XOX 06 -REDEMPTION-

XOX – CROSS RING TEN –

2021年にブランドの20周年を控えるLoud Style Designが2019年に20周年を迎えたREFUSEの20周年との空白の1年を繋ぐ「XOX」。2020年3月より2020年12月まで毎月10日にクロスリングをワンアイテムずつリリースし、10本の指それぞれとクロスリングに合わせたスタイリングを行うプロジェクトである。

 

認めるか認めないかは別にしても。其れはある種の罪であるかの様に付きまとい続け、見ようとしなくても常に其処に居て其れはじっと貴方を見つめ続ける。過去とは誰にとってもそんな存在だ。

人には自らの過去と深く向き合う必要に迫られる時が来るし、向き合わないままにしておくならば他の誰かにその責を背負わせる事にもなる。過去を恐怖と感じる人もいるだろうし、羞恥として扱う人もいるだろうが結局はどう感じ扱っみても、過去は紛れも無く貴方自身に他ならない。

何れにしても深く過去と向き合う時、贖う事が出来なければ過去は在るべき場所に留まってはくれず、いつまでも犯した罪の様に付きまとい続ける。

[ REDEMPTION ]

No: LXR-008 Price¥42,000-(+TAX)

Loud Style Designが3つのスタイルに分かれてブランドの軸を形成している事はブランドが20年を迎える現在でも大きな特徴だし、他を見回してみても際立つ独特なブランド構築の方法でもある。「RAIN DOG」「Lily Dust」「GET IN THE RING」と銘打たれた3つのスタイルの中で現在もクリエイションが進行しているのは「GET IN THE RING」だけとなり、「RAIN DOG」「Lily Dust」は既にスタイルとしてのクリエイションを完遂しているのだが、ファーストスタイルとなった「RAIN DOG」はスタイルの完遂から15年が経過している。

クリエイターにとっての過去の作品は現在への課題でもあり羞恥でもあり乗り越えるべき障壁ともなるのだろうが、この「XOX」のプロジェクトがREFUSEの20周年からLoud Style Designの20周年への架け橋的な役割を担う中で、当然ながら深く向き合う過去となるのはファーストスタイルであり、荒削りで若さの勢いと未熟さの大きい「RAIN DOG」になるだろう事は必然とも言える。

「REDEMPTION」というタイトルでリリースされる今回のクロスリングは、十字架モチーフに対しては宗教的に最も沿ったタイトルになるが、真意はそこでは無くブランドとしてクリエイターとしての贖罪であり、インスピレーションに繋がり流れを読んで関係性を築くとの謂れがある左手中指に「REDEMPTION」を選んだ理由が如何にLoud Style Designの礎として「RAIN DOG」が重要なスタイルで有るかが伺えるだろう。

大胆な造型のインパクトと切り落とした様に鋭いエッジ、このリングだけで突出した印象を与えるリングボリューム、そしてデザインの系譜は明らかに「RAIN DOG」のスタイルが見て取れる。しかし、柔らかさや繊細さとは無縁にすら感じる荒々しく太いラインが、現在のLoud Style Designならではのサイジングとフォルムによって新しいカタチを成している。

ストレートに強さを象徴するかの様な「REDEMPTION」だが、クリエイターである高蝶がこのリングのインスピレーションを得たのは約15年前に「RAIN DOG」完遂となる展示会に向けての制作過程での事で、実際にリング制作にも着手したものの纏まり切らずに破棄する事態を迎えてしまう。当時の技量では掴んだインスピレーションをカタチとして成立させれないと判断したまま長い時を経る事なった。

「在るべきカタチを想像し在るべき場所が解っていながら其れを完遂出来ないのは、創り手としての未熟さ故でしかない」後悔や思い残しとも違う慚愧の念は時を経て、未熟だった過去の自分と深く向き合いながら過去の自分が在るべき場所を現在に求める行為としてクリエイトされたクロスリング「REDEMPTION」。クロス自体にフレームを付ける様にデザインされ、サイドから見てみると判るフレームとプレーンでエッジの利いたクロスとの段差は、正面から見た時に全体のフォルムと一体となってインパクトの強いボリュームが指の中でも長さのある左手中指にフィットする。

在るべきカタチを在るべき場所へ。ファッションやシルバーアクセサリーの世界での流行り廃りとは無縁とも言えるそのテーマは、リング自体のデザインのみならず、この「XOX」のプロジェクトで重要なファクターとなるスタイリングにも共通していて「RAIN DOG」というスタイルが在るべき姿の一端が示されている。

腰回りを意識したショート丈のフランネルシャツとタイトなブーツカットのデニムにはヘヴィでロングなウォレットチェーンとオーバルのバックルがよく似合う。時代を経てもこのバランスはやはり男の本能を刺激する強さを失いはしない。この強さが「REDEMPTION」のインパクトを更に加速させながら纏め上げる。

