WELL-BEING Act:004 VANITAS

シルバーアクセサリーとの上手な付き合い方って何だろう?特に気にしないで好きな物を好きな様に着けていればソレでも良いのかもしれませんが、スタイリングやコーディネートを気にしないでガチャガチャに身に着けてるのが、果たして身に着けられてる物側からしたら良い状態でしょうか?スタイリングやコーディネートを考えずに売れれば何でも良いと思っているSHOPやブランドが存在しているのも確かですが、物を創り出しているクリエイター側からしてみれば、やっぱり格好良く上手にシルバーアクセサリーと付き合って貰いたいと思っているんではないでしょうか。

ブランドやクリエイターの心持ちは抜きにして、シルバーアクセサリーとの上手な付き合い方は身に着ける人によって違うのは当然ですが、違うのが当然だからこそ自分にとっての最も良いコンディションを探究して頂きたいですし、その為に満足なコンディションの基本をブランドやライン、ボディパーツやアイテムカテゴリー毎に紹介していくREFUSEスタイルのプロジェクト「WELL-BEING」。

Act:004 VANITAS  Skull Ring

好む好まざるに関わらず、流行りや時代性みたいなのはありますし大なり小なり影響されてしまうのは人が社会性を持っている以上は当然なんですけど、そうなるとシルバーアクセサリーとの付き合い方や関わり方も変化してくると思うんですよ。

シルバーアクセサリーがブームになった90年代からもう30年も経過してますし、その間にファッションだって「アレが最高」とか「コレはダサい」とか移り変わって、流行り廃りや正解や不正解なんてメディアスクラムで促してるだけのもんだって知れ渡って馬鹿馬鹿しく思われてるのが現状ではないでしょうか。つまり、メディア主導の正解が不在になってしまった代わりに、ファッションやスタイルも個々人で正解を決めなきゃならない時代になりましたし、だからこそブランドやSHOP、クリエイターがしっかりとスタイリングやコーディネートまで提示する必要がありますね。

今回はそんな正解や不正解の中でも今更感を大きく与えながらも印象の深さで時代に関係無く魅力を持ち続けるスカルリングとのWELL-BEINGな付き合い方を、1点着けのシンプルなコーディネートで見せながらスカルの向きや手首周りとのバランスを含めてディープに紹介していきたい次第で御座います。

前置きが長くなってしまうのですが、最初に申し上げておきたいのは「スカルリングってどっち向きに着けるのが正解?」っていう質問が常に付きまとうリングだって事です。ハイ、どっち向きでも正解です。「好きな方で着けて頂ければOK」ってだけで終わらせてたら駄目だって事です。指の先端の方向を上に考えるか下に考えるかでスカルリングの向きを決める(指の先端にスカルの頭側を向けて着けるか顎側を向けて着けるか)其れ自体は着ける人の好みで正解なのは確かですが、重要なのはスカルリングの形状と着ける人のアクションによる着け心地。

ブランドやクリエイターによってスカルリングの形状は変化しますし創り手の好みやデザインも大きく影響します。当然ですが日常の中で手指を動かす事は多いですし、着る服や季節によってアクションも大きく変化する事は改めて言うまでもない事だと思いますが、スカルリングはデザイン的にリングのフロント部分が不均一に大きく張り出す形状になるので、簡単に言えば“正面の凹凸が強くて出っ張りのある”デコラティブなリングです。

加えてなんですが、下顎が付いてるタイプと下顎が無いタイプでもリングとしてのバランスは大きく違いますし、“ウデ”と呼ばれるリングが側面から裏面まで回り込む部分がスカルの顎部分にどう繋がっているか繋がっていないかでもバランスや着け心地は変化してくるので、個々人の手指の長さ太さとか着ける指によっても相性やコンディションにも大きく影響してきます。どうです?スカルリングって考え無しにどっち向きで着けても良いって言えます?やっぱり、自分にとっての正解は見つけておきたいですよね。

そろそろ本題に入ってスカルリングとのWELL-BEINGな付き合い方を探していきたいんですが、今回はVANITASのスカルリングを用いての紹介なので、先にVANITASのスカルリングの基本形状を述べておくと、リングのウデ部分はスカルの下顎に繋がらないデザインで、最も出っ張り易い額から頭頂部にかけての部分は急な盛り上がり方では無く、なだらかな傾斜で指にフィットしていき顎側は削ぎ落として指馴染みがよくされているのが特徴です。

