HEAVEN’S ONE MAKE
下手な前置きはせずに冒頭からシルバージュエリー・アクセサリーの話をする事にしよう。今更ではあるかと思うが「ONE MAKE」と呼ばれるアイテムをどう定義するか？は難しい。その理由を幾つか挙げるとするならば、代表的なのはブランドやメーカーによって解釈が異なる点。そもそも“一点物”とする線引きが一点しか制作しないのか一点しか制作できないのかの違い。単純な組み合わせの変化によるレギュラーアイテムとの差別化なのか、実験的な技法や素材を用いての創り手によるエゴイズムなのか。そうした解釈の違いについては以前にも「ONE MAKE RHAPSODY」でお伝えした事があるが、この記事での本題は「ANOTHER HEAVENにとってのONE MAKEとは？」になる。
2022年内でかなりのレギュラーアイテムを増やしたANOTHER HEAVENにとっては、トータルスタイリングの隙間を埋める様なアイテムをONE MAKEでリリースする必要は無いだろう。「NEW&ONE」と括ってリリースするからには其れなりの意図が有りそうだ。と、思ってリリース予定のONE MAKEを見てみるとラインナップ内での緩急が激しい事に気が付く。手の込んだ組み合わせの為にピースを削り込んだアイテムや加工を強くしたアイテム。其れとは逆でシンプルにカスタマイズを施したアイテム。「SIDE EFFECTでのアイテムがリリースを遅らせてしまったケジメ」とクリエイターの高蝶が語ったONE MAKEコレクションの内容は、緩急の激しいラインナップを見るに新たに追加されたピースと組み合わさった可能性の提示なのだろう。
纏りが良くレギュラーアイテムとしてリリースされていそうな、それでいてONE MAKEとしての存在感は高蝶が手がけた際の特徴とも言える。そんな中でも今回「NEW&ONE」でリリースされるANOTHER HEAVENのONE MAKEはリリース数も相俟ってスタイリングの中で真価を発揮してくれそうだ。単なる希少性や派手さを売りにするONE MAKEとは一線を画した、身に着ける事で価値を増すONE MAKEの可能性を楽しんでみる事をお勧めしたい。
ANOTHER HEAVEN 「NEW&ONE」
2023年1月25日～ GARAGE REFUSE
東京都江東区森下1-11-7 TEL: 0362402972
多才なグラフィックで数多くのアートピースを生み出し、スケートデッキやアパレル、タトゥーにもその才能を如何無く発揮しているLA在住のアーティスト・KOMY。
スカルやクロスボーンをメインモチーフとしながら、LAのカルチャーをKOMY独自のスタイルでブラッシュアップさせたデザインのANOTHER HEAVENは、LAのスタジオFAKTORYを軸に活動し、アーティストとしてのKOMYの拘りがデザインだけでなく、製作過程にもストーリーとして込められたブランド。
また、ヴィンテージテイストな仕上げを施したジュエリーも、一点一点手作業によって仕上げる事でタッチを調整し、ヴィンテージテイストの中でも色濃く浮かび上がるANOTHER HEAVENの世界観を表現している。
