END UP A LUDICROUS FARCE
完全に悪い意味で「見事に期待を裏切った」としか言い表し様の無い結果に終わってしまったBACKBONEによるリユニオン。デザイナー・太田直也がカムバックする事で、ディレクター・北原哲夫も本腰を入れ、旧知のメンバーを集めての再始動と謳われていただけに往年のファンからすれば期待が高まったのが1年前に東京・恵比寿で行われたリユニオンエキシビジョンだった。
しかし、あれから1年と保たずにBACKBONEはブランドとしても停止してしまい、リユニオンした筈のメンバーは空中分解し太田直也は既にブランドを去った。「上手くいかなかった」と、言い切ってしまえばそれだけの話かも知れないが、期待した側からすれば完膚無き迄に裏切られた気分になりかねない事態ではある。しかし、こうした結末はファッション業界に於いては常識の範囲内でしかなく、ビジネスとしてブランドをやっている以上は当然の結果でもある。
何かが期待を裏切る様な結末を迎えてしまうと「悪者誰だ?」が始まるのは世の常だが、今回のBACKBONEというブランドに起った事態は、誰がどうしたから悪い結果を引き起こしたという単純な話では無く、プロジェクトが残念な結果に終わってしまったというだけに過ぎない。敢えて「何が悪かったか?」を挙げるとするならば、誰もブランドとそのファンに対して責任を持とうとしなかったと言う他に無く、BACKBONEは停止する事となった。
そうした結果を受けて、アクセサリーのパートを担当していたHEATとしても現状はパートナーシップを破棄する以外に無く、現在GARAGE REFUSEやHEAT ONLINE STOREで取り扱っているBACKBONEアイテムの販売を今月限りで終了する事となった。
定番のコレクションとして制作されたアイテムだけに、ワンシーズンだけの奇を衒ったデザインよりもスタンダードに長く続けられるアイテムに仕上っていた事を考えれば残念な話でしかないが、幾つかの原型は擦り合わせを行いANOTHER HEAVEN等で使用される事になりそうだ。
多くの期待が寄せられていただけにBACKBONEというブランドのリユニオンが失敗に終わり、ブランドが停止してしまった事は残念でならないが、未発表のままリリースされていないアイテムの原型やデザインが違うブランドで活かされる事を楽しみにしつつ、もしかしたらやって来るかも知れないBACKBONEの次のアクションを期待するとしよう。完全に悪い意味で期待を裏切られる覚悟で。
「物事の重要な事柄、そして基盤、支柱、無くてはならない存在」となる背骨からインスパイアされたBACKBONEをブランド名に冠し、デザイナー太田直也がモーターサイクル、ロックテイストを軸に独自の感性によって表現するアメリカンカジュアル。ヴィンテージから学ぶ古着の良さと現代の技術を駆使し、ハイクオリティーなアイテムを生み出す。また世界各地の伝統的な素材、パターン、デザイン、時には古着そのものを組み合わせ、普遍的な男らしさと不良性を表現し展開しています。