スカルリングの形状だけを考えると指に対して深く着けたいならば、指の先端側にスカルの頭を向けるナックルカバーな着け方。スカルの顎が指の第2間接までかかる様に着けたいなら指の先端にスカルの顎を向ける着け方。フィット感が良いのはどちらなのか?については着ける人の手指によって変化しますが、他にも重要なのは着ける指とアクション。そして他のアイテムとのコーディネート。

漸く着ける指とスカルリングの相性まで来ました、前置きが長くなって申し訳ございません。先にスカルリングの特殊性を述べておかないと解説が曖昧になってしまうので御勘弁下さい。それではスカルリングを着けるには最も選び易い人指し指から紹介していきましょう。

 

Full face for Index finger

フルフェイスのスカルリングはデザインの特性もあってかサイジングとボリュームが人指し指や中指と相性が良い物が多いです。このフルフェイス(下顎あり)か否かでスカルのフェイスサイズやバランスが変化するのもスカルリングに於いての重要なポイント。フェイスの大きさで与えるインパクトが違ってきます。

人指し指に着ける際に気にしておきたいのは着けるスカルリングの印象が強い箇所はフェイスの中でどの部分なのか?でスカルリングの向きを決めていくのと、デザインによってナックルカバーな着け方にするかどうか?ですね。ちょっと同じスカルリングで見比べてみましょう。

どうです?フェイスの向きで指に対する印象が変化してくるでしょう?指を長く見せたいならナックルカバーの方向、指を覆いたいなら第2間接の方向に顎を向けて着けるのが良いと思います。この違いは服装や他のシルバーアクセサリーとのコーディネートによって日替わりで楽しむのもアリですんで、続いて同じ人指し指に着ける場合でも手首周りに着けるアイテムとの相性で見ていきましょう。

アイテムの質感やカラーで合わせていく場合と、モチーフを組み合わせる事でスカルの存在を意味深にさせていく場合のコーディネート比較ですが、スカルリングの存在をさりげなく匂わせて引き立たせたいなら手首周りはシンプルなバングルの重ね着けでカラーを合わせていくのがお勧めですね。バングルがシンプルでエッジーな箇所が少ないラインになる事でスカルリングは際立ちます。

モチーフの重ね合わせ方で意味や印象を深くしていきたいならネックレスも含めて造型の細かなアイテムを選んでいくと、スカルリングがデザイン性も相俟って際立ちますし、人指し指のスカルリングとブレスレットのモチーフによってエッジーになる箇所の位置を合わせる事によって自分の趣向を強く印象着けられるんじゃないでしょうか。人指し指はそう言った意味でも手首周りのアイテムやネックレスと共鳴し易い箇所だと意識して下さい。

 

without lower jaw for Little finger

シルバーアクセサリーを身に着ける中でスタンダードとされる身に着け方、特にリングの場合は小指に少しボリュームのあるカレッジリングを着ける伝統がありますが、それをスカルリングにしてみても同じ様にバランスの良い着けこなしになります。

元より小指に着ける事を考慮して制作されたスカルリングでない場合は、フルフェイスのスカルだと指のサイズ的にデザインバランスが悪くなってしまう傾向にありますので、下顎の無いタイプでサイジングを重視して選んだ方が良いでしょう。

下顎の無いタイプのフェイスの場合はリングの形状的にナックルをカバーする感じにはならないので、どのアクションの時にスカルがどう向いていて欲しいのかと、手首周りにどんなアイテムを合わせてどう見せたいのかでコーディネートを決めていくのはどうでしょう?

小指に着けるスカルリングとなると位置としての際立ちはあっても、ボリューム面では際立たない事が多いので、相性が良くて上手く際立たせてくれる手首周りのアイテムと言えばシンプルでありながら独特な特徴を持ったバングル。もしくはブレスレットにしてもモチーフを際立たせたタイプよりもシンプルなチェーンタイプがお勧めです。

手首周りとの相性ですが小指にリングを着ける場合、結構アイテムを選ばずに合わせ易いんですけど、スカルリングを際立たせるコーディネートとしてはセンターにエッジーな箇所を持たせたバングルの方がレイアウトの良さを感じさせてくれます。シンプルなだけじゃなくてこうしたセンターにアクセントがあるバングルは小指のスカルリングと相性が良いですね。

 

Full face for Thumb

世の中には“違いの判る男”みたいな言葉もありますが、違いが判るだけだとあんまり意味が無いんです。やっぱり違いが判るからこそ自分に合った物を選んで着けこなせないとですよ。そんな違いが判って着けこなしてみて欲しいのが親指へのスカルリング。

フェイスの向きについては好みもあるので写真で見比べてみて欲しいんですが、独断的なお勧めとしてはナックルカバー向きの着け方です。指の形状を考えても太くて短いのが親指の特徴ですから、スカルリングを着けるんだったら指が綺麗に見えるのはナックルカバーな着けこなしなんですよ。

