな物創りとかも出てきそうですけどね。そうなっても自分の物創りや制作の取り組みが変化するとは現時点では思えないです。

ー新作についての話に戻しましょうか。明確にどんなデザインにしていこうってベクトルは決まってるんですか?

佐藤:イメージは固まってますね。ベクトルというか、「こうしていきたい」って事を具体的に言うなら、今までのブランドの特徴は引き継ぎつつテクスチャーや細かい彫り込みの要素を減らしてバランスを保ちたいなって。シンプルなライン構成で出来るだけブランドの要素を詰めていきたい。ポイントで見ていく細かい造形よりも、引きの目線で全体を彩る構築ですかね目指してるのは。

ーフォルムに対するセンスは佐藤さんの天性の物だと思いますが、削ぎ落とし方が課題になりそうですね。

佐藤:コラボレーションなんかの時に額装みたいな感覚でフォルムを創り上げていったりが多くて、主役を自分が取るんじゃなくて何か主役を際立たせる感覚と言うか。自分のブランドで主役になるモチーフを決め込む事が少なかったのもあって石を使う事も多かったんですが、今回はもう一歩前に進めてフォルムとラインで主役まで成立する段階に行きたいですね。

ーそうなると、見る側・手にする側への伝わり方も変化していきそうですが。

佐藤:自分ではフォルムとラインで表現した新作にしたいとは思ってますけど、削ぎ落とし過ぎた時にAbility Normalのアイテムとして伝わらなかったら駄目なので、そのバランスと言うかテイストがしっかり残る様にはしたいですね。

オレンジジュースは飲んでオレンジの味がしないと駄目じゃないですか?もう「Welch」みたいな濃度じゃなくて、オレンジの味と香りのバランスが程良い感じを目指すというか。

ー「いろはす」のオレンジみたいな感じですか?

佐藤:あそこまで削ぎ落とせたら最高ですけど、まだ「なっちゃん」ぐらいのところを目指してリリースします。

Ability Normal:http://www.abilitynormal.com

店舗情報:HORIKIRI  東京都葛飾区堀切 2−34−4

http://horikiri.official.jp/

*営業日はHORIKI WEB SITE及びSNSにてご確認下さい。

 

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