SIDE EFFECT -DONE-
行動の連続性を否定可能な人は存在しない。日常の食事ですら項目毎に行動を分けていく事が可能だし、その連続性があってこその行動である事は明白だ。食材を購入する→食事を作る→食事を摂る。大きく分けても3アクションになり、食材購入の為の動きですら幾つものアクションに細分化され連続性によって成り立っている事が実証出来てしまう。つまりこれは逆説的に行動の連続性を否定する事が不可能である証明になる。では、この連続性の終着点は何処になるのだろうか?それには“目的”という言葉を用いるのが妥当かと思われる。
ANOTHER HEAVENにとっての大きなアクションとしては、2022年4月に行われたエキシビジョン「SIDE EFFECT」になる。このタイトルが示す通り2021年に行われた「5 Significant Pieces」の副産物、副次的なアクションとして新作を発表する事だった。そう、行動の連続性における終着点である“目的”は、発表する事になっていたのが今から挙げる問題点の原因だ。通常であればブランドの展示会は生産性を考慮して発表と本リリースの間にリードタイムを決める。展示会と展示即売会では意味合いが大きく違ってくる事からも理解できる様に、それはブランドをビジネスとして動かす際に重要なポイントでもある。ここでANOTHER HEAVENのブランドとしての側面と、KOMY&高蝶のアーティストやクリエイターとしての側面が上手く噛み合わなくなる時は少なく無い。簡単に述べれば、制作が終わって発表する時には別のアクションへとシフトしてしまう、ブランドビジネスにとっての悪癖が原因で「SIDE EFFECT」の本リリースは遅れる事となった。
当然ながら、展示会時のカスタマーオーダーは完了しているし、発表された幾つかのアイテムはGARAGE REFUSEに並び本リリースとなっている。しかし、今回こうして全てのアイテムが本リリースになる事の報告をしながらもONLINE STOREでの取り扱いは春頃になりそうだし、連続性と言うよりは連携不全を感じさせてしまう事は否めないだろう。この点はブランドの、と言うよりはHEATという会社の問題でもある。平たく言えば、制作はしても商売はしていない状態を如何に脱却するか?そんな課題をクリアしていく為のアクションが必要だろう。目的が創り出す事であるならば、その先への連続性を持たせるアクション。ANOTHER HEAVENとしての2023年最初の一歩が今回行われる「NEW&ONE」になる。
「SIDE EFFECT」のリリースを完了しANOTHER HEAVENが持っている現在の可能性を探る為、近年のREFUSEにしては珍しくONE MAKEを中心としたリリース。創り出した先のアクションが結局は制作であるのがREFUSEらしい取り組みではあるが、連続性のベクトルが発表するだけで無く可能性と共に世に送り出す方向になっている事にも注目して楽しんで頂きたい。
ANOTHER HEAVEN 「NEW&ONE」
2023年1月25日~ GARAGE REFUSE
東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972
多才なグラフィックで数多くのアートピースを生み出し、スケートデッキやアパレル、タトゥーにもその才能を如何無く発揮しているLA在住のアーティスト・KOMY。
スカルやクロスボーンをメインモチーフとしながら、LAのカルチャーをKOMY独自のスタイルでブラッシュアップさせたデザインのANOTHER HEAVENは、LAのスタジオFAKTORYを軸に活動し、アーティストとしてのKOMYの拘りがデザインだけでなく、製作過程にもストーリーとして込められたブランド。
また、ヴィンテージテイストな仕上げを施したジュエリーも、一点一点手作業によって仕上げる事でタッチを調整し、ヴィンテージテイストの中でも色濃く浮かび上がるANOTHER HEAVENの世界観を表現している。