親指ってポケットに手を入れても親指だけは外に出して引っ掻けたり、他の指とは少し異なったアクションをするのでリングを着ける際に選ばない事の多い指なんですけど、そんな指だからこそあえてインパクトのあるボリューミーなスカルリングを合わせる事で引き立ちますし、何より指の太さに対してボリューミーなスカルリングが合うんです。

手首周りはスカルリングと上手く響き合うボリュームのアイテムを選んでいくのがコーディネートとしての楽しみになってきますね。今回はスカルリングのデザインに合わせて意味深なモチーフのバングルを選んでいますが、一番重要なのはサイジングとボリュームのコンディションですので、そこに注意しながら選んでみてはどうでしょう。

 

without lower jaw for Middle finger

最後は中指へのスカルリングの合わせ方になりますが、手指をキャンバスとして捉えると中指は正中線の箇所になるので、実はレイアウトに気をつけないと最もバランスが悪くなり易い指でもあります。インパクトを持たせたいと思うと、ついつい中指にボリューミーなスカルリングを着けたくなっちゃいますけど、先ずは自分の手指とのバランスを考慮するのが先です。

今回は下顎の無いミドルボリュームなスカルリングを合わせていますが、この場合の手首周りは華奢なチェーンブレスレットの重ね着けでコーディネート。スカルリング単体で手指を飾るのでは無くて首周りのアイテムと合わせて飾る事で完成するバランスはレパートリーの1つとして備えておきたいところ。

フェイスの向きはですね、ハッキリ申し上げて上下どちらも良いんですよね。下顎が無いタイプのスカルリングという事もあるんですが、着け心地が合う向きアクションの中で見えて欲しい向きを考えながら気分やコーディネートで変化させるのも楽しみ方の1つですし、自分にとってのスタンダードな着けこなし方を決めていくのもスカルリングとの良い付き合い方だと思います。

 

さて、結局のところスカルリングはどっち向きに着けるのが正解なんだ?と言われそうな今回のWELL-BEINGでしたが、どちらも正解。ただし、どうスカルリングと付き合うかで決めて下さい。って事になりますね。フィット感やコーディネートのWELL-BEINGを求めるなら色々と試してみるのも楽しみですし、スカルリングの着けこなしとしてキース・リチャーズに倣うなら顎が指先を向く着け方になりますし、クリエイターの高蝶が言っていた様に「受け入れるなら自分に向けて、撥ね除けたいなら外に向けて。そうやってスカルの意味を考える」そんな自分にとっての意味を持たせた着け方もありますしね。

シルバーアクセサリーとの付き合い方って人間関係にも似たところがあって、長く着けていると身近になり過ぎてスカルリング1つにしても付き合い方を深く考えずに着けてしまってたりするので、着けこなし方や付き合い方を見直す事でスカルリングとのWELL-BEINGな関係を築いて楽しんで下さい。

 

[STYLING ITEM]

Full face for Index finger

人差指リング:VR-016 ¥38,000- バングル:VBG-005-SV ¥28,000- VBG-005-BS ¥15,000- ネックレス:VH-206 ¥40,000- 人差指リング:VR-022 ¥32,000- ブレスレット:ONE MAKE ¥85,000-

without lower jaw for Little finger

小指リング:VR-021 ¥20,000- バングル:VBG-006 ¥48,000-

Full face for Thumb

親指リング:VR-006 ¥45,000- バングル:ONE MAKE  ¥85,000-

without lower jaw for Middle finger

中指リング:VR-015 ¥28,000- ブレスレット下:VB-002 ¥38,000- ブレスレット上:VB-007 ¥24,000-

(全て Vanitas)

*表記の金額は全て税別価格となります

1999年に高蝶智樹によって設立されたREFUSEは、空間であり組織であり概念である。
GALLERY、FUCKTORY、GARAGEの三拠点からなる創作と表現の空間は、エクスペリエンスを齎す事によって生まれる新たな選択を軸として構成されていて、空間毎にそれぞれ違ったスタイルと時間を楽しむ事が出来ます。
また、GALLERYでは空間と創作を楽しむイベントとして「GALLERY MADE」が毎月行われ、GARAGEでは「TRADING GARAGE」というREFUSEならではのイベントが不定期で行われます。

BRAND LIST
GALLERY REFUSE: Loud Style Design, VANITAS, BLACK CROW
GARAGE REFUSE: ANOTHER HEAVEN, 十三, SCHAEFFER’S GARMENT HOTEL, TNSK, …and more