このスタイルでこのリング、腕周りは何も遠慮する事は無い。幅の広いレザーブレスの黒い輝きは足元のエンジニアブーツのトゥと相俟って経年と共に傷が歴史を刻んでいき間違い無く自分のスタイルを形成するだろうし、「REDEMPTON」とのサイズバランスは最適だ。

目頭を隠すぐらいに深く巻いたバンダナとインナーのタンクトップから「SUICIDAL TENDENCIES」を感じ取ると懐かしさを覚えるかもしれないが、90年代のアメカジが進化したこのスタイルの源流ともなるアメリカでは当然の様にスタンダードであるし特に拘りを持ったタトゥーアーティスト達、つまり“時代と寝る”のでは無く生き方を定めた男達にとっては崩す事の無いスタイルになっている。

今では伝統的ですらある90年代以降のルードスタイルがベースになっているのは間違い無いこのスタイルでオリジナリティを出しながら左手中指への「REDEMPTION」との相性で難しくなるのがネックレスと右手首なのだが、やはりここでもリングに負けないヘヴィさがこのスタイリングでは望ましいし、その中でも伝統的で終わらないアイテム選びをしたくなってしまう。

ゴシックでありながらルードでヘヴィな中で射し色としてターコイズのバングル。特にサンドキャスト調の物は「REDEMPTION」のデザインと呼応し、太目のチェーンを最もスタンダードな位置でノッカータイプのペンダントと合わせると、新しい価値観では無く流行りに乗るだけの“時代と寝る”ファッションの馬鹿馬鹿しさすら感じさせる。

流行りというのは所詮は変化する時代でしか無いのだが、ブランドが成長するに連れ衝動的だったクリエイションは時代性を考慮して計算された単なるプロダクトに変わり、昨今ではどのブランドでも挙ってマスクを生産・販売するのに代表される様に、売り易いカタチを売りやすい場所に売りに行き常に時代と寝ようとする。それもビジネスとしては正解の一つなのかもしれないが、時代と寝るというのはある意味で戦いを放棄して生き延びる為の手段でしかない。生き方を定めて時代と戦い続けるスタイルとは別軸の存在だ。

贖罪によって過去は在るべき場所へと還る。戻る事の無い不可逆な時間の中で、瞬間をカタチにし続ける事の重要性と過去を現在へと繋げ続ける意味。Loud Style Designにとってはその一つが今回の「REDEMPTION」であり、「RAIN DOG」が過去でもあり現在でもある事を示している。

現在の自分が過去の自分を認められる様に、過去の自分が現在の自分を認められる様に、新たなカタチもまた在るべき場所へ。

 

[STYLING ITEM]

バンダナ:L-BANDANA001 ¥4,500- ネルシャツ:UNS-003 ¥68,000- タンクトップ:UTT-004 ¥7,500- デニムパンツ:UPANTS-009 ¥48,000- エンジニアブーツ:ULBT-020 ¥250,000- バックル:LGBK-002 ¥150,000- ベルト:LGBT-002¥50,000-

ネックレス:LSN-004 ¥80,000- 左手中指リング: LXR-008 ¥42,000- 左手レザーブレスレット:LB-007¥75,000- 右手バングル:ONE MAKE¥130,000- ウォレットチェーン:LWC-004 ¥380,000-  ウォレット:LSW-002¥40,000- (全て Loud Style Design)

*表記の金額は全て税別価格となります

ご紹介をさせて頂いたアイテムはGALLERY REFUSEそして一部を除きONLINE STOREでのご購入が可能となりますので、ご興味のあるお客様は是非ともご確認ください。

GALLERY REFUSE

東京都江東区森下1-13-11 TEL: 0356001972

ONLINE STORE

MOTOR CYCLE、HOT ROD、ROCK N’ ROLL、PUNK、HEAVY METAL、LOUDと称されるカルチャーに共通する美学や哲学。そこに在る言葉では表せない衝動、心を突き動かし続ける真実を掴み取る事で生み出されるプロダクト。
造型物としての美しさを追求し、身に着けた人のスタイルとなるアイテムを自分達の手で製作する事を根幹とし、LOUDなSTYLEをDESIGNする事で創り続けるのは、深く刻まれる生き様や思想と重ね合わせ身に纏う真実。一つの真実が、手にした誰かのストーリーになりスタイルとなる。

Loud Style Designの全ては、銀という素材を直接加工する事で創り出す原型に端を発し、想像を創造へと進化させる技術を研鑽し、装像を送像する為のアイデアを練る事で転がり続けながら、不変のバランスに独自のストーリーを刻み、流れ去って行くデザインでは無く、永く在り続けるデザインを生み出す。